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環境Q&A

標準液(検量線)の精度管理 

登録日: 2022年11月15日 最終回答日:2022年11月17日 水・土壌環境 水質汚濁

No.42035 2022-11-15 23:40:09 ZWl10122 ゴリ

皆さんの会社では標準液(検量線)の精度管理はどのようにされていますか。

私のところでは標準液を新たに調製した場合、調製前後の強度を比較し±5%だったらOKにしています。
ただ、この±5%には何の根拠もないため、意味のある基準を設けて管理していきたいと考えいます。
そこで皆様にアドバイス頂戴したく質問させて頂きました。
ちなみに今考えている基準としては3σ管理です。

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No.42040 【A-2】

Re:標準液(検量線)の精度管理

2022-11-17 15:13:07 新米環境担当者 (ZWlbc4f

「この方法だと誤差は1%未満に抑えることが可能です。」→1%未満というのはメスフラスコやピペット類、人の調製誤差の合算が1%未満という認識で間違いないでしょうか。
その通りです。多段希釈すると誤差がダブル、トリプルに反映されるので、精度高く測定する必要がある場合のみ1段にしています。普通は2段までは多段希釈OKにしています。

「stock Soln.を作成し直したときにのみ調整前後の値の比較をします。」→比較した場合の判断基準などを決めてらっしゃいますか。
新旧2つのストックを同じ濃度になるように希釈し、数回(5回以上)測定します。2つの値をt検定(対応のない独立な2つの平均値の差の検定)で評価し、有意差なしをもってOKとしていました。

回答に対するお礼・補足

新米環境担当者様、私の質問に丁寧に答えてくださってありがとうございます。
大変参考になりました!
アドバイスして頂いたことを踏まえ、良い管理方法を検討していければと思います。

ありがとうございました

No.42038 【A-1】

Re:標準液(検量線)の精度管理

2022-11-16 14:31:46 新米環境担当者 (ZWlbc4f

そもそものダイナミックレンジにもよりますし、直線性が担保できる濃度範囲かということもあります。そこはご相談者さんで確認してください。

当社では分解しにくい安定な物質や溶媒中で化学変化がない等、経時変化がほぼないと言える物質の場合は検量線の上限の100倍〜1000倍くらいの濃度でストック(Stock solution)を作成して冷凍、もしくは冷蔵保管し、それをメスフラスコを使って希釈して標準液を調整します。(多段希釈OKのものとNGのモノがあります。)この方法だと誤差は1%未満に抑えることが可能です。検量線を引きなおすときは、調整前後の標準液の反応強度ではなく、新旧検量線の傾きと切片を比較して評価します。測定機自体のコンディション(例 分光光度計の場合は光源の劣化、クロマトグラフィーの時はカラムの経時変化や検出器の劣化など)を考慮する必要があるからです。

stock Soln.を作成し直したときにのみ調整前後の値の比較をします。ご参考になれば幸いです。



>皆さんの会社では標準液(検量線)の精度管理はどのようにされていますか。
>
>私のところでは標準液を新たに調製した場合、調製前後の強度を比較し±5%だったらOKにしています。
>ただ、この±5%には何の根拠もないため、意味のある基準を設けて管理していきたいと考えいます。
>そこで皆様にアドバイス頂戴したく質問させて頂きました。
>ちなみに今考えている基準としては3σ管理です。

回答に対するお礼・補足

丁寧に回答して頂き、ありがとうございます。
大変勉強になります!
いくつか質問させて下さい。

「この方法だと誤差は1%未満に抑えることが可能です。」→1%未満というのはメスフラスコやピペット類、人の調製誤差の合算が1%未満という認識で間違いないでしょうか。

「stock Soln.を作成し直したときにのみ調整前後の値の比較をします。」→比較した場合の判断基準などを決めてらっしゃいますか。
私の会社では色々な人が分析するので個人判断に任せるとか判断基準自体にかなり差が出てきます。
以前、とある担当者が標準液の調製ミスしてそれが誤報告に繋がった過去があり、それから新たに標準液(原液)を調製した場合は前後比が5%以内であること確認するようになりました。
しかし、この5%はとりあえずで決めた基準なので他に良い基準(根拠のある)があればと思っています。

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