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環境ニュース[海外]

北京オリンピック 環境評価報告書が公表される

エコビジネス 環境報告書】 【掲載日】2009.02.25 【情報源】国連/2009.02.18 発表

 2008年北京オリンピックの環境評価報告書(最終版)が公表された。北京オリンピック組織委員会では、世界に「グリーンオリンピック」を示すことを目指し、北京市の交通インフラの整備、廃棄物処理システムの近代化、緑地面積の増加など、環境について20の約束を行い、環境対策に170億ドル以上を投資した。
 報告書は、NGOの参加、オリンピック及びパラリンピックに伴うCO2排出量の削減については、もう少し取り組む余地があったが、全般的に見れば、北京オリンピックは環境面の水準を引き上げることに貢献し、また、北京市に長く残る遺産をもたらしたと評価している。
 報告書の主なポイントは以下のとおり。
●大気:大会のための特別な対策や8月の天候もあり、大気質は著しく改善した。COは47%減、NO2は38%減、VOCは30%減、粒子状物質(PM10)は20%減、SO2は14%減を達成。ただし、今後は、微小粒子状物質(PM2.5)対策が課題となりそうだ。
●交通:自動車の排気ガス基準は、当初、EUのEUROII基準と同等にすることが目標だったが、実際には、さらに厳しいEUROIV基準に適合するよう変更。鉄道路線を4本から8本に増やすなど北京市の公共交通インフラは改善され、汚染の著しい自動車の禁止や自動車走行台数の制限といった措置は大会後も数ヶ月延長して実施された。
●エネルギー:オリンピックは北京市でのエネルギー効率のよいインフラの導入を促進。競技開催地で消費されるエネルギーの20%以上を再生可能エネルギーで供給するなど、クリーンエネルギーや省エネの模範例を示す場となった。ただし、北京市は依然、エネルギー消費量の40%を石炭に依存していることから、今後は、石炭消費量を削減し、クリーンエネルギーや再生可能エネルギーの供給量を増やすよう勧告。
●水:限られた水供給量を守るために大会で採用された措置は、国際的にも模範例となった。
廃棄物廃棄物分野では、全ての目標が達成された(分別、リサイクルについては目標を上回る成果)。
●競技開催場での環境配慮:競技開催場の設計・建設・管理に様々な環境要素を組み込んだ点で、大きな成果があった。特に、効率化のためのデザイン、再生可能エネルギーの利用では、先駆的な技術や設計が採用された。ただし、森林の持続可能性に配慮した木材調達ガイドラインなど、物資の調達に関するガイドラインが無かった点は課題。
●気候中立:北京気候中立プログラムでは、国際的なフライトに伴うCO2排出量も考慮に入れたものの、明確な方法論や信頼できるデータが不足し、UNEPでは、大会の炭素排出量、削減対策やオフセット対策の効果を評価することは困難であった。
●NGOとの関係:大会の準備の開始段階で、NGOや外部の専門家が参加する機会が無かった。オリンピック組織委員会とNGOとの連携が始まったのは2006年末からで、既にほとんどの競技施設の建設が完成間近となり、多くの対策も実施された段階だった。【UNEP】

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