Aさん―なるほどねえ。で、キューバってそもそも、どんなところなんですか。
H教授―米国の鼻先にある島国だ。面積は日本の3分の1ぐらい。ただ、山が少ないから平地面積だけでいうと日本と大差はない。人口は1100万人だから日本の10分の1ぐらいかな。
キューバ革命は1959年に起きた。海外からの支援もなく、キューバ共産党も出し抜いて、カストロやゲバラがバチスタ政権の圧政を倒したんだ。当初は別に反米じゃなかったんだけど、宗主国気取りの米国の卑劣で拙劣な対応が裏目に出て、結果的にはソ連陣営に押しやることになった。
Aさん―じゃあ、ソ連崩壊後は大変だったんじゃないですか。
H教授―うん、今でも大変さ。モノカルチャー体制で農産物をサトウキビに特化させて東側に輸出し、その見返りで東側陣営からの原油や生活必需品などを格安で輸入していたんだけど、それが止まってしまった。
で、一気に経済事情は悪化。やむなく循環型の有機農業に切り替え、自給体制をとるとともに、国民の生活も大幅な窮乏化をやむなくされた。
Aさん―よくそれで体制が崩壊しなかったですね。
H教授―うん、歯を食いしばってがんばり抜いた。その後、一定の制限下で自由化を導入。個人営業なども認めるようにしたし、国民にも外貨――以前はドルだったけど、今は外貨に対応するCUCという兌換ペソ――の保有・使用を認めるようになった。観光客の誘致にも力を入れ出し、外資を導入しての観光産業はキューバ第一の産業になりつつある。
Aさん―じゃ、中国やベトナムと同じですね。