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ポリ塩化ビフェニル 環境用語

作成日 | 2003.09.12  更新日 | 2009.10.14

ポリ塩化ビフェニル

ポリエンカビフェニル   【英】Polychlorinated Biphenyl  [略]PCB  [同義]PCB 

解説

ベンゼン環が2つつながったビフェニル骨格の水素 が塩素で置換されたもの。置換塩素の数と位置によって計算上209種の異性体が存在。市販PCB製品はPCB異性体の混合物。

1881年にドイツのシュミットとシュルツによって初めて合成され、日本では1954年に鐘淵化学工業が「カネクロール」の商品名で、1969年には三菱モンサント(現三菱化学)が「アロクロール」の商品名で生産を開始。

これらは熱安定性、電気絶縁性に優れ、トランス、コンデンサー、熱媒体、ノーカーボン紙に用いられた。しかし、PCB難分解性で、生体に蓄積する。熱媒体として使われたPCBが製造過程で米ぬか食用油に混入し、それを食べた人に皮膚障害、肝機能障害などの油症を発症したカネミ油症事件(1968)が起こり、その毒性が注目された。

現在、PCBの製造・輸入は原則的に禁止され、事業者の保管するPCBの廃棄処理が決められている。

なお、ビフェニル基に置換する塩素の位置によって2つのベンゼン環が同一平面で扁平構造をとる異性体をコプラナーPCBと呼び、構造的にダイオキシンやフランに類似し、その他のPCBよりも強い毒性を示すため、「ダイオキシン」として分類されている。

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