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環境Q&A

上水試験法におけるクロロフィル測定について 

登録日: 2014年10月27日 最終回答日:2014年10月30日 水・土壌環境 その他(水・土壌環境)

No.39893 2014-10-27 17:26:44 ZWlf13c あかるてぃあ

初めまして、上水試験法におけるクロロフィル測定(アセトン抽出による吸光光度法)について困っていることがあります。

1.ろ紙を十分にすり潰すとありますが、程度がわかりません。
すりつぶせばすり潰す程、測定時の750nmの吸光度が高くなる気がします…。
なお使用ろ紙はADVANTEC製ガラス繊維ろ紙GS-25です。

2.波長750nmにおける吸光度がセル10mmあたり0.005を超える場合は(50mmセルで0.025としています)、アセトン数滴を加えて再遠心するとありますが、規定の遠心条件(1500g×10分)ではほぼ間違いなく0.005を大きく超えます。そのため2000g×30分ほど遠心をかけ、上澄みを別の遠沈管に移した後、さらに同条件で遠心をかけることもあるのですが、これでも超えることがあります。濁りの原因が不明なので、解決策が見つかりません。

3.2において750nmの値が規定値を超えた場合に、試料溶液にアセトンを、極端な話倍量加えて濃度を薄くすると、750nmの値が規定値以下に収まります。この場合、元の試験溶液が15mlであれば、30mlとして計算をすれば問題ないのでしょうか。ただ濁り成分を薄めただけで、遠心処理等によって除去していないのですが、750nmにおける妨害成分が薄くなったから問題ないという考えができるのでしょうか。


普段試料として用いているのはダム水や湖沼の水で、クロロフィルa値は0.1〜100μg/Lまで幅広いです。

上水試験法でクロロフィルの測定をされている方は、どのように対処しているのかご意見を聞かせて頂ければと思います。
よろしくお願いいたします。

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No.39895 【A-1】

Re:上水試験法におけるクロロフィル測定について

2014-10-29 21:50:00 筑波山麓 (ZWl7b25

「あかるてぃあ」さんへ。

経験はありませんがとりあえず調べた範囲内で回答します。

「すりつぶせばすり潰す程、測定時の750nmの吸光度が高くなる気がします…。」
濁り成分が増えるからではないでしょうか?

調べた範囲内では、ワットマン社のGF/Fグラスファイバーろ紙がよく使用されているようです。以下に、上水試験方法ではありませんが、参考になると思われる試験方法をリンクします。

JIS K 0400-80-10: 2000
「水質−生化学的パラメータの測定−クロロフィル a 濃度の吸光光度定量」
http://kikakurui.com/k0/K0400-80-10-2000-01.html

「日本周辺海域における低次生態系モニタリングにおける蛍光法によるクロロフィルa分析マニュアル」
http://tnfri.fra.affrc.go.jp/kaiyo/aline/manual/chl-measure.pdf

なお、クロロフィル量(上水試験法W-4 20)」が、「陸水モニタリング手引き書」の59頁に紹介されていますので、参考のためにご紹介いたします。
https://www.env.go.jp/air/acidrain/man/land_water/full.pdf


「濁りの原因が不明なので、解決策が見つかりません。」

400nm-750nm の範囲で連続で吸光度を記録すれば、波長の形状からある程度原因と成分を推測できます。


「2において750nmの値が規定値を超えた場合に、試料溶液にアセトンを、極端な話倍量加えて濃度を薄くすると、750nmの値が規定値以下に収まります。この場合、元の試験溶液が15mlであれば、30mlとして計算をすれば問題ないのでしょうか。ただ濁り成分を薄めただけで、遠心処理等によって除去していないのですが、750nmにおける妨害成分が薄くなったから問題ないという考えができるのでしょうか。」

以前にも一般的な計算方法をご紹介したことがありますが、絶対量(全体量)を計算すれば、簡単に計算できます。つまり倍量に薄めたとしても「元の試験溶液が15ml」中の全量として計算すれば良いのです。1000文字を超えますので、この程度での回答とします。

回答に対するお礼・補足

様々な参考資料及びご意見ありがとうございます。
フィルターの種類による違いや濁り要因について再検討をしてみたいと思います。
また、希釈の場合におけるご意見もありがとうございました。

No.39897 【A-2】

Re:上水試験法におけるクロロフィル測定について

2014-10-30 14:39:28 (ZWl9cd

10年程前まで測定をしていました。
私も困っていた記憶がありますので、参考までに当時の状況と対処をお伝えします。

1.冷暗所で1時間保存(抽出)中に抽出液が冷えて、吸収セルに移した時に結露してセルの外側が曇っていることがあった。
  →小容量セル使用とし、曇りをふき取って測定。

2.室温が高い時、吸収セル表面からアセトンが揮発し、セル内の抽出液がもやもやしていた。(吸光度がフラフラしていた)
  →小容量セルの蓋つきのものを使用し、揮発を防止。

3.試験管内側の抽出液面より上にGFPのカスがこびりついていて、吸収セルに移す時にカスも一緒にセルに入ってしまった。
  →揺らさず、ゆっくりとピペットで採る。

以上、簡単ですが経験と対処です。

回答に対するお礼・補足

経験による貴重なご意見ありがとうございます。
特に、試験管内に付着したフィルターの残差については再検討してみたいと思います。

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