お米を積み込み、一路レッドウッドを目指す。道は徐々に細くなり上り下りがきつくなる。ところどころ大きなレッドウッドの木々が並んでいるが、道の両側に広がる森のほとんどはダグラスモミの二次林だ。
途中、トリニダッドという小さな港町に立ち寄り、お昼のサンドイッチを食べる。小さな赤い灯台のある展望台からは、足元の入り江と小さな漁船が浮かんでいるのが見える。この辺りは本当にきれいなところが多い。
またしばらく車で走ると、今度は大きな湿原が現れる。ラグーンだ。この地域の豊かな降雨は、いくつもの小河川となって海へ下り、河口部に大小の汽水湖をつくる。そんなラグーンをいくつか通り過ぎると、国立州立公園の大きな看板が見えてくる。広々とした太平洋も視界に飛び込んでくる。看板の設置場所としては申し分ない。看板の前で写真を撮った後、国立公園のインフォメーションセンターに立ち寄る。
![]() | ![]() | |
レッドウッド国立州立公園の入口看板はとても大きかった。 | 国立公園のインフォメーションセンター |
そうして、ようやく国立公園の「南部管理センター(South Operation Center)」、通称SOC(ソック)に到着した。鉄筋コンクリート3階建て、切妻屋根の建物はかなり大きい。駐車場に車を停めて受付に申し出る。間もなくスタージアさんが現れた。
「レッドウッドにようこそ。無事着いてよかったわね!」
小柄でとても気さくな感じの女性だった。
「早速宿舎の方に行きましょうか。荷物も届いているわよ」
建物の中は広々としている。マンモスケイブ国立公園とは施設の規模が二まわりほど違う。私たちの送った荷物は、その一角を堂々と占拠していた。他の職員は調査に出払っているらしく、室内は閑散としている。
「それにしてもすごい荷物ねえ」
日本からの炊飯器やワシントンDCで着るスーツ、その他調査用具などに加えて、マンモスケイブで集めた資料が捨てられず、ほとんどを箱詰めして送っていた。ここにいる間に何としてもレポートにしてしまいたいところだ。
「さあ、暗くならないうちに荷物を運びましょう。公園のトラックが使えると思うわ」
早速3人で荷物をトラックに積み込んだ。
![]() |
国立公園の南部管理センター |