一般財団法人環境イノベーション情報機構
IPBES、生物多様性・水・食料・健康・気候変動危機の相互作用や対策を報告
【環境一般 調査/研究】 【掲載日】2025.01.09 【情報源】国際機関/2024.12.17 発表
生物多様性および生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)は、生物多様性、水、食料、健康、気候変動の5要素に係る地球規模の危機が互いに作用し合い、その影響が連鎖、複合化している現状、及びこうした危機への対処について報告した(注)。IPBESは、自然への負荷を無視して短期の財務的リターンを優先する現在の経済活動のやり方では、食料生産に起因するものを含め、生物多様性や水、健康、気候変動等への影響を反映したコスト(年間10兆〜25兆ドル)が未計上になっていると指摘するほか、気候変動への対処が遅れれば政策目標を達成するための追加コストが年間5,000億ドル以上増えるとの試算も示している。
このため、要素間の相互作用への影響を考慮に入れた対策が必要だと述べており、5要素のコベネフィット(共便益)を最大にする具体的な対策を70以上挙げている。
また、こうした危機の影響を大きく受ける地域や人々に偏りがあることにも言及し、公平性を重視した包摂的な意思決定の必要性も訴えている。
(注)IPBESが公表した「生物多様性、水、食料及び健康の間の相互関係に関するテーマ別評価報告書」の政策決定者向け要約(SPM)のなかで報告したもの。
【生物多様性および生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム】