一般財団法人環境イノベーション情報機構
エコライフガイド

【コラム】ピークカットって何?

夜の電気はなぜ安いか、ちょっと考えてみる

最近、電気料金のメニューも多様になってきました。その中に、日中の料金単価を割高にする代わりに夜間の料金単価を安く設定するメニューがあります。何故夜間の電気を安くしているのでしょう。

電力需要は、季節によって、また1日の中でも時間帯によって大きく変動しています。
下図は、年間最大電力を記録した日の電気の使われ方を示したものです。夏の暑い日は冷房用の電力需要のため、電力消費量は夜間の約2倍になっていることがわかります。

最大電力発生日における1日の電気の使われ方の推移

グラフ:最大電力発生日における1日の電気の使われ方の推移

出典:最大電力発生日における1日の電気の使われ方の推移(日本原子力文化財団「エネ百科」より)

このような電力需要の負荷変動に対応するために、発電所では図のような運転方式をとっています。

電力電力需要に対応した電源構成

グラフ:電力供給に対応した電源構成

出典:電力電力需要に対応した電源構成(日本原子力文化財団「エネ百科」より)

需要の変化に対応した電源の組み合わせ(例)

電力需要の少ない時間帯や季節には、発電所を止めるなどして調整することになります。このとき、発電方法の特性によって出力調整や停止のしやすさがあります。
水力発電所は、水門の開閉で運転開始や停止ができますが、原子力発電所は開始・停止に膨大なコストがかかるため通常停止することはありません。火力発電所は出力の調整がしやすい特性をもっています。

図を見ると、特に石油を燃やして電力をつくる火力発電所で、かなり変則的で効率の良くない運転となっていることがわかります。 日中のピーク需要を減らして負荷曲線を平らにすることができれば、発電所が効率良く運転することができます。つまり日中の電気料金が高く、夜間の料金が安いメニュー設定は、日中のピーク需要を減らして夜間にシフトさせようとする電力会社の取り組みなのです。このように電力の需要側を管理することをディマンドサイドマネジメント(DSM)と言います。

さらに2011年の東日本大震災による原子力発電の稼働停止が契機になって、供給側の取り組みだけでなく、需要側である家庭や企業の節電によって電力需要のピークを抑制するデマンドレスポンス(需要応答)の必要性が指摘されるようになりました。その一つとして企業や家庭が節電することにより生み出される電力「ネガワット」に価値を見出すネガワット取引が導入されています。

日中のピーク需要を減らすことは、二酸化炭素排出量の多い石油火力発電所の電力を減らすことにつながります。地球温暖化対策という観点から重要な取り組みといえます。

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