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環境Q&A

排水のノルマルヘキサン抽出物質分析法について 

登録日: 2017年05月04日 最終回答日:2017年05月06日 水・土壌環境 水質汚濁

No.40777 2017-05-04 09:46:26 ZWlf730 hachi1963

排水中のノルマルヘキサン抽出物質の分析において、捕集濃縮・抽出法を行う機会が多いです。

JIS K 0102では、試料に捕集剤として塩化第二鉄溶液を加え、炭酸ナトリウム溶液を加え、pHを7〜9として沈殿(水酸化鉄?)を生成させて沈殿が沈降して上澄み液層が完全な透明層になるまで静置することとなっています。

私ども分析室では、通常は沈殿生成後、一晩(12〜16時間)静置し、翌朝、上澄み液を抜き出して、残った沈殿に塩酸を加え、酸性下で沈殿を溶かした水層をノルマルヘキサンで抽出しておりますが、土日の休みや、連休が挟む時には、2〜3日間、長い時には4〜5日間、弱アルカリ性の状態で沈殿を静置しております。

そこで、私の懸念ですが、ノルマルヘキサン抽出物質には動植物油などの加水分解性の油分が多く含有されているため、pH7〜9の中性から弱アルカリ性の状態下で長時間放置しておくと加水分解などにより、ノルマルヘキサン抽出物質が分解し、分析値に影響を与えるのではないかということです。

その対処の方法としては、以下の3点が思いつくのですが、どのような対処が妥当なのか、ご教示願います。

1.何の処理もせず、サンプル排水を酸性下で冷所で保存する。
2.従来通り、沈殿を生成させ静置する。
3.沈殿を塩酸で溶かし、酸性下で置いておく。

その他、妥当な措置がございましたら、宜しくご教示願います。

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No.40779 【A-1】

Re:排水のノルマルヘキサン抽出物質分析法について

2017-05-06 18:03:35 たそがれ (ZWla61d

私も炭酸ナトリウムによる弱アルカリでどの程度加水分解がおこるか確認したことがありませんのでその部分は他の方の回答を待ってみてください。
でも少し懸念することがあります。工場・事業場排水の分析方法は「排水基準を定める省令の規定に基づく環境大臣が定める排水基準に係る検定方法 付表4」(最新の改定で付表番号がずれているかもしれません 確認願います)に載っていますが、「捕集濃縮・抽出法」は採用されていません。
ヘキサンを添加後、かき混ぜ、あるいは振とうする方法のみです。 「捕集濃縮・抽出法」は環境基準、平たく言えば海水の分析法です。
加水分解の懸念があるのは動植物油脂をある程度含む排水であり、海水では無視しえると考えられることからそうなっている部分もあると思われます。
確認してください。

回答に対するお礼・補足

「排水基準を定める省令の規定に基づく環境大臣が定める排水基準に係る検定方法」(環境庁告示64号)を確認して納得しました。
ご教示いただき、ありがとうございました。

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