H教授―いやあ、さわやかな小春日和だなあ。
Aさん―センセイ、とうとうぼけちゃったですね。今は秋ですよ。季節の感覚もなくしちゃったんですか。
H教授―♪今はもう秋、誰もいない海♪ ──か。辞書で「小春」「小春日和」というのを調べてみろ。陰暦の11月と書いてあるぞ。院生たってホント、常識ないんだから。
Aさん―(膨れて)イヂワル! そんな死語をつかわず、「紅葉の秋だなあ」でいいじゃないですか。(小さく)これじゃあ学生に嫌われるわけだ。
(思い直して)ところで前講から2005年10大事件に入るようなことが目白押しですね。
H教授―例えば?
Aさん―パキスタン大地震。4万人もの人が死んだという話です。
H教授―うん、悲惨だよねえ。カシミールを巡る印パ紛争がちょっと雪解け状態になったことだけが救いだ。ほかには?
Aさん―ドイツでは大連立政権ができて女性首相が誕生することが決まったし、イラクでは憲法制定の国民投票が行われ、タイミングを計ったようにフセイン裁判が始まりました。
H教授―タイミングを計ったんだろう、そりゃあ。新たな国民統合の第1歩になればいいけど、亀裂をさらに深めるだけになってしまうかもしれない。アメリカ以外のほとんどの派兵国はイラクから撤退しようとしているし、米国だって撤退したいんだろうけど、撤退すりゃあ内戦になるのは目に見えてる。大義なき愚かな侵攻のツケが回ってきたんだ。
コイズミさんは...。