モニタリングセンターとなった公園は、ネットワーク内の比較的小さな規模の公園に職員を派遣し、相手方の職員と協力してモニタリングを実施している。日常的なデータの収集は現地の職員が行い、機器や専門的な知識を必要とする分析や、多くの職員を必要とする調査はモニタリングセンターとなる公園が支援する。レッドウッドでは、資源管理部門の職員は、ウィスキータウン国立レクリエーション地域のモニタリングや管理火災の実施のために出張することが多かった。
「このようなネットワークの導入により、ようやく小公園のモニタリングが可能となったのです」
このネットワークは、クリントン政権下の1999年に創設された「自然資源チャレンジプログラム(囲み参照)」の中で、「今後5年間の間にすべての国立公園ユニットにおいてバイタルサイン(重要生物指標)モニタリング(囲み参照)を導入する」という決定に基づいている。つまり、カーター政権で打ち出された「全ての公園の自然・文化資源を守る」ということが、クリントン政権によりようやく具現化されたわけだ。「全ての公園」での資源保護は、言い換えれば小さな公園でのモニタリングをいかに効率的かつ確実に実施するかということでもある。
このプログラムの導入により、アメリカの国立公園は単に「囲う」(公園区域を定め影響を排除する)ことから、「維持する」(資源状態を監視しながら順応的に管理する)レベルにステップアップしたと言えるだろう。
この事例は、対極化した二大政党下での政策の継続性やダイナミックな側面を示しているようにも思える。つまり、政党としての政策の一貫性と政権交代による方針の転換という相反する側面である。モニタリングのように、定期的に公園内の資源を観測し、記録していくことは、こうした政策の転換の中にあっても資源管理の一貫性を維持するために必要不可欠なシステムといえる。
「西部・太平洋地域事務所では、このバイタルサインネットワークを、公園の管理にも応用したのです」
その一例が、ITシステムの維持管理である。国立公園局は巨大なITシステムを構築しつつある。その管理のために高度なIT技術をもつ職員を雇用している。そうしないと、南部オペレーションセンターなどのようにGPSデータなどの膨大な自然環境データの保管と処理を行うシステムのメンテナンスは難しい。
「レッドウッドには、コンピューターシステムのエンジニアが2人いて、北部の管理事務所と南部管理事務所をそれぞれ担当しています」
多少大げさに言えば、ITシステムの管理は、これまでの公園管理の基本である「施設」、「利用」、そして「自然環境」につぐ、第4の公園管理業務に急浮上してきた。それを加速させたのがテロ対策に伴うセキュリティーの高度化だ。そして、このIT管理の存在が公園間の新たなネットワーク形成の原動力ともなっている。
「ネットワーク内の小公園には、専属のIT技術者を雇用する余裕はありません。そこで、レッドウッドの職員を派遣して、こうした小公園のIT管理を支援しているのです」








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