作成日 | 2003.09.10 更新日 | 2025.07.17
飼養鳥
シヨウチョウ 【英】Captured Pet Birds
解説
飼養鳥は、野鳥や家きん(鶏、あひる、うずら、きじ、だちょう、ほろほろ鳥及び七面鳥)以外の、飼育されている鳥類のこと。
日本では、古くから鳥の姿を愛で、鳴き声を楽しむためにメジロ、ホオジロ、ウグイスなどの野鳥を捕獲し、飼養する慣行があった。これらの鳥類は、従来、鳥獣保護法(現在は鳥獣保護管理法)に基づく特別許可による捕獲が認められていたが、愛玩目的で個人が野鳥を捕獲し、飼養することは乱獲を助長するおそれがあることや、違法捕獲及び違法飼養の事例が絶えないことから、その対象種は1950年代から順次削減されてきた。
2007(平成19)年以降はメジロ1種のみを一世帯1羽に限り都道府県知事の許可により捕獲及び飼養できるとされていたが、2011(平成23)年の「鳥獣の保護を図るための事業を実施するための基本的な指針」の改正において、愛玩飼養のための捕獲については「今後廃止を含めて検討」するとともに「原則として許可しない」と明記された。
許可を受けて捕獲した個体の飼養に際しては、居住地の都道府県知事への飼養許可の登録申請、また個体識別用の足輪の装着を義務づけている。飼養鳥の譲渡の際には、鳥獣飼養許可証を譲るとともに都道府県知事への届け出が必要となる。
個人の愛玩目的の飼養以外については、動物園等の施設における飼養鳥で近年鳥インフルエンザなど感染症の影響が問題化し、対策が取られている。日本国内の高病原性鳥インフルエンザは、2004(平成16)年から野鳥及び家きんの断続的な感染が確認されたのち、動物園等の施設の飼養鳥でも2010-2011(平成22-23)シーズン(3か所)、2016-2017(平成28-29)シーズン(4か所)、2022-2023(令和4-5)シーズン(7か所)などと断続的に感染が確認されてきた。こうした状況を受けて、発生前の検査の実施や適切な衛生管理、発生後の感染拡大防止等の対応を示すため、環境省では2012(平成24)年に対応指針を策定し、その後も適宜改訂を重ねている。(2025年5月改訂)
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関連Webサイト
- 日本野鳥の会:http://www.wbsj.org/nature/hogo/research/
- 動物の愛護・管理について(環境省自然環境局):http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/index.html
- 野生鳥獣の保護及び管理に係る計画制度(環境省):https://www.env.go.jp/nature/choju/plan/plan1.html
- 動物園等における飼養鳥に関する高病原性鳥インフルエンザへの対応指針:https://www.env.go.jp/content/900510353.pdf