一般財団法人 環境イノベーション情報機構

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エコチャレンジャー 環境問題にチャレンジするトップリーダーの方々との、ホットな話題についてのインタビューコーナーです。

No.070

Issued: 2017.10.20

株式会社ブリヂストン技術スポークスパーソンの原秀男さんに聞く、タイヤに関わる安全や環境の問題、交通システムを含む持続可能な社会つくりへの関わり

原 秀男(はら ひでお)さん

実施日時:平成29年9月27日(水)10:00〜
ゲスト:原 秀男(はら ひでお)さん
聞き手:一般財団法人環境イノベーション情報機構 理事長 大塚柳太郎

  • 学生時代は物理学を専攻。
  • 1977年4月、株式会社ブリヂストン入社。
  • 東京都小平市の技術センターで、タイヤ材料設計、構造設計を担当。1992年4月、米国の事業会社に開発者として派遣。場所は、オハイオ州アクロン市、クリーブランドの南30マイル、人口約20万人。かつて米国のタイヤ産業は全てこのアクロン市にあった。1988年ブリヂストンはファイアストン社を買収し、買収後の第2陣として現地へ派遣。
  • 全部で3回、都合16年間、米国の事業会社、ブリヂストン・アメリカズへ派遣。3回目は、現地会社のCTOを担当。また、日本では、直需販売と商品戦略の役員を担当し、技術以外の運営を担当したことで、様々な経験と、特に社外の色々な人脈を作ることが出来た。
  • 2015年3月、米国より帰任、それ以降「技術スポークスパーソン」を担当し、現在に至る。
目次
ブリヂストンが持つ技術を説明しようとしたとき、自分達の専門用語ではまったく通じなかった
「どれかを良くするために他のどれかを犠牲にしない」を前提に、技術開発を目指してきた
タイヤの設計は接地面の摩擦力の設計 ──どのような状態においても徹底的に見る技術「アルティメットアイ」
「自然と共生する」「資源を大切に使う」「CO2を減らす」の3つの取り組みを重視
タイヤの場合、圧倒的に多くのCO2が出るのは、走行中におけるタイヤの「転がり抵抗」
タイヤに関わる研究は、ポリマーをはじめとする高分子化合物に関わる幅広い技術がベース
新たな方針として“Our way to serve”を、CSR(企業の社会的責任)の新たな目標として発表
一人ひとりの生活と社会とを天秤にかけ、互いにバランスをとるようにしないと世の中は良くならない

ブリヂストンが持つ技術を説明しようとしたとき、自分達の専門用語ではまったく通じなかった

大塚理事長(以下、大塚)―  本日は、株式会社ブリヂストン技術スポークスパーソンの原秀男さんにお出ましいただきました。ブリヂストングループは、エコ・ファースト認定企業として多くの先進的な取り組みを進めておられます。本日は、私たちに馴染み深いタイヤに関わる安全や環境の問題とともに、交通システムを含む持続可能な社会つくりに企業がどう関わるかなどについて、お話を伺いたいと思います。
早速ですが、原さんがなさっておられる株式会社ブリヂストンの技術スポークスパーソンという仕事について、自己紹介をまじえてご紹介いただけますでしょうか。

原さん―  私は2015年3月に、技術スポークスパーソンという職に就きました。その背景にあったのは、ブリヂストンが持つ技術は非常に高いけれども、ステークホルダーの方々に分かりにくいということでした。できるだけ分かりやすく、我々がもつ技術を理解していただくのが私の役目ということになります。

大塚―  ある意味では、大変難しい仕事かと思いますが、原さんのそれまでの経験が関係していたのでしょうか。

原さん―  そうですね。私の入社時のバックグラウンドというか、大学での専門分野は物理学です。入社して材料開発に携わり、その後、設計分野の仕事をし、それからアメリカの事業会社に長く勤務いたしました。アメリカ時代に、ブリヂストンが持つ技術を説明しようとしたとき、自分達の専門用語ではまったく通じなかったのです。それで、できるだけ分かりやすく説明するよう努力したところ、アメリカのメディアからも受け入れられるようになりました。この活動が認められたのだと思います。

大塚―  日本では一昔前、難解な説明の方が受けるような雰囲気もありましたね。
伺いたいことはたくさんありますが、まずは本来業務のタイヤ生産に関わる安全性、環境配慮、経済性について、ブリヂストンの考え方からお願いします。

「どれかを良くするために他のどれかを犠牲にしない」を前提に、技術開発を目指してきた

原さん―  私どものブリヂストングループが最も大事にしているモットーは、企業が企業として良い仕事をするだけでなく、社会に良い貢献をすることです。それが企業として生き残る条件だと考えています。ESG【1】と表現されるものです。文字どおり、Environment「環境」、Social「社会」、Governance 「ガバナンス」の重視です。
タイヤについては、何と言っても、安全・安心が保証されなければはじまりません。それは絶対ですね。それとともに、乗り心地を良くしたい、走行性能を良くしたい、燃費を良くしたいなど、多くのことがあります。ブリヂストンは、「どれかを良くするために他のどれかを犠牲にしない」を前提に、技術開発を目指してきました。背反するかのような性能を、時間をかけて両立させてきたことが、ブリヂストンの技術だと思っています。

大塚―  タイヤの製造は、技術開発の連続だったのでしょうね。

原さん―  ブリヂストンが創業時から特に取り組んできたのは、ゴムの配合に関わる技術開発です。現在、世界中のタイヤで最も多く使われているのは、合成ゴムでBRと略称されるブタジエンラバー【2】ですが、BRを発明したのはブリヂストンの技術者なのです。

大塚―  タイヤの材料としてのゴムの技術開発は、まさに基本中の基本ですね。

原さん―  タイヤの原材料の天然ゴムについてもお話ししましょう。天然ゴムは農作物です。ゴムの収量を増やすために単に熱帯雨林を潰しゴム園を作ろうとすると、CO2の排出量を増やすことになるでしょう。このような状況に対するブリヂストンの考え方について、まだ実現していないことを含めお話しさせていただきます。
私たちがまず目指すのは、ゴム園の面積当たりの収量を飛躍的に高める方法の探索でした。また、ゴムの木は根に付く細菌で枯れることがよくあるので、その細菌による害を根絶する技術開発を目指します。ゴム園の面白い話もあるので紹介させていただきます。実は、生産性の高いゴムの木と低いゴムの木があるのですが、生産性の高い木だけを植えたゴム園より、生産性の低い木を混ぜて植えたゴム園の方が全体としての収量が多くなるのです。私たちは、このような自然界の不思議さの解明にも関心を持っています。

タイヤの設計は接地面の摩擦力の設計 ――どのような状態においても徹底的に見る技術「アルティメットアイ」

タイヤのトレッドパタンの接地力分布。色や形が摩擦力と圧力を表し、最適な状態を見える化する。

タイヤのトレッドパタンの接地力分布。色や形が摩擦力と圧力を表し、最適な状態を見える化する。

アルティメットアイは、圧力や摩擦力をコンピューターで予測するシミュレーションと、実際にタイヤが走っているときの圧力や摩擦力を精密機械によって計測する2つの技術の融合によって解析の精度を向上させ、より高性能なタイヤの開発に貢献している

アルティメットアイは、圧力や摩擦力をコンピューターで予測するシミュレーションと、実際にタイヤが走っているときの圧力や摩擦力を精密機械によって計測する2つの技術の融合によって解析の精度を向上させ、より高性能なタイヤの開発に貢献している


大塚―  材料のゴムの木をめぐっても奥の深いことが分かりましたが、ブリヂストンが強調されている「アルティメットアイ」についてご紹介ください。

原さん―  「アルティメットアイ」を説明する前に、乗用車のタイヤの基本的な特性をお話ししたいと思います。
乗用車のタイヤの接地面積はどのくらいと思いますか。だいたいハガキ1枚分くらい、手のひらくらいです。タイヤが4つですから、合わせてハガキ4枚分くらいです。乗用車の部品は全部で2万点を超えるのですが、すべての部品の中で、路面と接するのはタイヤだけです。車が動く力というのは、手のひらを上から押して、横に動かしたとき、手のひらに感じる力と同じです。この大事な力は摩擦力です。実は、車が「走る」「曲がる」「止まる」のは、すべて摩擦力に関係しており、車の運動は接地面における摩擦力で記述できるのです。極端に言うと、タイヤの設計は接地面の摩擦力の設計なのです。
接地面で何が起きているかを徹底的に見る目という意味で、私たちは「アルティメットアイ」と名づけ、たとえば接地面の圧力分布を見るのです。圧力分布といっても、路面が乾いている場合、雨の日や雪の日など、状況によって大きく変わりますが、どのような状態においても徹底的に見る技術を「アルティメットアイ」と称しています。

大塚―  タイヤの接地圧を示す図で、説明をお願いします。

原さん―  圧力の高い方から順に、色が赤系から青系になります。ここに示すタイヤの例では、横に細い帯が中央部に何本もありますが、帯が均等に分布しています。この状態が理想的なのです。どこかに偏っていると、その部分が摩耗し、ブレーキ力が低下することになります。
これは「アルティメットアイ」のほんの一例で、車種によってもタイヤの設計によっても、圧力の分布は大きく異なります。それぞれの結果を丁寧にチェックし、圧力が最も均一になるよう設計するのです。
「アルティメットアイ」の基になる測定は、室内の実験室で、タイヤと大きな鉄のドラムを回し、ドラムにつけた圧力とせん断力【3】を測る数多くの5ミリメートルくらいのセンサーから得られます。大量の測定データをとることができるので、「アルティメットアイ」のデータはいわゆるビッグデータとしてコンピュータ解析されます。

大塚―  「アルティメットアイ」のデータが、先ほど言われた摩擦力を反映するのですね。

原さん―  はい、そのとおりです。


「自然と共生する」「資源を大切に使う」「CO2を減らす」の3つの取り組みを重視

大塚―  話題を変え、ブリヂストングループが力を入れている環境保全活動について伺いたいと思います。
株式会社ブリヂストンは、平成23(2011)年に環境省のエコ・ファースト企業に認定され、CO2削減など多くの課題に取り組まれていますね。

原さん―  ブリヂストンの環境保全を分かりやすく説明したものに、今年6月に出したサステナビリティレポートがあります。このレポートは、企業の活動全体にかかわるのですが、最初のテーマとして掲げているのが環境です。
エコ・ファースト企業として、「自然と共生する」「資源を大切に使う」「CO2を減らす」の3つの取り組みを重視しています。これらの方針を、津谷正明CEOの名前で毎年公表するとともに、グローバルな企業活動にも適用しています。

大塚―  グローバルな視点という意味で、具体例の紹介もお願いします。

原さん―  いろいろありますが、その1つの水についてお話ししましょう。というのも、ブリヂストンのようなタイヤを製造する企業は、工場で水をたくさん使うからです。ご承知の通り、世界では水不足が懸念されています。水ストレス【4】という指標もあり、その基準の1つによれば、水の実際の供給量が供給可能量の40%を超えると危険といわれます。たとえば、2025年には西アジアから北アフリカにかけて28億人もが水の供給不足に陥るとの予測もあります。
ブリヂストンは、水ストレスの緩和に貢献するよう、まずは2020年までに水の使用量を35%減らす方針を立てています。2016年の実績をみると、28〜29%減らすことに成功しています。

大塚―  水は大切な資源であり、自然との共生にとっても重要ですね。

原さん―  資源を大切に使うという点では、水ではないのですが、タイヤの材料になる資源に対する資源生産性【5】という指標が分かり易いと思います。簡単に言うと、ブリヂストン全体の売上額を、ブリヂストンが使ったすべての材料の重量で割った値です。2016年の資源生産性を2005年と比べると、30%上昇させることに成功しており、とくに天然ゴムの使用量を大きく減らしました。

タイヤの場合、圧倒的に多くのCO2が出るのは、走行中におけるタイヤの「転がり抵抗」

大塚―  CO2の削減については、どのようにみればいいのでしょうか。

低燃費タイヤ(右側が次世代低燃費タイヤ、Ologic 155/70R19

低燃費タイヤ(右側が次世代低燃費タイヤ、Ologic 155/70R19

原さん―  ブリヂストンがCO2排出量を減らすために考えているのは、CO2のライフサイクルです。タイヤの一生をCO2から見るのです。まず、原材料について言えば、ブリヂストンは原材料メーカーから、原材料とともにそれまでに出されたCO2も一緒に買っていると考えるわけです。原材料を使ってタイヤを生産する工程では、電気やガスを使いますからCO2が出ます。物流で物を運ぶ際にもガソリンを使うのでCO2が出ます。タイヤの使用後の廃棄・リサイクルにおいてもCO2が出ます。
その通りなのですが、タイヤの場合、圧倒的に多くのCO2が出るのは、走行中におけるタイヤの「転がり抵抗」【6】に関わっています。我々の試算によると、全排出量の86%にもなるのです。
原材料への配慮、生産過程、廃棄・リサイクル過程などでCO2削減を行うのは当然として、ブリヂストンの最大のミッションは、転がり抵抗の改善という難しい技術開発を実現し、CO2排出量を大きく削減させることだと考えています。具体的な目標は、2005年を基準年として2020年までに、タイヤの転がり抵抗の改善による25%の削減、そして原材料の段階や物流・生産・廃棄などの段階をすべて含めた35%の削減です。

大塚―  多くの取り組みを進めておられますが、その原動力はどのようなこととお考えですか。

原さん―  先ほども申し上げたように、ESGすなわち環境・社会・ガバナンスが不十分な企業は、社会に存在しなくなると考えており、いわば本来の目指すべき課題に立ち向かっていると感じています。

大塚―  当然なのかもしれませんが、素晴らしいですね。期待しております。


タイヤに関わる研究は、ポリマーをはじめとする高分子化合物に関わる幅広い技術がベース

ブリヂストンが開発した高圧充填水素ホース

ブリヂストンが開発した高圧充填水素ホース

大塚―  ところで、ブリヂストンはタイヤ生産以外でも、未来の社会を見据えた企業活動を展開されています。その例をご紹介いただけますか。

原さん―  水素ステーションへの貢献を取り上げましょう。このことは、Hara's Eyes【7】でも取り上げているのですが、サービスステーションを運営しているENEOSさんが2年ほど前に東京都杉並区に造った、燃料電池自動車用の水素ステーションに、ブリヂストンが製作し設置した高圧充填水素ホースがあります。
電気自動車の充電には最短でも30分くらいかかりますが、燃料電池車の水素の場合はガソリンとほとんど変わらず、1分間充填すれば200〜300キロメートルは走れます。問題は水素が気体ということです。大量の水素を充填するために、70メガパスカル【8】という非常に高い圧力で圧縮しているのです。ちなみに、70メガパスカルという圧力は、親指の先に大型乗用車1台が乗っているのに相当するほどです。もう1つ大事なことは、ご承知のように水素は最小の分子ですから、ちょっとした隙間があれば外に漏れてしまうのです。
ブリヂストンが考えたのは、水素を充填するホースの改良です。一番内側に特殊なプラスチック樹脂を使って小さい水素分子を漏らさないようにし、働く圧力を支えるために6層のワイヤーで膨らまない設計になっています。その上、ホースですから使い勝手がいいようにやわらかくなっています。ENEOSさんと共同開発したこの高圧充填水素ホースは、日本各地で設置が増えており、日本の低炭素化に貢献していると考えています。

大塚―  ENEOSとの共同開発の側面があるのでしょうが、ホースの開発の基になったのはブリヂストンの技術なのですね。

原さん―  タイヤに関わる研究は、ポリマー【9】をはじめとする高分子化合物に関わる幅広い技術がベースになっています。ですから、その技術はいろいろな応用が可能で、たとえばゴルフボールや、地震が起きた時に建物の揺れを免震するゴムも製作しています。

新たな方針として“Our way to serve”を、CSR(企業の社会的責任)の新たな目標として発表

大塚―  ブリヂストングループは、タイヤをはじめとする技術開発とともに、広い意味での交通文化など、未来の持続可能な社会を意識されておられるわけで、その一端をご紹介いただきたいと思います。

原さん―  今年6月に、ブリヂストンは新たな方針として“Our way to serve”を、CSR(企業の社会的責任)の新たな目標として発表しました。今まで、CSRはCSRとして行ってきたものを、今回はさらに体系的なものにいたしました。会社としてのミッションあるいは哲学と言えるかと思いますが、今までは「ブリヂストンという会社の窓から社会を見ていた」のに対し、「社会という窓からブリヂストンという会社を見る」ということです。
具体的には、ブリヂストンが社会に貢献することとして3つをあげました。第1はMobility(モビリティ)で、多様な移動のニーズに応え、安全・安心の移動をはじめモビリティ社会の持続的成長に寄与することです。第2はPeople(一人ひとりの生活)で、安全・安心な暮らしを支え発展に貢献するために、地域社会との信頼関係を構築することです。第3はEnvironment(環境)で、自社の環境負荷削減とともに環境負荷削減に貢献する商品やサービスを通じ共通価値を創出することです。
“Our way to serve”を分かり易く言い換えると、社会で暮らす方々が快適に移動し、快適に生活し、快適に働き、生活を楽しむために、ブリヂストンが社会に存在することを社会に対して約束したわけで、非常に重い意味をもつと考えています。

一人ひとりの生活と社会とを天秤にかけ、互いにバランスをとるようにしないと世の中は良くならない

大塚―  ブリヂストングループが目指していることをお話しいただいてきましたが、最後に、原さんご自身がEICネットを見ておられる方々に向けた個人的なメッセージをいただけないかと思います。

原さん―  そうですね。社会で生活する一人として、私が感じていることをお伝えしたいと思います。環境もそうですし、社会的責任(ソーシャルレスポンシビリティ)もそうですが、結局のところ、一人ひとりの生活と社会とを天秤にかけ、互いにバランスをとるようにしないと世の中は良くならないと思っています。ですから、社会が良くなければ一人ひとりも良くならないのです。このバランスをとれるのが大人であり、社会人であると考えています。言い換えると、社会人は何歳になっても社会と一緒に成長しつづける、それができて、はじめて社会人と言えるのだと思います。 私が携わっている技術スポークスパーソンという職もそうですが、EICネットで発信される情報も含め、情報は非常に大切なもので、情報を共通の関心事として互いに分かり合うことが必要なのです。社会の関心事と個人の関心事が同じだと同時に成長できる、このことが、素晴らしい公共性、すなわちパブリシティだと思っています。

大塚―  いろいろなことをお話しいただきました。特に、ブリヂストンが会社から社会を見るのではなく社会から会社を見ること、そして最後に、原さんご自身の経験に基づく考えをお聞きできました。本日はどうもありがとうございました。

株式会社ブリヂストン技術スポークスパーソンの原秀男さん(左)と、一般財団法人環境イノベーション情報機構理事長の大塚柳太郎(右)。

株式会社ブリヂストン技術スポークスパーソンの原秀男さん(左)と、一般財団法人環境イノベーション情報機構理事長の大塚柳太郎(右)。


【1】ESG
 環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取ったもの。今日、企業の長期的な成長のためには、ESGの3つの観点、すなわち「環境重視」「社会的責任」「企業統治」が必要とする考え方で、世界的に広く認められてきている。
【2】ブタジエンラバー(Butadiene Rubber; BR)
 自動車・航空機用タイヤ・履物・防振ゴム・ベルト・ホース・プラスチック改質材などとして最も多く使用されている合成ゴムで、天然ゴムより弾性・耐摩耗性・耐老化性に優れている。
【3】せん断力(剪断力)
 物体のある断面に平行した逆向きの力を作用させると、この断面に沿って切られるような作用を受ける。この一対の逆向きの力がせん断力とよばれる。
【4】水ストレス
 水供給が逼迫している程度を表す指標。その1つが、年利用量を河川等の潜在的な年利用可能量で除した値で、それが40%以上になるとストレス状態とみなされる。
【5】資源生産性
 産業や人間生活が資源をいかに有効に利用しているかを示す指標。特定の「製品」を製造する際に用いられる場合、「生産性が高いほど効率的に資源を利用している」ことになる。
【6】転がり抵抗(Rolling Resistance)
 ボールやタイヤなどの球、円盤、円筒状の物が転がるとき、進行方向と逆向きに生じる抵抗力。転がる物体とそれを支えている物体の構造、材質、表面の粗さ、物体間の垂直抗力に大きく依存する。
【7】Hara's Eyes
 今回のエコチャレンジャーに登場された原秀男さんが、ブリヂストンの技術に関し噛み砕いて伝える連載企画。
http://www.bridgestone.co.jp/corporate/technology/eyes/
【8】メガパスカル(MPa)
 圧力の単位。1パスカル(1平方メートルにつき1ニュートンの力が作用する圧力または応力)の100万倍
【9】ポリマー(Polymer)
 複数のモノマー(単量体)が重合する(結合して鎖状や網状になる)ことによってつくられる化合物で、一般には高分子の有機化合物。現在は、高分子と同義で用いられることも多い。

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