一般財団法人環境イノベーション情報機構

ヘルプ

サイトマップ

メールマガジン配信中

環境Q&A

エコシステム 

登録日: 2003年11月02日 最終回答日:2003年11月04日 自然環境 その他(自然環境)

No.3860 2003-11-02 23:29:21 みぃ3

課題で「川や沼の底や内壁をコンクリート化し、水辺の植物を除去する整備が行われることがある。この整備の功罪について述べよ。」という質問がされました。
どのような功罪があるのか、また、その功罪がどう環境に影響してくるかなど、教えてください。

総件数 1 件  page 1/1   

No.3869 【A-1】

Re:エコシステム

2003-11-04 21:21:39 大阪府 / ひげ

 
「整備の功罪」についてですか、これは簡単そうで実はかなり厄介な問題です。
真剣に考えるほど泥沼にはまり込んで行きますので・・・・・。
先ず「功」ですが、
@前例が在り設計施工が容易。
A行政の工事予算計上が容易。
B市民に対して説明し易く、工事成果が鮮明。
C小地域局所の水害回避効果。
などが思い当たります。
「罪」は、
@水辺生態系排除は反自然的工法で環境に悪影響。
A三面張りコンクリート工法は最早川沼と呼べない、排水 路と巨大集水桝と化す。
B上記による流速増加により下流に一気に集水し都市型水 害の発生原因となる。
C環境を考える市民や環境保護NPOなどの批判を受ける 工事計画である。
D小地域局所的な工事であっても特に河川の場合総水体系 に重大な影響を及ぼす可能性がある。
などと思います。
現状で今だこの様な工事が現実に行われている背景には、不況による行政の工事発注が遅れ、かなり古い時点の設計のまま設計内容の見直しが行われないまま予算執行されたり、行政区の横の連絡のないまま上流・下流の設計概念が全く脈絡が無いちぐはぐな工事が行われたりと、言う大きな問題があります。

生態系排除・三面張りコンクリート工事が良くないのは誰にでも理解出来ますが、実際河川・池沼設計計画に関与すると河川法等の法律、当該地域の歴史的経緯や地元の要望、行政の担当意向・予算や工事方法等による制約など様々な問題が複雑に絡み合い、必ずしも満足できる結果が期待できないのも現実です。
古い体質を持つ思考や組織が環境に対立する古い工法を後押ししているのです。

回答に対するお礼・補足

大変参考になりました。簡単に「整備」と一言で言っても様々な問題があるんのですね。
もう少し、教えていただきたいことがあるんでが・・・・

整備することで、自然・環境にたいしての功罪(水質保全・基準、水資源確保、安全防災、生態系の破壊・多様性、富栄養化など)について教えていただきませんか?

(自分なりにも本など調べて勉強してみます。)

総件数 1 件  page 1/1