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イベント情報資源リスク・元素戦略を見据えたレアメタル代替材料開発の最新技術動向

資源リスク・元素戦略を見据えたレアメタル代替材料開発の最新技術動向

【カテゴリ】 エネルギー 再生可能エネルギー

【開催日】2011.04.21

【開催地】東京都


【講 師】
第1部 独立行政法人物質・材料研究機構 元素戦略センター センター長 原田 幸明 氏
第2部 財団法人ファインセラミックスセンター 材料技術研究所 所長代理 松原 秀彰 氏
第3部 独立行政法人産業技術総合研究所 サステナブルマテリアル研究部門 融合部材構造制御研究グループ グループ長 松本 章宏 氏
第4部 東海大学 大学院総合理工学専攻 化学材料コース 教授 久慈 俊郎 氏
第5部 高知工科大学 総合研究所 マテリアルデザインセンター センター長/教授 山本 哲也 氏


【会 場】全国家電会館 会議室 【東京・文京区本郷】

【日 時】 平成23年4月21日(木) 10:00〜16:30

【聴講料】49,560円[税込・資料代含む]/1名

詳細確認またはお申込をご検討されている方は下記URLをご覧ください ▼
http://ec.techzone.jp/products/detail.php?product_id=1684


第1講 元素戦略とレアメタル代替材料開発の現状

【講演趣旨】
モノづくり日本にとって不可欠な資源の供給リスクが切実な問題となっているが、この供給リスクは世界的な威厳利用構造の転換点として理解すべきである。その資源リスクの本質は何か、それはどのような段階か、そしてそれに対する元素戦略はいかにあるべきかについて述べる。特に元素戦略の「減量」「代替」「循環」の中で、「代替」すなわち「普遍的にあるものを使う」ことは持続可能な資源利用への重要な要素である。不足物の代替という受け身的代替から、利用可能なものから戦略的資源を創出していくという積極的代替へと進めていく段階に来ており、そのための科学的、技術的基礎は整いつつある。

1.Wakeup callとしてのレアアース問題
2.資源リスクのとらえ方
3.元素戦略の現在的意義
4.積極的代替に向けた新たな展開



第2講 超硬工具向けタングステン代替材料のためのサーメット・コーティング技術の開発

【講演趣旨】
金属資源をほとんど有さない工業技術立国である我が国において、稀少金属(元素)の問題を解決するための研究は、国を挙げて取り組まなくてはいけない最重要課題である。いくつかの希少金属の中で、タングステン(W)が取りあげられたのは、Wが最も使われている超硬合金工具の重要度が我が国の産業界において極めて高いためである。炭化タングステン(WC)基超硬合金にかわる硬質材料技術の最も重要課題の一つは、炭窒化チタン(Ti(C,N))基サーメットの新たな展開である。本サーメットはまさに脱・省Wのために産まれた材料であり、我が国の技術レベルは世界中で最も高い。本セミナーでは、超硬工具向けW代替材料のためのサーメット・コーティング技術の開発研究について、その背景と、現在進行中であるNEDOプロジェクトの概要について説明する。

1.タングステンの資源事情
2.硬質材料の発展歴史と基礎知識
3.サーメットの組織と基本特性
4.新規サーメット開発の材料設計
5.新規サーメット・コーティング工具の展開



第3講 コバルト代替超硬合金WC-FeAlの開発

【講演趣旨】
コバルトはレアメタルの一つであり、超硬合金の結合相として多く用いられている。産総研では、コバルトを金属間化合物FeAlで代替した新しい超硬合金を提案し、研究を展開してきた。WC-FeAlは耐酸化性、炭素系被膜との密着性に優れるとともに、FeAlにおけるAl量を制御することにより磁性・非磁性を制御できるなどの特徴を有する。
また最近、粉末調製と焼結プロセスを適切に制御することによって、通常の真空無加圧焼結でも適度な機械的特性を確保できることを明らかにした。
本セミナーでは、WC-FeAlの開発経緯と現在の開発状況、今後の展望について紹介する。

1.開発経緯
2.WC-FeAlの機械的特性
3.WC-FeAlの機能性
4.真空無加圧焼結による作製と特性
5.今後の展開



第4講 水酸化マグネシウムに着目したインジウム代替新材料の開発

【講演趣旨】
従来透明性と電気伝導性を合わせ持つ材料は例外無く金属の酸化物であった。ITO(In-Sn-O,),に代表される透明電極はFPD(フラットパネルディスプレイ)、太陽電池、タッチパネルに必須の材料である。しかし、近年Inの希少性による将来の供給不足への不安が現実味を持って来た。
NEDOによるITOに関する将来展望によれば、リサイクル等の処置を効率よく行っても、2025年にはInの供給は切迫した状況になると予想されている。
このためITO代替材料の開発に注目が集まっている。その代表がZnOでこの20年あまり活発に研究開発が行われてきた。しかしながら、未だITO代替実用化材料としての地位を得るには至っていない。
そのような状況の中で、我々はMg水酸化物の層状構造に着目し、その格子中にC原子を配置させる事で、Mg水酸化物の透明性を失わずに電気伝導生を発現させる事に成功した。まだまだ技術的にクリヤーすべき課題は山積しているものの、透明性はITOと同等で、比抵抗値も10-3Ωcmで安定した結果を得るまでになり、特性向上の可能性が見えて来た。

1.透明電極材料の現状
  ・In供給の将来展望
  ・技術的課題
  ・関連機器の市場動向
2. Mg水酸化物系透明導電性材料
  ・新規物質開発の動機
  ・新規物質の構造
  ・新規物質の特性
  ・新規物質の物理
3.将来展望について



第5講 ITO代替材料としての酸化亜鉛(ZnO):優位性・相違点・課題

【講演趣旨】
酸化亜鉛(ZnO)透明導電膜は、インジウムを基材とするITO(錫添加酸化インジウム)透明導電膜と比較すると、海外からの原材料入手および価格の今後に関する透明性や安定性といった面、あるいは毒性の面などで不安を抱えないといった利点の他に、物性としては低温成膜でも高透過率を実現できる、およびその透過率の波長分散特性が低い、などの優位性をもつ。
ZnOは両性酸化物であり、強酸、強アルカリには弱い一方で、ウエットエッチングによる加工面では、エッチャントの最適化で線幅・線間隔、それぞれ 2μm ずつの加工が、実際、可能である。
本セミナーでは、液晶ディスプレイ用や薄膜太陽電池用などの観点から、現状での研究開発状況や課題など(成膜装置、ドーピング用添加材など)について議論する。

1.なぜ、酸化亜鉛透明導電膜か:ITOや有機透明導電膜との比較、
2.応用(薄膜太陽電池や液晶ディスプレイなど)物性(光学特性、耐環境安定性など)
  のための制御
3.加工性:ウエットエッチング〔ITO(微結晶、多結晶〕との比較)
4.フレキシブル基板上酸化亜鉛透明導電膜の特性:成膜法、低温成膜など
5.まとめ

【登録日】2011.03.08

登録者情報

【登録日】 2011.03.08

【登録者】&Tech

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