環境Q&A

No.2667 【A-1】

Re:温暖化による上昇気温

2003-06-19 09:05:39 LP （

地球温暖化の箇所箇所での気温上昇は,対流・海流の関係など複雑な要因で差が生ずるようです。

南半球より北半球に顕著で，これは北半球のほうが陸地面積が多く,人口密度も高いので，砂漠化が進行しやすい(砂漠化は人為的要素が大きいため)ようです。
高緯度な地帯ではたとえば永久凍土が失われた場合,(地面が直接太陽熱を吸収しはじめるため)一気に平均気温が上昇する・・・そういうこともあるようです。

熱帯などの低緯度では海洋からの水分供給で雨が多く,もともと雨が多い地帯ですので降雨のサイクルに影響を与えることはあるようですが,砂漠化は進行しにくいので平均気温も上昇しにくい・・・そんなところだと思われます。

よく知られていることですが,地中海性気候の地帯は日本でいうところの北海道くらいの緯度ですが,海流の関係で暖かさがまるで違います。海流や大気の対流がちょっと変われば平均気温は大きく影響を受けますので,温暖化による影響も地形地勢によって影響をうける度合いが変わってくるのだろうと思います。

No.2669 【A-2】

Re:温暖化による上昇気温

2003-06-19 09:46:03 東京都 ／ 君山銀針 （

ＬＰさんも書かれてていますが、おおざっぱに言うと、世界各地域の気候はいろいろな要因が絡まり合って変化するものだからです。

たとえば日本が今のように温暖湿潤な気候になったのは、ヒマラヤの山の高さが１万年くらい前に今の高さになったから、という話を聞いたことがあります。（インド洋の水分をたっぷり含んだ南西の季節風が山にあたってとまり、その湿った空気をさらにヒマラヤ山脈に沿って吹く偏西風がをアジアや日本に運ぶ）

参考　知っていますか？　あなたの地球を　ダイナミックな大気の活動
http://www.aesto.or.jp/earth/atmosphere/index.html
モンスーンはアジアに恵みをもたらす
http://www.aesto.or.jp/earth/atmosphere/p2-3.html

ＩＰＣＣや気象機関は現在の気候の状況に加え、気候を決定するさまざまな要因を織り込んで気候モデルを開発して、地域ごとの影響の差異を調べていますが、そういった要因を織り込むと地域差が出てしまうということだと思います。

どんな要因があるかというのは、ＬＰさんがあげられているようにさまざまなものがありますが、
たとえば「IPCC第三次評価報告書〜第一作業部会報告書　気候変化2001　科学的根拠〜政策決定者向けの要約」（気象庁訳） http://www.data.kishou.go.jp/climate/cpdinfo/ipcc_tar/spm/spm.htm
に最近の気候モデルの説明がありますので（説明は難しいかもしれませんがどんなものがあるかだけでも）ごらんになってみてはいかがでしょう。
水蒸気，海氷力学、海洋熱輸送、自然起源及び人為起源の放射強制力といった要因も織り込まれている、そうです。

また日本の気象研究所が開発した気候モデルによる予測の最新版「地球温暖化予測情報 第５巻」（2003年）は　http://www.data.kishou.go.jp/climate/cpdinfo/GWP/Vol5/j_html/index.html
からみることができ、ここにも
http://www.data.kishou.go.jp/climate/cpdinfo/GWP/Vol5/j_html/2.html
モデルの概要説明があります。

このようにとにかく膨大な要因が絡まっているということです。