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環境ニュース[国内]

三菱電機、下水などを処理して再生するろ過膜をオゾン水で洗浄する技術を開発

水・土壌環境 水質汚濁】 【掲載日】2016.03.10 【情報源】企業/2016.03.08 発表

 三菱電機は、下水や工場排水を処理して再生するろ過膜をオゾン水で洗浄する技術を開発した。「浸漬型膜分離バイオリアクター(Eco-MBR)」による水処理技術で、酸化力の強いオゾン水で洗浄することで、目詰まりの要因を除去する。これにより、処理水量を大幅に増やす。同時に、次亜塩素酸ナトリウム水で膜を洗浄する、従来の「浸漬型MBR」方式と比べて洗浄力が高い。
 浸漬型MBRは、微生物主体の活性汚泥の中にろ過膜をひたし、活性汚泥と処理水を分離する。ろ過の際、ろ過膜下部から送風機で気泡を供給する。これによってろ過膜表面に付着した活性汚泥が剥離され、ろ過が可能になる。ろ過を続けると処理水に残った有機物がろ過膜にたまるため、次亜塩素酸ナトリウム水をろ過と逆方向から供給して洗浄する。
 Eco-MBRは浸漬型MBRの次亜塩素酸ナトリウムに代えて、オゾン水を使う。浸漬型MBRは洗浄力が弱く、高速でろ過できなかった。Eco-MBRは、オゾンへの耐性力が強いPVDF(ポリフッ化ビニリデン)中空糸膜をろ過膜に使用し、オゾン水で洗浄する。オゾン水の洗浄で目詰まりを引き起こす有機物を取り除き、ろ過膜の透水性を高めて高速ろ過を実現する。
 ろ過膜の表面積あたりの処理水量は、従来の浸漬型MBRの約2倍以上に増える。処理水は浸漬型MBRと同様に再利用できる。処理水量が増えることでろ過膜の本数が減り、気泡を発生させる送風機も削減できる。そのため消費電力を低減できるほか、装置自体もコンパクトになる。今後、下水・工業排水の再生装置に活用し、2018年の事業化を予定している。【三菱電機(株)】

提供:日経BP環境経営フォーラム(EMF)

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