一般財団法人環境イノベーション情報機構
ジャトロファ利用の最新技術動向

第1部 公立大学法人滋賀県立大学 工学部 機械システム工学科 教授 山根 浩二 氏
第2部 日本植物燃料株式会社 代表取締役社長 合田 真 氏
第3部 首都大学東京 都市教養学部 理工学系 生命科学コース 教授 小柴 共一 氏
第4部 元大阪大学 柴垣 奈佳子 氏
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第1講 ジャトロファ油を原料とするバイオディーゼル燃料の製造・利用技術最新動向
【10:30〜12:00】
【講演趣旨】
本セミナーでは、毒性を有するため非食用であるジャトロファ油を原料としたバイオディーゼル
燃料に関して、その製造方法・燃料性状や毒性・ディーゼル機関での燃焼特性などに関する最新
動向について概説する。
ジャトロファ油は、高遊離脂肪酸を含有するため通常のアルカリ触媒法では燃料製造が困難なこと、
燃料の酸化安定性が良く、低温流動性もパーム油よりも良好なこと、原油中に存在する毒性物質で
あるホルボールエステルがメチルエステル変換後やディーゼルエンジン内での燃焼後にどのように
なるかなどについて述べる。
1.過剰アルカリ触媒法などによる燃料製造技術
2.脂肪酸組成などの燃料性状
3.汎用ディーゼル機関における燃焼および排気特性
4.燃料中およびエンジン燃焼後のホルボールエステル
5.今後の展開
(講師プロフィール)
1988年 北海道大学 大学院工学研究科 博士後期課程修了(工学博士)
1988年 京都大学 工学部 助手
1994年 同大学院 工学研究科 講師
1995年 滋賀県立大学 工学部 助教授
2001年 マサチューセッツ工科大学 客員研究員
2002年 滋賀県立大学 工学部 教授
(受賞)
1993年 日本機械学会論文賞 受賞
2002年 日本ウォータージェット学会論文賞 受賞
2007年 日本機械学会関西支部貢献賞 受賞
2009年 日本油化学会オレオサイエンス賞 受賞
(その他活動)
・農水省農業資材審議会機械化分科会専門委員
・兵庫県環境審議会大気環境部会特別委員
・バイオマス利活用技術情報提供検討委員会専門部会委員長
・全国バイオディーゼル燃料利用推進協議会指針等策定委員会副委員長/技術委員会委員長など
(著書)
・「バイオディーゼル〜天ぷら鍋から燃料タンクへ〜」東京図書出版会ほか多数
第2講 ジャトロファの意義と事業化へ向けた取り組み
【13:00〜14:00】
【講演趣旨】
再生可能エネルギーとしてのジャトロファの意義を検証する。事業化のための研究開発として
現在取り組んでいる@無毒品種の開発(神奈川県バイオベンチャー人材活用事業)、
A島しょ型ゼロエミッションエネルギーシステム構築事業(沖縄県)、Bモザンビークにおける
ジャトロファバイオ燃料の持続的生産(JST/JICA)などを紹介する。
1.ジャトロファの優位性と課題
2.無毒品種の開発
3.島しょ型ゼロエミッションエネルギーシステム構築事業
4.モザンビークにおけるジャトロファバイオ燃料の持続的生産
第3講 ジャトロファの栽培とその安全性
【14:05〜15:05】
【講演趣旨】
ジャトロファは、南アメリカ原産のトウダイグサ科の低木である。その種子に多量の油を
含むことから非食用のバイオ燃料として注目を集めてきた。現在、原油価格が一時より
値下がりしたことから注目度はいくぶん低下したが、将来的には植物由来のエネルギー源が
必須であることは言うまでもない。ジャトロファの栽培には高温が必要であるが、国内、
特に島しょを含む東京地域での栽培の可能性を調べるための、実験を行った。
都内、大島では、多少の例外を除いて冬を越せなかったが、八丈島、小笠原では栽培可能と
考えている。ジャトロファには、ホルボールエステルが含まれ、発がん性を示す。
精製ホルボールエステルはマウスに対して、30 mg/kg 程度のLD50値を示し、安全性の配慮が
必要である。
1.フィリピンにおけるジャトロファ栽培、およびディーゼル油生成過程の視察
2.大学キャンパス(八王子南大沢;温室、室外)でのジャトロファの種子、および挿木からの栽培
3.都区内(夢の島公園)、島しょ地域でのジャトロファ栽培の試み
4.国内外でのジャトロファの栽培の現状
5.ジャトロファの安全性
6.シナアブラギリ利用の可能性
(講師プロフィール)
氏 名 小柴 共一(こしば ともかず)
略歴 1974年 北海道大学理学部植物学科卒業
1978年 東京都立大学大学院理学研究科博士課程修了(理学博士)
1978年 東京都立大学理学部助手
1986年 米ワシントン大学医学部 特別研究員
1998年 東京都立大学理学研究科生物科学専攻助教授
2002年 東京都立大学理学研究科生物科学専攻教授
2005年 首都大学東京理工学研究科生命科学専攻教授
著書 『新しい植物ホルモンの科学(第2版)』 小柴共一・神谷勇治編 講談社(2010)
『植物ホルモンの分子細胞生物学』 小柴共一・神谷勇治編 講談社(2006) 他
受賞 2005年 日本植物生長調節学会 学会賞
第4講 改良型ジャトロファ開発のための分子生物学的研究の現状
【15:20〜16:20】
【講演趣旨】
本セミナーでは、環境適応型のバイオ燃料植物として世界で注目を集めているジャトロファの、
植物としての性能を明らかにするために、世界で取り組まれている植物科学研究の最先端の
成果を広くとりまとめ、
講演者の大阪大学の研究室で取り組んできた、ゲノム解読、遺伝子発現・代謝産物蓄積の
解析などの結果を中心に紹介する。
1.ジャトロファの生理学的研究-乾燥耐性を中心に
2.ジャトロファの遺伝学的研究-ゲノム解読から分かったこと
3.ジャトロファの分子育種-分子育種のターゲット、形質転換方法とその課題
(講師プロフィール)
2001年 東京大学 大学院農学生命科学研究科 博士課程 修了
2001年 米国スタンフォード大学 カーネギー研究所 博士研究員
2008年 米国エネルギー省・ローレンスバークレー国立研究所
Joint BioEnergy Institute 上級研究員
2008年 大阪大学 大学院工学研究科 生命環境工学(住友電工)寄附講座 准教授
【登録日】2011.06.12