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環境ニュース[国内]

意見募集結果を公表 副生HCBの最良削減可能レベルを示す報告書案

健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2006.11.09 【情報源】環境省/2006.11.09 発表

 工業原料として使用されているテトラクロロ無水フタル酸(TCPA)を合成する際に、化審法の第1種特定化学物質(注1)であるヘキサクロロベンゼン(HCB)が副生することが判明した件に関連して、TCPA中のHCBの工業技術的・経済的に実現可能な最良の削減可能レベル(注2)を検討した報告書案への意見募集結果がまとまり、平成18年11月9日に発表された。
 この報告書案は、18年2月にTCPA合成時にHCBが副生された事例が報告されたことに対応し、化審法を所管する環境省、厚生労働省、経済産業省が設置した評価委員会がまとめたもの。
 (1)TCPAに含有される副生HCBの最良削減可能レベルを200ppmとしたほか、TCPAを利用して製造されるソルベントレッド135などの染料・顔料中にもHCBが含まれている実態が判明したことを踏まえ、(2)ソルベントレッド135などの中のHCB最良削減可能レベルについても、10ppmという値を示していた。
 公表内容によると、寄せられた意見は31通で内容整理後の意見数は76件だった。
 意見にはたとえば、「TCPAのBATレベルを200ppmとするのは低すぎる。TCPAを製造している中国メーカーが対応可能なのか」といった内容があり、この意見に対しては「TCPAのHCB含有レベルを200ppm以下にすることは、温度管理や有機溶媒を用いた精製を行うことにより技術的に可能で、技術内容も広く利用することができる。また、HCB含有100ppm以下のTCPAが既に注文生産されている」との見解が示されている。 
 なお3省はこの意見募集結果を踏まえ、TCPAに含有される副生HCBの最良削減可能レベルを200ppm、ソルベントレッド135に含有される副生HCBの最良削減可能レベルを10ppmと提案する報告書をまとめ、関係事業者の対応を求めていくとしている。

(注1)化審法の第1種特定化学物質は「難分解性」、「高濃縮性」、「人に対する長期毒性または高次補食動物への生態毒性」−−の3種の有害性をあわせ持つ物質とされており、この指定を受けた物質は製造、輸入が原則禁止され、使用用途も制限されている。
(注2)化審法では、化学物質製造時に第1種特定化学物質の副生が避けられない場合に、「利用可能な最良の技術(POPs条約でいうBAT)」を適用し、工業技術的・経済的に可能なレベル」まで低減すべきという考えを採用している。【環境省】

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