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ジオ・エンジニアリング 環境用語

作成日 | 2010.06.10  更新日 | 2021.09.22

ジオ・エンジニアリング

ジオ・エンジニアリング   【英】Geo-Engineering  [同義]気候工学(climate intervention)  気候介入 

解説

一般的には、地球規模での環境影響力を有する技術を、気候変動問題の解決のために利用することを意図する地球工学のことを意味する場合が多いが、内容的には必ずしも厳密に定義されてはいない。太陽放射改変とCO2除去が主要なものであり、具体的には例えば、エアロゾルを大気中に放出することにより地球が受ける太陽光をコントロールし地球の寒冷化を図ろうとするもの、海中に鉄分を散布することによりプランクトン等の生育を促し二酸化炭素の吸収を増大させようとするものなどがある。また、CCS(炭素隔離貯蔵)をこの概念に含める場合もある。

このような技術が論じられるようになった背景には、パリ協定による1.5℃目標の達成には2050年までにネットゼロエミッションを達成する必要があるが、その達成のためには技術的、制度的なイノベーションとその普及が不可欠であり時間がないことに加えて、従来の対策では、気候変動の進行が抑えられず予想外に早く被害が顕在化してきた場合に備えての対策オプションとして使うべきとの考え方、費用対効果が従来の対策よりも高いのではないかとの考え方などがある。

ただし、これらの技術は、完成されたシステムとしての技術ではなく、今後開発が必要であることに加えて、必ずしもそれらの確実な効果が保証されているものではなく、一旦実施した場合、地球規模での環境影響をもたらすものであることから、社会的、倫理的な観点も含めてそのプラスの側面、マイナスの側面等を慎重に検討する必要があり、安易にこれらの技術に頼って気候変動問題の解決を図ろうとすることには批判的な見方が多い。(2021年7月改定)

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