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環境ニュース[海外]

田園地域・通行権法 田園地域と野生生物の保全に大きく貢献

自然環境 身近な自然の保全】 【掲載日】2003.02.07 【情報源】イギリス/2003.01.30 発表

 「2000年田園地域及び通行権に関する法律(Countryside and Rights of Way Act 2000)」が2001年1月30日に施行され、2年が経とうとしている。同法により、田園地域へのアクセス、また、国立公園、美しい景観及び野生動物の保全、野生生物犯罪対策、共有地・歩行道・乗馬道に関する時代遅れとなった規制の見直しなどについて、着実な進歩が見られた。その一方で、地域ごとのマップの完成による田園開放地域へのアクセス推進など、残された課題もある。
 田園地域及び野生生物の2分野について、同法の具体的な成果が以下のようにまとめられた。

田園:
 田園地方庁はウォーカーを対象としたマップの完成を2005年に予定しており、イングランド南東部など既に暫定版を公表しているところもある。昨年には、アラン・マイケル大臣により、マップが完成した地域から順に田園地域を開放していくという方針が打ち出され、まずはイングランド南東部と中央南部の開放が2004年夏に予定されている。また、各地で「地域アクセス検討会(local access forum)」が設置され、ウォーカーや土地管理者等関係者が政府、田園地方庁や自治体へ意見を述べる体制も整備されつつある。特別自然景観地区(Areas of Outstanding Natural Beauty: AONB)に対する専門の保全委員会の支援、同地区での管理計画の策定も予定されている。地方自治体向けには、共有地・歩道・乗馬道のネットワークの改善、自動車によるアクセスやこれに伴う土地所有者への補償に関するガイドラインも策定されている。
 
野生動物:
 同法により、「学術研究上重要地域(Sites of Special Scientific Interest : SSSIs)」に関するイングリッシュ・ネーチャー(政府に対し自然保護に関するアドバイスを与えている)の権限が強化され、同地域内の故意または過失よる損害に対する執行権限、野生生物や生息地に悪影響を及ぼすおそれのある活動に対する規制権限などが一層強められた。こうした変化により、土地所有者等が一層積極的かつ責任ある態度で土地管理を改善するようになり、結果として、イングリッシュ・ネーチャーが同意できないとしたケースは0.5%、条件を付与したものも6%しかなかった。また同地域への損害には最大で2万ポンド(約395万円)の罰金が導入されている。野生生物犯罪への取り締まりも強化され、最大で2年の懲役あるいは5000ポンド(約99万円)の罰金が課される。
【イギリス環境・食糧・地方事業省】

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