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環境ニュース[海外]

世界資源研究所(WRI)、メキシコ湾原油流出による生態系サービスの損害は多大と報告

地球環境 海洋汚染】 【掲載日】2010.07.21 【情報源】その他/2010.07.07 発表

 世界資源研究所は、メキシコ湾原油流出が湾内の生態系サービスを損ない、多大な経済的損失をもたらすとの分析を発表した。生態系サービスとは人間が自然から受けている恩恵のことで、水産物や観光資源を始め防災、炭素固定等、広範囲にわたる。無料で利用しているが、経済的価値にすれば、ミシシッピ川河口域だけでも1エーカー当たり年間1万3000ドルになるとされ、事故周辺海域での生態系サービスが20%減少した場合、20年間で150〜600億ドルの経済的損失に等しいと試算されるという。
 特に問題となるのは、沖合の一次生産である。一次生産とは、生物が主に光合成により二酸化炭素を有機物に変換するプロセスで、生態系を支える最も重要なサービスとされる。湾内全体の一次生産量は年間平均で417(mgC/m2/日)だが、ミシシッピ川河口域の夏のピーク時には0〜7300になるといい、まさにこの時期、この海域を、3万8000km2 にわたる流出原油が覆っていることになる。一次生産と漁獲量の関係から、現在原油が覆っている海域は1km2ごとに、年間3261ドルの漁業収益を上げるはずの海域という。今回の報告は、沿岸域の事業を検討する際には、こうした生態系サービスへの損失リスクを、市場価値、非市場価値の両方から考慮したリスク評価が必要であるとしている。【世界資源研究所

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