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環境Q&A

溶融灰スラグ舗装の追跡調査、履歴などについて 

登録日: 2005年04月14日 最終回答日:2005年04月19日 ごみ・リサイクル グリーン購入

No.10266 2005-04-14 06:58:23 カクノダテ

 溶融灰スラグを細骨材に使ったAs混合物を一般道路で施工することになりました。事前の溶出試験でスラグの安全性は確認しておりますが、一技術者として溶出しないとはいえ重金属入りのスラグを使うことに多少疑問が残ります。
 そこでスラグ入りの舗装を行った箇所について、追跡調査と道路の履歴台帳等を残したいと考えています。

先行して行われてる国、自治体さんでの事例等ありましたらどなたかご教示ください。お願いします。

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No.10270 【A-1】

Re:溶融灰スラグ舗装の追跡調査、履歴などについて

2005-04-15 03:07:17 循(じゅん)

(最近の新聞記事)
毎日新聞 2005年4月13日
「クリーンセンターくれ:溶融スラグで道路試験舗装 /広島県 呉市」

毎日新聞 2005年4月7日
「環境保全:溶解スラグ“変身”、コンクリ商品化へ−−道内で初成功 /北海道 西いぶり廃棄物処理広域連合」

(市町村事務組合)
東京二十三区清掃一部事務組合
 http://tokyo23.seisou.or.jp/

神奈川県藤沢市環境管理課
「ごみ焼却灰の資源化」
 http://www.city.fujisawa.kanagawa.jp

ほか多数の市町村組合が成果を発表しています。

(産・官・学)
エコスラグ利用普及センター
http://www.ecoslag.jsim.or.jp/ecoslag/
(社)日本産業機械工業会
産・官・学が協同して溶融スラグの利用普及にあたっています。プラントメーカー、道路建設会社、自治体、大学、国が情報交換をしているようです。
利用実施例も紹介されています。

(国)
国土交通省 土木研究所 http://www.pwri.go.jp/
各地方整備局が溶融スラグを利用した舗装実験に取り組んでいます。

(JIS)
スラグ類の化学物質試験方法(2005/03/20制定)
−第1部:溶出量試験方法JISK0058-1
−第2部:含有量試験方法JISK0058-2

今年度中に溶融スラグのJISが制定される見込みと伺っております。

回答に対するお礼・補足

早速の回答有り難うございます。
各自治体とも普及には尽力しているようですが、実際のところリスク管理はどのようにしているのでしょうか。
スラグ舗装箇所を台帳で保管するなどトレーサビリティの体制が整っている自治体などご存じないでしょうか?

No.10296 【A-2】

Re:溶融灰スラグ舗装の追跡調査、履歴などについて

2005-04-16 02:35:51 循(じゅん)

>実際のところリスク管理はどのようにしているのでしょうか。

カクノダテ様は自治体のご担当者様とお見受けしました。(角館の方ですか?)「リスク管理」とか「トレーサビリティの体制」はどのようなことを想定されているのでしょうか。

厚生省指針はご存知ですよね。
ほかにも多くの自治体(都県市)が独自の有効利用指針を策定しています。その指針を策定する段階では溶出量、含有量、物性等について多くの検討を重ねています。
また、経産省は平成14年7月にTR A0016:2002および TR A0017:2002を公表しました。
これらの情報はネット検索でも情報を得ることができますね。

また、有効利用の点では、国交省や都県市の道路部局と自治体の清掃部門が共同してアスファルト舗装試験やコンクリート骨材試験などが行われています。
「試験」にあたってはスラグの安全性試験とともに、経年変化を追跡する調査や再リサイクルについての検討が行われています。調査方法やデータ収集・分析方法は参考になります。

先に紹介した団体(国県市業界エコスラ等)では、報告書、学会発表、ニュースリリース、業界紙への寄稿などにより情報が公開されております。
これら報告書等を取り寄せて情報の把握・蓄積に努められるとよろしいでしょう。

EICネットの匿名掲示板ではお伝えできる情報量に限界があります。
まずは各団体に直接話を伺うとか、照会をかけるとか、報告書を取り寄せるとか、把握の方法はあるでしょう。

加えて、プラントメーカーからの情報も有用かと思います。

「JIS」に注目していたほうがいいと思います。
スラグが有効利用として流通するか否かはJISへの対応方次第です。

回答に対するお礼・補足

循様へ
ご丁寧な回答重ね重ね重ね有り難うございます。

有体に申しますと私は自治体の職員で土木畑の人間です。(まぎらわしくてすいません。角館は純粋にあだ名です)
恥ずかしいお話ですが、急に降ってわいたような話であたふたしておりまして。

循様にご教示していただいた事項についてひとつひとつ勉強してみます。有り難うございました。

No.10327 【A-3】

Re:溶融灰スラグ舗装の追跡調査、履歴などについて

2005-04-19 02:54:37 循(じゅん)

カクノダテさま

道路建設に携わる土木職員の方だったのですね。
清掃部局の方だと思っていました。少々言葉が過ぎてしまいました。すみませんでした。
過去、通産省、建設省や土木研究所の方とスラグの有効利用についてのお話を伺う機会がありました。皆さん積極的に取り組まれており、詳細な試験研究がされていました。
土木職員であれば国交省関連の方と情報交換しやすいのではと思います。

私の記述した情報源については、清掃部局の方とともに情報収集にあたられるとよろしいかと思います。

というか清掃部局でもっと積極的に動いたほうがいいのではと思いまして、
「(清掃部局は)楽観視しているのでは。」
という疑問というか恐れがありました。


「焼却灰の最終処分はやっかいだ」
「スラグにすれば土木工事が使ってくれる」
「(土木工事が使えば)最終処分量が減らせる」
「ゼロエミッション社会が実現できる」

溶融炉建設で清掃部局の方が説明していたことです。
さらに、国に対して
「スラグのJISを作ってほしい」
という要望を出していました。
国もそれに応えてJIS化の作業を進めています。

ではJISができれば土木工事で利用してくれるのでしょうか?
土木工事の仕様書には材料調達の指定で
「JIS○○○○」とか「グレード ○」
という具合に指定しますよね。
建設資材会社ではそのグレードの建材を製造するための設備投資をして認定も受けています。

それでは清掃工場は
「JIS認定が受けられる体制が作れるのか。」
これにはさまざまな課題があります。
ぜひ、課題を克服して立派な工場になっていただきたいと願っております。

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