一般財団法人環境イノベーション情報機構
作成日 | 2019.06.25 更新日 | 2019.06.27
定常経済
テイジョウケイザイ 【英】steady-state economy [同義]定常型経済
解説
ハーマン・デイリーらによって提唱された、最適規模で生態系と動的な平衡状態にある経済のこと。経済は、有限な生態系によって維持される下位システムであることから、経済の規模が地球の生態系と比べ十分に小さいときはその成長が問題にならないが、経済規模が大きくなると、生態系の機能を損なう状況が生じることから、いずれ経済の成長による限界便益に対して限界費用が上回る状況に達することにより、経済にはそれ以上成長すべきではない最適規模が存在するという考えかた。
この考え方の背景には、自然資本は人間の福祉の究極的な源泉であることから、森や海などの自然資本の制約を超えて成長することは不可能であり、自然資本をその他の人工資本等では完全に代替できないとする、いわゆる「強い持続可能性」の考え方がある。これに対し、自然環境などの自然資本の劣化は、経済・社会の発展によって代替し得るという立場を「弱い持続可能性」の考え方という。(2019年3月作成)
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関連Webサイト
- 「定常経済」について考える(幸せ経済社会研究所):https://www.ishes.org/economic_growth/sse/index.html
- 変革の思想としての持続可能な発展 『環境と開発への提言』の発刊によせて(現代の理論):http://gendainoriron.jp/vol.04/feature/f04.php