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環境ニュース[国内]

人と野生生物の蓄積状況など、ダイオキシン類に関する4種の調査の16年度調査結果を公表

健康・化学物質 ダイオキシン】 【掲載日】2006.04.12 【情報源】環境省/2006.03.30 発表

 環境省は、平成16年度の「野生生物のダイオキシン類蓄積状況調査」、「ダイオキシン類の人への蓄積量調査」、「臭素系ダイオキシン類に関する調査」、「ダイオキシン類による人の暴露実態調査」の結果を平成18年3月30日に公表した。
 野生生物のダイオキシン類蓄積状況調査は「鳥類」、「海棲哺乳類」、「陸棲哺乳類」についてダイオキシン類の蓄積状況を測定したもので、10年度から実施されているが、16年度調査では鳥類ではカワウ、ハシブトガラス海棲哺乳類ではスナメリ、陸棲哺乳類ではアカネズミについて、ダイオキシン類の蓄積状況を測定。「全般的な蓄積濃度は低く、濃度は低下傾向だが、アカネズミ肝臓中の蓄積濃度(湿重量あたり)は昨年同様、体躯に比べて高い集積を示した」−−という結果が確認された。
 人への蓄積量調査では、全国5地域15地区の264名に対してと、ダイオキシン汚染が過去に判明した大阪能勢町・埼玉県所沢市周辺の住民51名に対して血液中ダイオキシン類濃度測定を行ったが、このうち全国調査の5地域の血液中ダイオキシン類濃度平均値は脂肪1グラムあたり21〜27pg−TEQの範囲で、国内既存調査とほぼ同じ結果とされ、大阪能勢町と埼玉県所沢市周辺の住民の血液中ダイオキシン類濃度平均値も、昨年度までの結果と同レベルとされた。
 また、臭素系ダイオキシン類(注1)に関する調査は、全国12地点で、大気、降下ばいじん、土壌、地下水、水質、底質水生生物(魚介類)、野生生物(鳥類、ほ乳類)、食事試料、ハウスダストの10媒体をそれぞれ採取し、臭素系ダイオキシン類検出状況を調べたものだが、地下水水生生物以外のすべて環境媒体から臭素系ダイオキシン類が検出される結果となった。
 一方、人への暴露実態調査では、15年度に政府機関や地方公共団体が行った各種調査を基に、人の経路別暴露量(人がさらされていたダイオイキシン量を経路別にまとめたもの)や、これをもとにした個人の総暴露量を推計したが、このうち個人の総暴露量は、1日体重1kgあたり1.35pg−TEQと算定され、14年度の1日体重1kgあたり1.52pg−TEQよりわずかに減少していた。摂取経路はこれまで同様、食事からの摂取が約9割(1日体重1kgあたり1.33pg−TEQ)を占めているとされた。

(注1)臭素系ダイオキシンは通常のダイオキシン類の「塩素」の1つ以上が「臭素」に置き換わった物質。臭素系難燃剤が混入している家電製品のプラスチックなどが不完全燃焼すると発生するとされており、毒性は通常のダイオキシンと同程度とされている。【環境省】

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