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シロナガスクジラ 環境用語

作成日 | 2003.09.10  更新日 | 2025.07.17

シロナガスクジラ

シロナガスクジラ   【英】Blue Whale  

解説

クジラ目ヒゲクジラ亜目ナガスクジラ科に属する種。北半球には1亜種、南半球には2亜種がある。地球上最大の哺乳類で、平均体長はオス23.4m、メス24.8m(北太平洋産)、体重は160トンに達する。

日本近海ではアリューシャン列島南側から台湾方面にかけて分布する。広い海域に生活圏を持ち、繁殖場は熱帯域に、索餌場は寒帯域に形成する。通常は単独あるいは2頭連れで見られる。

1904年から1964年の間に、捕鯨により推定約33万頭が捕獲され、個体数が激減した。1966年からは捕獲禁止措置が世界全水域で取られているが、現在でも生息数は回復していない。IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストではEN(絶滅危惧)として評価されている。また、ワシントン条約ボン条約の保護対象種として付属書Iに掲載されているほか、IWCの規制対象種にもなっている。なお、資源回復が進まない要因には、同じ餌種を利用するなど生態的競合関係にあるクロミンククジラの資源量増加もあるとの指摘もある。

一方、シロナガスクジラなどの大型鯨類が海洋中を縦横に移動することで栄養素等が循環されることで植物プランクトンの生育を促進し、海洋生態系の維持や二酸化炭素の吸収促進などの効果も指摘される。こうしたクジラ類の行動はホエールポンプ効果などと呼ばれる。(2025年4月改訂)

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