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環境Q&A

労働安全衛生法の罰則 

登録日: 2006年08月09日 最終回答日:2006年08月11日 環境行政 法令/条例/条約

No.17870 2006-08-09 11:14:26 トット

トットと申します。

有機溶剤中毒予防規則を調べているのですが、どうも労働安全衛生法と有機溶剤中毒予防規則の基本的な関係がよくわからず、苦戦しています。

たとえば、労働安全衛生法第45条で定期自主検査が定められ、罰則があります。
有機則では20条〜21条で定期自主検査が定められています。
この場合、有規則21条に違反した場合(記録を3年間保存しなかった場合など)、労働安全衛生法45条違反となり、罰則が科されるものと考えてよろしいのでしょうか?

労働安全衛生の分野はどうも他の法律と異なるようで、包括的に規則に委任しており、いったいどこまで労働安全衛生法の条文が規則に関連し、規則違反に対して法の罰則がどこまで適用されるのか、よくわからず、お聞きする次第です。

不勉強で恐縮ですが、ご教示いただければ幸いに存じます。

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No.17877 【A-1】

Re:労働安全衛生法の罰則

2006-08-09 21:08:46 東京都 / こん

労働安全衛生法は複雑で難しいですがゆっくりたどっていくとわかるかもしれません。ご質問では施行令が書かれていません。
有機則をみると令○○条とあります。労働安全衛生法施行令です。その該当条を見ると、その機械が法45条に基づいて規制されていることがわかります。

回答に対するお礼・補足

さっそくのご教示ありがとうございます。ご指摘のとおり、あせってばかりいましたので、落ち着いてとりかかりたいと思います。

取り扱っている機械は局所排気装置なので、労働安全衛生法施行令15条1項9号に該当しております。
令15条では「法第四十五条第一項の政令で定める機械等」を指しているので、取り扱っている機械が法45条によって定期自主検査と検査結果の記録が要求されており、したがって、罰則(法120条)が適用されることまではわかりました。

また、有機溶剤中毒予防規則20条2項では、「事業者は、前項の局所排気装置については、一年以内ごとに一回、定期に、次の事項について自主検査を行わなければならない」として、自主検査の内容を定めております。
これは、法が委任した検査内容でしょうから、実際の検査内容がこれを充たしていなければ、法の罰則が適用されることになります。ここまでもわかりました。

ただ、どうしてもわからないのが、たとえば次のような場合です。

有機溶剤中毒予防規則では、第23条で、「事業者は、第二十条第二項及び第三項(第二十条の二第二項において準用する場合を含む。)の自主検査又は前条の点検を行なつた場合において、異常を認めたときは、直ちに補修しなければならない」と定めています。
しかし、「自主検査の点検結果等により異常があった場合は補修すること」という趣旨の文章は、法45条を含めて法律本体には書いてありません。
したがって、この規則23条までは、法45条が委任しているとまでは言えないと思うのです。したがって、かりに補修をしないとしても、法45条違反として罰則が適用されることはないのではないかと思ったのです。

つまり、

◆法45条と規則20条はセットの関係となる
 (規則20条の事項に違反した場合は、法45条違反=法120条罰則適用として扱われる)

◆法45条と規則23条はセットの関係でない
 (規則23条の事項に違反した場合は、直接的には法45条違反とはならず、法120条の罰則も適用されない)

と理解しましたが、これは正しいのでしょうか?
実は、ある資料を読んで勉強していたところ、この規則23条についても違反すれば法45条違反となり、法120条の罰則が適用されると書いてあり、疑問に思った次第です。

なお、もちろん、かりに法の罰則が適用されないとしても規則違反とはなるでしょうし、整備不良の装置を使用するわけにはいきませんので、避けなければならないことだとは思っております。

ただ、法律と規則の関係というものが一体どうなっているのかという素朴な疑問が払拭できず、お聞きしたい次第です。長くなって申し訳ございません。どなたかお教えいただけると幸いに存じます。

No.17900 【A-2】

Re:労働安全衛生法の罰則

2006-08-10 23:38:00 東京都 / こん

法第45条は自主検査と記録を規定していますから、有機則第23条は該当外でしょう。しかし異常を放置すれば法第20条などに違反する可能性があります。
 義務規定がすべて罰則を伴うわけではありませんし、罰則は刑事訴訟が必要ですからめったやたらあるわけではなく、まずは行政処分と思います。

回答に対するお礼・補足

こん様

たいへんよくわかりました。ご丁寧に教えていただきありがとうございました。
簡単なお話なのかもしれませんが、法令関係では相談できる人が近くにおらず、つらかったのですが、ようやく胸のつかえがとれました。

No.17901 【A-3】

Re:労働安全衛生法の罰則

2006-08-11 07:38:55 火鼠

労働安全衛生法と有機溶剤中毒予防規則の基本的な関係がよくわからず、苦戦しています。
>
>労働衛生に係るものとして、勉強のため調べてみました。
ご質問の中の令15条1項9号は、局排装置ではないのではないでしょうか?
法律の流れとして、法律で、大枠の基本を定め、施行令で、対応する機器や、物質、業務を定める。規則で、細部の対応を定めていると思います。法45条と規則23条は対応しないと言われていましたが。有機則23条は有機則20条を請けて、22条から、23条となるので、法45条と対応します。また、規則の下に告示や、通達があり、随時規則の中に取り入れられますので。法律だけ読んでおりますと。現状では、不足の場合もあります。

No.17905 【A-4】

Re:労働安全衛生法の罰則

2006-08-11 09:44:53 東京都 / こん

有機則第22、23条の根拠は法20条というより法22条1号の方が良いようです。ちなみに法20〜22条違反は法45条違反より重罰となっております。

回答に対するお礼・補足

火鼠様、こん様

お二人様ともご回答ありがとうございます。

火鼠様は、有機則23条(検査結果によっては装置の補修義務)は、有機則20条(定期自主検査の対象装置と検査方法)の内容を請けて設けられた規定だから、法律上の根拠は20条と同じく、労働安全衛生法45条(定期自主検査)だということですね。

一方、こん様は、有機則23条の内容は、法45条に書いていないから法45条は関係なく、その根拠は法22条(健康障害防止の措置を義務づけ)だということですね。

法律上の根拠として、どちらの条文をとるかによって、罰則も異なってくるということもよくわかりました。

また、どちらの見解が正しいのか、よくわかりませんが、もしかしたら、実際の事故状況に応じて労基署によっても根拠条文を変えているかもしれないのかなと思いました。つまり、どちらの見解も成り立ちうるという考え方です。
そもそも法20−23条のような抽象的かつ包括的な条文があれば、いよいよとなれば労基署は規則のどの条文にも関連づけができるでしょうし。

迅速な災害防止のためにはこうした規定も必要なのかもしれませんが、罰則を伴う規定の内容について、包括的なものとしてしまっている安衛法はちょっとこわいと思いました。

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