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環境ニュース[海外]

マイクロクレジットは確かに有効、ただしさらなる調査が必要とアメリカ経済学者らが報告

エコビジネス 環境と経済】 【掲載日】2011.06.22 【情報源】アメリカ/2011.06.09 発表

 アメリカのイェール大学のカーラン教授とダートマス大学のジンマン教授は、マイクロクレジットの実際の機能と効果について調査を行い、このほど結果を発表した。マイクロクレジットは、特に途上国の貧困層を対象とした小額融資で、通常の銀行が融資しない貧困層、特に女性の起業への元手を提供し経済的自立を促すとされてきた。貧困軽減により、持続不可能資源消費や自然環境への圧力を減らすことにもつながると期待される。
 調査では、フィリピンで、1601人を対象に、貸付期間13週間、実効年率60%以上の条件で平均225ドルを貸し付けた。対象者は、調査結果に融資の影響以外のものが反映されないように、クレジット・スコアリングによって最低限の融資資格を満たす応募者が選ばれた。
 その結果、融資によって、リスク対応能力が向上し、地域の結びつきが強まり、親族や友人からの借り入れが容易になったことがわかった。個人が経済の変動から受ける影響が緩和されたといえる。一方で、従来からいわれているような、融資利用者による起業や事業への投資の増加は認められなかった。融資によって金銭的、心理的に受ける利益の男女差はなかった。
 マイクロクレジットはその伸長とともに、当初の女性の起業促進を目的とするものから、従来の消費者や小規模事業者を対象とする融資と類似の性格を強めている。カーランは、融資が必ずしも投資に回されなくても非難することではないとし、融資の貧困軽減への寄与についていっそうの調査が必要と述べた。【アメリカ国立科学財団(NSF)】

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