一般財団法人 環境イノベーション情報機構

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No.005

Issued: 2001.07.03

どうなる京都議定書COP6再開会合の焦点

目次
COP6再開会合では京都議定書の具体的ルールを議論
アメリカ抜きで議定書を発効?
「このゆびとまれ!エコキッズ」より(本文と直接関係ありません)

「このゆびとまれ!エコキッズ」より
(本文と直接関係ありません)

 「小泉首相に京都議定書の批准をメールで訴えよう!」環境NGOが共同して、ホームページ上で大々的なキャンペーン活動を繰り広げています(事務局:気候ネットワーク)。参加しているNGOは、6月30日現在で214団体にのぼります。アメリカの離脱で京都議定書の発効が危ぶまれていますが、日本が批准すれば、議定書の発効は可能だからです。「京都議定書の命運は日本が握っている」といっても過言ではありません。
 全国地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA)では、ブッシュ発言に関わる各国・各セクターの記者発表資料や声明等をまとめて紹介しています。

COP6再開会合では京都議定書の具体的ルールを議論

 COP6(気候変動枠組み条約第6回締約国会議)再開会合は、7月16日からドイツ・ボンで開催されます。昨年11月にオランダ・ハーグで開かれたCOP6では、温暖化ガス排出削減のための具体的なルールが話し合われました。ところが、各国の意見がまとまらずに交渉は中断されました。
 合意できなかった点は、森林などの吸収源の扱い、途上国への技術移転や資金提供の方法、議定書の拘束力など。また、京都議定書では、削減目標を達成するため「排出権(量)取引」などの「京都メカニズム」と呼ばれる削減方法が認められていますが、その具体的なルールについても合意できませんでした。そこで、議論はCOP6再開会合へと持ち越しになりました。


アメリカ抜きで議定書を発効?

 ところが、各国がCOP6再開会合に向け調整を進める中、今年3月に、アメリカが京都議定書からの離脱を表明しました。理由は、発展途上国に削減目標が課されていないことや、アメリカ産業界への影響が大きいことなどです。世界最大の温暖化ガス排出国であるアメリカが不支持を表明したことは、世界各国に衝撃を与えました。
 いったいこれまでの各国の努力は水の泡になってしまうのでしょうか?。その答えは、日本が握っています。京都議定書の発効には、京都議定書で定められた先進国など38カ国のうち、温暖化ガスの排出量(90年時点)の55%を占める国が批准する必要があります。
 アメリカが批准しなくても、EUやロシア、日本などが批准すれば、この条件を満たすことはできます。EUは早くからアメリカ抜きでも発効させる方針を打ち出し、すでにロシアや東欧諸国、カナダなどの同意を得ています。あとは、日本かオーストラリアのいずれかが批准に応じれば、京都議定書は発効できるという状況にあります。
 今のところ日本政府ははっきりした姿勢を打ち出しておらず、ぎりぎりまでアメリカを説得する努力を続けています。アメリカは、温暖化ガスの4分の1を排出しています。そのアメリカ抜きでは、温暖化防止に十分な効力を発揮できないとの考えからです。
 京都で採択された国際的な枠組みはどうなるのか。日本の出方が注目されています。


(記事:土屋晴子)