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環境Q&A

土壌汚染対策 

登録日: 2006年02月15日 最終回答日:2006年02月23日 水・土壌環境 地下水/土壌汚染

No.14768 2006-02-15 01:42:27 えと

このhpは、いつも非常に参考になります。
私が関わっているある工場におきまして、今後の対応について悩んでおります。
皆様なら、以下のような条件ではどのようになさいますか?
@自主調査、工場の廃止・移転などは考えていない。
A実施調査は、敷地の一部(懸念の高いTCEのタンクが在った施設1箇所とその周辺)でガス調査とボーリング調査を実施。土対法の配置ではなく、タンクの箇所周辺と、施設の外縁を取り囲むような長方形に配置。
Bボーリングでは、土壌と地下水にVOCsの汚染があった。シス1・2ジクロロエチレンが最も高く、土壌は基準値の400倍地下水は基準値の2000倍。トリクロロエチレンと1・1ジクロロエチレンは土壌は基準値以下、地下水は100倍前後。
Cガス調査では、ボーリング地点から40m・80m離れた箇所でテトラクロロエチレンが確認された。ボーリング箇所付近はトリクロロエチレンが確認された。
E敷地面積約40000u、調査区域約10000u
あえて汚染状況などの考察は含みません。
以上、よろしくお願いします。

総件数 10 件  page 1/1   

No.14774 【A-1】

Re:土壌汚染対策

2006-02-15 15:05:52


>皆様なら、以下のような条件ではどのようになさいますか?


>Bボーリングでは、土壌と地下水にVOCsの汚染があった。シス1・2ジクロロエチレンが最も高く、土壌は基準値の400倍地下水は基準値の2000倍。トリクロロエチレンと1・1ジクロロエチレンは土壌は基準値以下、地下水は100倍前後。

この状況で,自主調査さえ考えていないのなら,いったい何を回答すれば良いのでしょう?

御社の姿勢としては,周辺での地下水の異臭騒ぎを待ってから対応したいということですか?

そのとき,御社が,既に地下水汚染の実態に気づいていながら,何の対応策を講じなかったとすれば,土対法以外の民事訴訟に発展した場合,不当行為として損害賠償責任は重くなるのではないかと思いますが…

回答に対するお礼・補足

言葉足らずですいません。
お聞きしたかったのは、今後の調査をどのように進めるかということです。その後対策も当然出てきますし、決して対処しないということではありません。
調査の進め方について社内で意見が分かれております。
もう少し踏み込みますと、最優先で行うべきなのは敷地境界での汚染漏洩の確認か、あるいは汚染原の絞込みを主体とした内部からの調査か?客観的な立場であればどのようなデザインを考えられるかお聞きしたかったので、何か考えがありましたら、よろしくお願いします。

No.14778 【A-2】

Re:土壌汚染対策

2006-02-15 15:59:57 えと

文章を書き間違えていましたので、訂正させていただきます。

>@自主調査、工場の廃止・移転などは考えていない。
→@自主調査として実施した。工場の廃止・移転などは考えておらず、現段階では土壌汚染対策法あるいは条例には該当しない。

No.14782 【A-3】

Re:土壌汚染対策

2006-02-15 17:02:16 なべちん

まず、PCEが離れたところで検出されているということは、そちらにPCEの汚染源が別にあると考えられます。
そして、土壌中のTCEが低く、地下水で高いということは、PCEが地下水の流下に伴って微生物分解されて生成されていると考えられます。
なぜなら、cisDCEが高濃度ということは、それが汚染原因物質でないとすれば、地下水中で相当な微生物分解が行われており、その過程でTCEが生成されている可能性が高いからです。

とはいっても、TCEが汚染原因物質でないとは言い切れませんが。(ダブルの汚染かも)

いずれにしても、まずは、PCEの使用履歴を確認し、それから、汚染のホットスポットを特定しないことには始まらないと思います。

回答に対するお礼・補足

ご返答、ありがとうございます。
現状では、PCEとTCEの汚染源は、別にあると考えています。土壌ガスは完全なメッシュではないのですが、PCEとTCEの分布が重ならず、別の区域にあること、それとTCEの使用履歴が明確にあり(タンク及び水槽)、TCEはその周辺で検出されています。

No.14795 【A-4】

Re:土壌汚染対策

2006-02-15 22:38:07 BATA

既にご回答があったとおり、PCEについての汚染源の特定を提案します。
ただし、それと合わせて、地下水濃度が非常に高濃度であることが気になります。
地下水流向が分かっているなら下流側の敷地境界で観測井戸を掘り、
敷地外への拡散の有無を確認します。

ところで、TCEのガスの濃度分布はどうなっていますか?
よく、工場では作業着のクリーニングを工場内で行い、その際にPCEを使っていることがあります。
工場の方は、それを工場での使用とは認識されていないケースもあります。
TCEとPCEの汚染源が異なる可能性は大いにあると考えられます。

あとは、地質や地下水の流向、検出場所と工場建屋との関係など、考察すべきことはあると思います。
(あえて、汚染状況の考察は除かれていますが)

回答に対するお礼・補足

ありがとうございます。おっしゃるとおり、PCEは別の目的で気づかずに使っていたのかもしれませんね。
現場は湾岸域であり、潮汐の影響を受けると考えられるので、地下水流向は複雑な動きを示すと思われます。
汚染源と工場建屋の関係ですが、当初建屋内に使用履歴があったため、その中で履歴に高い箇所を転々とガス調査したところ、TCEとPCEが別の場所で確認されました。TCEの場所は、以前TCE貯蔵タンクと水槽があり、製品の洗浄作業を行っていました。
そこで、2次調査でこの建屋を取り囲むようにガス調査を実施したところ、1箇所でPCEが検出され、他はNDでした。PCEの検出箇所は、建屋ないのPCE検出箇所にちかい、地形的にはやや上流側に位置する箇所です。ボーリング調査はこのときに貯蔵タンクの箇所で実施しています。

No.14816 【A-5】

Re:土壌汚染対策

2006-02-16 16:24:56 BATA

A-1さんへの解答欄に記載されていましたが、汚染源の絞込みか、漏洩確認か、どちらを最優先に行うべきかとのご相談だったんですね。
(私の回答ではボケてしまってましたね)

えとさんが、調査を提案されている会社であるとして、ご発注者である工場はどういう腹づもりをされているのでしょうか?

発覚した汚染は直ちに対策するつもりがあるのか、現状、工場の廃止・移転などは考えていないので、そのような時に対策すればよいと考えられているのか。

それによって、敷地境界でのモニタリングを先にするべきか、汚染源の絞込みを行うべきかが変わってくると思います。
ただ、私の回答に対するレスを見る限り、地下水下流側の敷地境界でのモニタリングは難しそうですね。
地下水流向が複雑であることが予想されるとのことなので、汚染源の絞込みの調査を行って、ボーリング・観測井戸の設置をして地下水流向の把握をされた方が良いでしょう。
(意外に潮汐の影響があっても、流向は変わらないこともありますよ)

回答に対するお礼・補足

施設側の姿勢は、そもそもの経緯から説明しますと、「近年土壌汚染が話題になっているので、うちもいろいろなものを使っているし、一度実態を調べてみよう」という事でした。今回汚染が発覚してからの姿勢については、まだ明確にされていませんが、ニュアンス的にはあまり積極的ではなさそうです。ただ、初めてのケースでどう対応してよいかよくわからないのが実情でしょう。
現地が記したように湾岸地域であるため、周辺で少なくとも飲料用に地下水を利用している可能性はほとんどありません。そのため、人の健康被害に関わる必要性からみれば、対策の必要性が低いかもしれません。どちらかといえば、企業の社会的責任としての対処となるかもしれません。

No.14823 【A-6】

Re:土壌汚染対策

2006-02-16 17:53:49 公表?

その調査結果は公表されていますか?
行政には報告されていますか?

敷地境界での調査と周辺井戸の利用状況調査を速やかに行うことをお勧めします。

回答に対するお礼・補足

汚染判明したてのほやほやで、まだ調査結果も速報レベルです。
従いまして、結果の公表や行政への報告については、これから対応を検討する事になります。

No.14855 【A-7】

Re:土壌汚染対策

2006-02-17 17:04:14 BATA

施設側があまり積極的には考えていない(特に費用の面での負担)ということであり、社会的責任(環境報告書等で公表する?)の上であれば、当面、周辺区域に対して汚染の拡散がないことを示してあげる方が早いかもしれません。

もちろん、モニタリング結果を公表するためには最終的には汚染対策をすることが大前提にあります。

まずは、拡散がないことを周辺住民に報告します。その上で、汚染源の詳細な調査を行い、対策を行います。
(汚染は拡散していないのでご安心くださいと発表できればよいですよね)

というのが、今後のストーリーになってくるのではないでしょうか?

汚染源の絞込み調査を優先するか、敷地境界のモニタリングを優先するか、いずれかを選ぶもメリット・デメリットがあります。
これを整理して、お客さんとよく相談してみてください。

行政への報告も自治体によって変わるようですよ。
名古屋市では、行政に報告があったものは直ちに積極的に情報公開されるとのこと、対策方針もないまま発表すると、批判の矢面に立たされる恐れがあります。

回答に対するお礼・補足

ご返答、ありがとうございます。
責任者側は事が重要なだけに、今すぐに判断は下せないようです。
ただし、とりあえず境界部での調査はすぐに取り掛かり、それを踏まえて今後の対応に望むようです。
色々とアドバイスありがとうございました。

No.14857 【A-8】

Re:土壌汚染対策

2006-02-17 17:33:10 なべちん

私は行政の人間ですが、皆さんの意見で理解できないことがあります。

汚染源の特定と敷地境界のモニタリングは、どちらか選んで(優先して)行うべきものですか?
私はこのような事例を報告されれば、常に両方を行わさせます。
周辺に拡散しないように境界での濃度を測ることも大事ですし、汚染源を特定させて早急に対策に取り掛かることも大事です。

これは、事業者の気持ちをわかっていない、行政のわがままでしょうか?

回答に対するお礼・補足

ご返答ありがとうございました。
BATAさんへの返答の通り、現在すすめております。
下手をすると、企業の死活問題に発展することですので、責任者も慎重に検討するようです。

No.14997 【A-9】

Re:土壌汚染対策

2006-02-21 08:22:48 スズキ

私も行政の担当をしています。上の方と同意見です。ただちに汚染源の特定と敷地境界のモニタリングを行うよう指示します。一番重要なのは、人への健康被害です。行政側では、今回のような報告を受ければ、周辺の地下水調査を行います。(特に井戸水の飲用世帯の調査)
周辺で地下水の汚染があって、飲用の事実があれば、土壌汚染対策法第4条の適用を考えます。汚染があれば対策をするのは事業者の責任です。とにかく一刻も早く、@行政に報告する。A汚染源の調査と敷地調査のモニタリングをする。B専門業者と相談して対策を考える。よろしくお願いしますよ。
言い忘れましたが、私の自治体では、そのような報告を受けても公開しません。公開するかどうかは自治体によって違うと思いますが、公表されるからと言って、行政に報告を怠ることのないよう重ねてお願いします。

回答に対するお礼・補足

ご意見ありがとうございます。
他の方への返事のとおりの状況になっています。
周辺での地下水利用については、なされていないとの情報があります。

No.15124 【A-10】

Re:土壌汚染対策

2006-02-23 17:23:45 しばやん

土壌・地下水浄化事業に携わって10年以上になります。この濃度は、今まで聞き及んだのを含めて国内最高濃度クラスに属します。文章を読んでいて会社の存続という言葉が書かれているわりに危機感が伝わってこないのが心配です。危機感が逆に働いて隠そうという方向に行くのではないかと心配です。行政の方がコメントされているようにまず、現状の敷地全体を把握する必要があります。これだけの高濃度が出ているのに限られた場所のガス濃度だけで済ませている調査会社も信用できません。ガス調査は敷地全体(40000m2なら400箇所)、引き続いて数10本程度の深度調査が必要となるでしょう。まず調査費用3000万円程度の捻出をして下さい。行政もここ数年だいぶ経験を積んでいるので指導に従われるのがよいと思います。行政にリスクをシェアーしてもらうぐらいの気持ちでないとこの土地の浄化はうまくいきませんよ。

回答に対するお礼・補足

ご意見、ありがとうございました。

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