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環境ニュース[海外]

廃棄物埋立処分場近隣の住宅は不動産価値も減少 埋立税引き上げにつながるか

ごみ・リサイクル ごみ処理】 【掲載日】2003.02.28 【情報源】イギリス/2003.02.21 発表

 イギリス環境・食糧・地方事業省の委託調査で、廃棄物埋立処分場近隣の住宅は不動産価値も減少していることが明らかになった。
 この調査は、ケンブリッジ・エコノメトリクス社によって実施されたもの。調査の結果によると、埋立処分場から4分の1マイル(約400m)以内の地域に立地する住宅は、他の住宅と比べて、不動産価値が平均5,500ポンド(約104万円)低いという。埋立処分場から2分の1マイル(約800m)以内の住宅の場合は、平均1,600ポンド(約30万円)の減少が見られた。全国規模で見ると、埋立処分場から2分の1マイル以内の住宅価格は、24億8300万ポンド(約4720億円)減少していることとなる。これは、住宅の価格が、埋立廃棄物1トン当たり1.52ポンドから2.18ポンド(289円〜414円)失われていることを示している。
 マイケル・ミーチャー環境大臣は、日々捨てられるゴミが埋立処分場周辺の住民に被害をもたらしていることを指摘し、リサイクルリユースの重要性を訴えた。
 なお、この調査の本来の目的は、埋立税のための情報を収集することにある。埋立税は、埋立処分される廃棄物の量を削減するインセンティブを与えるため、1996年から導入されている。その税率は、埋立廃棄物1トン当たりから生じる環境影響(環境外部性)と同じ程度になるよう設定された。1996年当初は、生物分解性廃棄物(生ゴミ)については1トン当たり7ポンド(1330円)、他の不活性廃棄物については1トン当たり2ポンド(380円)とされた。このうち、生物分解性廃棄物については、アメニティの侵害(騒音、粉塵、見た目、悪臭など)及び埋立廃棄物による汚染影響という2つの環境外部性を考慮して税額が設定されており、アメニティの侵害についてはアメリカの調査をもとに、廃棄物1トン当たり2ポンド(380円)とされていた。今回の調査により、イギリスの場合、埋立処分場によるアメニティの侵害は、不動産価値の減少から推計して、埋立廃棄物1トン当たり1.52ポンドから2.18ポンド(289円〜414円)の間になることが明らかになった。
 生物分解性廃棄物については、埋立税の税率を毎年1トン当たり1ポンド(190円)引き上げる制度が1999年に導入されている。税率アップは、2004-05年度に、税額が埋立廃棄物1トン当たり15ポンド(2850円)に達するまで続けられる。さらに政府は、2002年予算で、埋立処分される廃棄物の量を減らし、代替的な処分方法の開発を促すため、埋立税を大幅に増額するケースがあり得ることを宣言。2005-06年度以降は、毎年、1トン当たり3ポンド(570円)の税率アップを続け、中長期的には税額が埋立廃棄物1トン当たり35ポンド(6650円)となることを目指している。【イギリス環境・食糧・地方事業省】

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