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イベント情報プラスチックリサイクルの現状と課題およびリサイクルプラスチックの高機能化技術・分析・評価

プラスチックリサイクルの現状と課題およびリサイクルプラスチックの高機能化技術・分析・評価

【カテゴリ】 ごみ・リサイクル リサイクル

【開催日】2024.01.24

【開催地】神奈川県


【第1講】 プラスチックの高度リサイクルと新環境配慮設計
【時間】 11:00-12:15

【講師】福岡大学 研究推進部 機能構造マテリアル研究所 特命研究教授 八尾 滋 氏

【講演主旨】
 プラスチックのリサイクルは、単に環境問題にとどまらず、資源循環ならびにカーボンニュートラルの観点からも、避けては通れない課題である。しかし従来プラスチックは、使用済プラスチックのみならず、成形過程での副生物でさえも再生不可能な「劣化」を起こしているために再利用には適用できないという常識により呪縛され、全く研究開発に手が付けられていなかった。しかし最近の我々の研究により、この劣化は成形履歴などにより内部構造が変異したための物理劣化であり、成形プロセスを選ぶことで大きく再生できることが見いだされた。また同時にこの現象の応用として、成形においても条件設定により力学特性のみならずリサイクル特性が変化することも明らかになった。これら現象は高分子の挙動を物理的に捉えることで新たな環境配慮設計が可能であることを意味している。
 本講座では、この現象の基盤となっている「物理劣化・物理再生理論」を理解するために、高分子の基礎物性からその挙動を学び、成形がプラスチックの力学物性に及ぼす影響などについて理解するとともに、プラスチックのリサイクルや製造に対する取り組み方について、あるべき方策などについて考える。

【プログラム】
1.プラスチックリサイクルの意義について
 1-1 資源循環・カーボンニュートラルとプラスチックリサイクル
 1-2 プラスチックリサイクルの現状と課題
2.プラスチックの劣化について
 2-1 化学劣化と物理劣化
3.高分子構造
 3-1 高分子の結晶構造
 3-2 高分子の溶融状態とレオロジー的性質
4.物理劣化・物理再生理論
 4-1 リサイクルプラスチックの力学物性の成形履歴依存性
 4-2 プラスチックの物理劣化・物理再生理論
5.樹脂溜まり部付き押出機による物理再生現象
 5-1 樹脂溜まり部付き押出機
 5-2 再生プラスチックの物性発現メカニズム
6.メソ構造と力学特性
 6-1 メソ構造解析手法の紹介
 6-2 メソ構造と力学特性の関係
【質疑応答】

【第2講】 廃棄プラスチック削減への貢献並びに
リサイクルプラスチックの性能を高める添加剤の開発、特性、使用例
【時間】 13:00-14:15

【講師】株式会社ADEKA 樹脂添加剤開発研究所 添加剤開発室 福田 拓也 氏

【講演主旨】
 本講演では樹脂の高寿命化、リサイクル性改善、そしてリサイクル樹脂の課題解決に有効な樹脂添加剤を中心に紹介する。昨今では廃棄プラスチック問題が顕在化しており、プラスチック産業の大きな課題となっている。プラスチックリサイクルの種々課題を解決し、廃棄プラスチックの削減に貢献する酸化防止剤、光安定剤、核剤を基本的な作用機構から紹介する。併せて当社が開発した環境対応型樹脂添加剤、ポリオレフィンリサイクル樹脂向けパッケージであるアデカシクロエイドUPRシリーズを紹介する。

【プログラム】
1.ADEKAのご紹介
 1-1 ADEKAの会社概要
 1-2 ADEKAのSDGsへの取り組み

2.プラスチックリサイクルの課題と課題解決に貢献できる樹脂添加剤
 2-1 プラスチックのリサイクルにおける課題
 2-2 酸化防止剤(フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤)
 2-3 光安定剤(HALS, UVA)
 2-4 核剤

3.環境対応型樹脂添加剤アデカシクロエイドUPRシリーズの紹介
 3-1 ADEKAが考える廃棄プラスチック削減への貢献方法
 3-2 アデカシクロエイドUPR-001の紹介
 3-3 アデカシクロエイド UPR-011の紹介
 3-4 アデカシクロエイド UPR-012の紹介
4.まとめ

【質疑応答】

【第3講】 アップグレードリサイクルを実現するリサイクル材料の開発
【時間】 14:30-15:30

【講師】コニカミノルタ株式会社 化成品事業部 材料要素技術開発センター 機能材料開発部 小嶋 健 氏

【講演主旨】
 CO2排出量削減の取組みの一つとしてリサイクルプラスチックの活用がある。削減効果を高めるためには、より大きな部品への適用や、より再生材比率の高い材料を使用することがポイントとなる。事務機器においては外装部品の占める割合が大きく、また使用される材料には、難燃性、耐衝撃性、成形時の金型内流動性などが高いレベルで求められる。ペットボトル由来のPET、ガロンボトル由来のPCといった使用済みプラスチックを原料として、それぞれ単体では得られない性能を獲得するための複合化技術(アップグレードリサイクル技術)を開発し、得られた高再生材比率(PCR 70%以上)の材料を外装部品に採用した事例について紹介する。


【プログラム】

1.はじめに
 1-1 プラスチックを取り巻く環境
 1-2 コニカミノルタの取組み

2.プラスチックリサイクルの概要
 2-1 プラスチックリサイクルの方式
 2-2 マテリアルリサイクルの種類

3.事務機器へのリサイクルプラスチックの適用事例
 3-1 リサイクルプラスチック適用の目的
 3-2 適用部品の選定
 3-3 要求品質を満足するためのリサイクル方法の選定
 3-4 リサイクル原料の選定

4.リサイクルプラスチックのアップグレード技術
 4.1 リサイクルPC/PETの外装部品適用における技術課題
 4.2 難燃性改良技術
 4.3 耐衝撃性改良技術
 4.4 流動性改良技術
 4.5 外装部品用リサイクルPC/PET開発のまとめ

5.その他リサイクル材活用事例
 5.1 弊社事務機器に使用されている再生樹脂
 5.2 リサイクルABSについて
 5.3 リサイクルHDPEについて

6.さいごに

【質疑応答】

【第4講】 リサイクルポリマー/リサイクルプラスチックの分析・評価
【時間】 15:45-17:00

【講師】株式会社 東レリサーチセンター 有機分析化学研究部第2研究室 室長 塩路 浩隆 氏

【講演主旨】
 欧州での様々な規制発令に伴い、リサイクルポリマーは、これまで「使用すべき」ものであったのが、今では、戦略的に「使用しなければならない」ものへと変わりつつある。一方、リサイクルポリマーを使用するにあたっては、強度低下や成形不良、臭気等々のトラブルが生じるリスクがある。そういったトラブルを解決するためには、原因究明のために適切な分析を行う必要がある。本講座では、リサイクルナイロンおよびリサイクルポリプロピレンのトラブル原因を特定するために、実際に分析した事例を紹介する。

【プログラム】
1.はじめに
 1-1 リサイクルポリマーに関わる欧州の規制について
 1-2 リサイクルポリマー使用におけるトラブル事例

2.リサイクルナイロンの分析
 2-1 強度低下要因解析
 2-2 不純物分析

3.リサイクルポリプロピレンの分析
 3-1 物性への影響因子解析
 3-2 臭気原因解明
【質疑応答】

【登録日】2024.01.18

登録者情報

【登録日】 2024.01.18

【登録者】(株)AndTech

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