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無過失責任制度 環境用語

作成日 | 2003.09.12  更新日 | 2009.10.14

無過失責任制度

ムカシツセキニン   【英】Strict Liability  

解説

事業者が大気汚染および水質汚濁等により健康被害を引き起こした場合には、過失の有無を問わず賠償責任を認める制度。

事業者の責任を強化して被害者の円滑な救済を図るため、1972年に民法の過失責任の原則の例外として大気汚染防止法(1968)および水質汚濁防止法(1970)で導入されたもの。

被害者が民法の規定によって損害賠償を請求するためには、損害の発生、原因行為と結果発生との間の因果関係、違法性及び加害者の故意又は過失を立証しなければならない。しかし、大気汚染等の分野ではこれらのうち故意過失の立証をしなくてもよいこととされた。

無過失責任の例は、イタイイタイ病裁判で使われた鉱業法や、国際法の分野でも宇宙損害賠償条約、原子力損害に関する諸条約、油濁民事責任条約等にみられる。刑事法の分野でも、公害罪法は公害により人を死傷させた者を一定の場合について過失の有無を問わず処罰することとし、法人の両罰規定も置いている。

アメリカ法でも公害、麻薬、食品、商標等に関するいわゆる公共的犯罪については故意も過失も要件としない厳格責任(strict liability)が認められている。

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