一般財団法人環境イノベーション情報機構

ヘルプ

サイトマップ

メールマガジン配信中

生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム 環境用語

作成日 | 2010.06.10  更新日 | 2025.07.17

生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム

セイブツタヨウセイオヨビセイタイケイサービスニカンスルセイフカンカガクセイサクプラットフォーム   【英】Intergovernmental Science-Policy Platform on Biodiversity and Ecosystem Services  [略]IPBES  [同義]生物多様性及び生態系サービスに関する政府間パネル  IPBES 

解説

生物多様性及び生態系の保全と持続可能な利用のために科学的な根拠に基づいて政策決定を進めるための機関。気候変動のための政府間パネル(IPCC)をモデルにした生物多様性版IPCCとして、国連環境計画UNEP)などで設立された。

背景には、2001年から2005年にかけて国連により実施された「ミレニアム・エコシステム・アセスメント(ミレニアム生態系評価)」(MA)において、過去50年間での生物多様性生態系の損失がそれまでの人類の歴史のどの時代よりも急速で激しく、これによる生態系サービスの低下が懸念されたことを受け、MAのような生物多様性の評価と、その科学的知見を政策決定に反映させるための国際機関の設立が検討された。

2024年3月現在、IPBESには145カ国が参加しており、科学的評価、能力養成、知見生成、政策立案支援の4つの機能を柱に活動している。事務局はボン(ドイツ)にあるが、事務局の一部としてシナリオ・モデルタスクフォース技術支援機関が2024年に地球環境戦略研究機関(IGES、葉山)に設置されている。

IPBESが2019年に公表した生物多様性生態系サービスに関する地球規模評価報告書では、世界の生物多様性及び自然の寄与の現状と動向を評価し、生物多様性の保全等の国際目標の達成には経済・社会・政治・科学技術における横断的な社会変革が必要であることを示唆した。また、2024年には、昆明・モントリオール生物多様性枠組(GBF)の目標等の達成に向けて社会変革は急務であり困難であるが、可能であるとした上で、自然及び衡平性のための経済システムの変革等の戦略を提案している。なお、次の地球規模評価報告書は2027年を目途に作成中である。(2025年6月改訂)

この解説に含まれる環境用語

この環境用語のカテゴリー

関連Webサイト