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環境Q&A

「油さらさら」はエコ商品か環境ホルモンか? 

登録日: 2001年06月15日 最終回答日:2001年06月21日 健康・化学物質 環境ホルモン

No.186 2001-06-15 16:44:24 けい

廃油(てんぷら油など)を乳化して石鹸水状に変えるという、「油さらさら」なる商品を以前に買って使っていたのですが、ふと裏の成分表を見ると「ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル」とありました。説明には微生物により炭酸ガスと水に分解されると書いてあるのですが、本当にノニルフェノールなどの環境ホルモンになることはないのでしょうか?安心できるまで使う気になれず置いてあります。また、環境ホルモンになってしまう界面活性剤を含んだ洗剤類は、どのように見分けたらよいのでしょうか?そしてそれを使わずに廃棄するにはどうするのがよいのでしょうか?どなたかお教えください。

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No.193 【A-1】

Re:「油さらさら」はエコ商品か環境ホルモンか?

2001-06-21 10:40:58 東京都 / ちしゃ

ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル/ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルは両方とも、PRTR法の第一種指定化学物質(政令番号308・309)になっています。

PRTR法の対象物質については、次の1)〜3)のデータベースで個々の物質の物理化学性状データが検索できます。

1)環境省 PRTRのページ 対象化学物質情報
  http://www.env.go.jp/chemi/prtr/2/2-7.html 

2)エコケミストリー研究会 PRTR・MSDS対象物質の
  毒性・物性情報  http://env.safetyeng.bsk.ynu.ac.jp/ecochemi/PRTRMSDS-db2/prtrmsds-index2.htm

3)PRTR制度対象物質データベース
 (提供 製品評価技術基盤機構 化学物質管理センター)http://www.nite.go.jp/gen/info/chemrenew.htm

1)の環境省の対象化学物質情報の毒性情報 http://www.env.go.jp/chemi/prtr/2/2-7/01.html によると、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル が生態クラス1/ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル生態 クラス2という評価になっています。生態クラスというのはなにを指すのだか、環境省のホームページの情報だけではわかりにくいのですが、http://www.env.go.jp/chemi/prtr/2/2-7/16.html の情報を見ると、ECETOCの生殖毒性(水生生物に対する毒性)が認められているようです。

なお、水生生物に対する影響を調べるためにどんな方法があるかは2)のエコケミストリー研究会のホームページに説明があります。

エコケミストリー研究会のホームページの個別の物質情報にはよりはっきり水生生物への影響度が出ています。
ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルは
http://env.safetyeng.bsk.ynu.ac.jp/ecochemi/PRTRMSDS-db2/1-308.pdf
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルは
http://env.safetyeng.bsk.ynu.ac.jp/ecochemi/PRTRMSDS-db2/1-309.pdf
に情報があります。

この情報を読むと、2つの物質は人に対しては毒性があまりないようですが、水生生物に対する毒性があるようなので、もしポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルそのものとすればそのまま水に流すのは好ましくないのではないかと思いますが・・・。
ただし、油を加えた場合、物質の性質がどうなるかについては私には判断材料がありません。
どなたかご存じの方はいらっしゃいますか?

No.194 【A-2】

Re:「油さらさら」はエコ商品か環境ホルモンか?

2001-06-21 10:51:07 東京都 / 君山銀針

社団法人日本化学工業協会はノニルフェノールの安全性について、下記のように回答しています。
http://www.asahi-net.or.jp/~XJ6T-TKD/env/chemqa.html#q9

また、横浜市の水環境のページのQ&Aコーナーhttp://www.city.yokohama.jp/me/cplan/mizu/qa/index.html

http://www.city.yokohama.jp/me/cplan/mizu/qa/suishitsu/009.html
に、石けんや合成洗剤の分解性や下水処理によってノニルフェノールなど環境ホルモン物質が低減できているという情報があります。

国土交通省の調査でも
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha01/04/040509_.html
下水中の環境ホルモンは下水処理の過程で大きく低減すると報告されており、もちろん負荷がないに越したことはありませんが、全く処理に手がつけられないという物質ではないようです。

(*注 ただしこの回答を書いた2001年6月時点では上記の情報しかみつからなかったのですが、その後2001年8月の環境省「内分泌攪乱化学物質問題検討会」でノニルフェノールの環境ホルモン作用が確認されました。)
http://www.env.go.jp/chemi/end/kento1301/02.pdf

なお、洗剤の環境負荷にかかわる記事としては、東京大学生産技術研究所・教授 安井至さんによる
市民のための環境学ガイドのホームページ内http://www.ne.jp/asahi/ecodb/yasui/SoapOrDet.htm
に、「合成洗剤か?石鹸か?」という情報が載っていて、なかなか面白いです。(安井先生独特の意見の部分もありますが)
結論としては、「両方とも環境負荷がある。
 最良なのは、どちらを使うにしても使用量を減らすことだ。」ということです。

どの洗剤を選んでも、全く影響がないものというのはないようですので、適量を守る、使用量を減らすというのが一番確実だと思います。

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