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国際捕鯨委員会 環境用語

作成日 | 2019.06.27  更新日 | 2025.07.17

国際捕鯨委員会

コクサイホゲイイインカイ   【英】International Whaling Commission  [略]IWC  

解説

国際捕鯨取締条約(IWRC)の執行機関として、1948年に世界の主要捕鯨国(15カ国)により発足、「鯨類資源の保存と有効利用、捕鯨産業の秩序ある育成」が目的。日本は1951年に条約加盟したが、科学的知見に基づく適切な捕鯨の管理をIWCには期待できないとして2019年6月末で脱退。ただし、「脱退後も日本は国際的な海洋生物資源の管理に協力していくという考えに変わりはない」として、IWCにオブザーバーとして参加している。また、2010年から調査捕鯨の一環としてIWCと共同で実施してきた北太平洋鯨類目視調査(IWC-POWER)も継続して実施している。

IWCでは、1960年代より国別捕獲枠や希少鯨類の捕獲禁止措置を実施。規制対象鯨種は、世界83種の鯨類のうち、全てのヒゲクジラ(シロナガスクジラ、ナガスクジラ、ミンククジラ等)及びハクジラの一部大型種(マッコウクジラ等)の13種(実施的には17種)であり、イルカなどの小型鯨類は対象としていない。

1980年代からは非捕鯨国の加盟が急増したため年次総会の目的が反捕鯨へと移行。1982年には「商業捕鯨のモラトリアム(一時停止)」が採択された。日本が脱退した2019年7月現在の加盟国は88カ国で、ノルウェーやアイスランド(1992年に脱退したのち、2002年に再加入)など捕鯨推進国・持続的利用支持国が40カ国、オーストラリア・米国・英国等反捕鯨国が48カ国。なお、各国の科学者によって構成され、鯨類資源の調査研究・解析と診断を行うIWC科学委員会が、総会に対して科学的側面からの勧告を行う。

商業捕鯨の再開を訴えていた日本は、国際司法裁判所の調査捕鯨中止命令(2014年)や2018年9月IWC総会での商業捕鯨モラトリアム(一時停止)の限定的解除提案の否決(解除賛成27、反対41、棄権2)を受けて2019年6月末にIWRCを脱退し、2019年7月に日本の領海と排他的経済水域に限定した商業捕鯨を再開した。(2025年4月改訂)

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