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環境Q&A

硝酸洗浄水の下水排出について 

登録日: 2014年04月10日 最終回答日:2014年04月10日 水・土壌環境 水質汚濁

No.39679 2014-04-10 15:47:53 ZWlef4 VOC

 当工場は水濁法及び下水道法の特定事業場です。この度、業者に依頼し金属配管を硝酸水で洗浄することを計画しています。その際硝酸水廃液が約20t発生すると見込まれ、業者は当工場内でNaOH溶液で中和後、PHを確認し、当工場で下水として排出すると言っています。
 @当該廃液には硝酸塩が含まれるので、硝酸性窒素の濃度確認も必要と思われますが如何でしょうか?
 Aそもそもこのような廃液は、排水基準内であれば下水に排出して良いのでしょうか?
 尚、洗浄の目的は表面さびの洗浄で、洗浄廃液には鉄イオンや硝酸以外の溶解性含有物はほとんど含有しない見込みです。
          以上

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No.39680 【A-1】

Re:硝酸洗浄水の下水排出について

2014-04-10 21:23:44 papa (ZWlbd18

> @当該廃液には硝酸塩が含まれるので、硝酸性窒素の濃度確認も必要と思われますが如何でしょうか?

接続している処理場の処理水放流先によって下水排除基準に窒素規制があるケースと、ないケースがあります。
規制の有無と規制レベルは自治体条例によりますので、所管庁にご確認ください。
規制がなくとも一応確認は必要ですが、原材料の使用量と洗浄水量から高校生程度の知識があれば電卓で比較的簡単に計算できます。

> Aそもそもこのような廃液は、排水基準内であれば下水に排出して良いのでしょうか?
随伴する他の物質も含めて下水排除基準に適合していれば、下水排除としてかまいません。

> 尚、洗浄の目的は表面さびの洗浄で、洗浄廃液には鉄イオンや硝酸以外の溶解性含有物はほとんど含有しない見込みです。

鉄イオンは下水排除基準がありますが、中和の工程で沈澱します。沈殿物は産業廃棄物として適切に処分してください。

硝酸塩は下水道では圧送管注入などにより硫化水素発生抑制に使用されており、下水管渠の嫌気化防止に有効で、硫化水素発生抑制メカニズムから副生物による障害もありません。 http://www.jiwet.or.jp/result/technical_manual/pdf/2006/pipe/06/200601.pdf
公共用水域放流では障害が大きいのですが、下水排除の場合は逆にメリットがあります。中和工程があるため、鉄塩沈殿物の分離が必要となるので、短時間に多量の排除量とはならないと思いますが、所管庁と排除手順についてご協議いただいたほうがよいかもしれません。
自治体によっては規制部局が下水処理に疎いケースがあるので、その際には上記の資料を見ていただくようにおすすめください。


回答に対するお礼・補足

papa様
 迅速な回答を頂き、ありがとうございます。下水対応の定常的な案件については一通り経験しましたが、このような非定常対応については相談相手も無く悩んでいました。回答及び紹介された資料もわかり易く、助かりました。今後も機会があれば宜しくご教示願います。このたびは誠にありがとうございました。

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