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環境Q&A

相関が1に近いとんでもね〜検量線 

登録日: 2006年12月29日 最終回答日:2007年01月15日 環境一般 その他(環境一般)

No.20168 2006-12-29 11:03:55 なんちゃって計量士

 すみません、できれば具体的なデーターをお知らせいただけないでしょうか?

 基本的に相関が1に近いということは、検量線からの離間距離が小さい事を表わします。
 基本的に検量線は一次から三次程度の関数で目盛りは自然数、指数、対数、で表わすことが殆どかと思います。

 多変量解析でN次M元などで数値解析すれば(多項解析)とんでもないなどということもあるでしょうが二元対応の場合に相関が良いとなればある意味対応関係の応答性が良いことを表わさなければ数学的にはおかしくなると思うのですが?

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No.20169 【A-1】

Re:相関が1に近いとんでもね〜検量線

2006-12-29 14:18:07 火鼠

古い記憶で、手元にデータがないのですが、フレームレスのデータで、検量線の見た目は、まっすぐなんですが、あまりにも、でてくる数値にばらつきがおおきいので、データをもらって、古い方式で、検量線を引きなおしました。
要は、45度の角度で引けるようにタテ横の比率を変えただけですが。
大きく、くの字に曲がってました。吸光度の分析ですから、直線粋を使えと指示して、標準点数も多くさせて、検討させました。点数が多くなったら、相関性が悪くなったと記憶してます。

原因としては、機械のメンテナンスが足らなかったことと。
測定環境が、悪く、作業環境の、汚染であることがわかりました。(薬品ではなく、空気環境)
検量線は、硫黄酸化物の分析のように、S字カーブを描くことは、わかりますが、吸光度分析で多項解析を利用するのは、どうなんでしょうか?私としては、他の成分の影響もあるので、直線範囲だけでやってくれといいました。

No.20171 【A-2】

Re:相関が1に近いとんでもね〜検量線

2006-12-29 15:48:20 なんちゃって計量士

火鼠さん 早速の回答ありがとうございました。

 おっしゃっておられることのだいたいの意味はつかめました。

>他の成分の影響もあるので、直線範囲だけでやってくれと>
>
 小生も原則的には直線性が維持できる範囲以外で計測することは間違いと存じます。

>多項解析を利用するのは、どうなんでしょうか?>
>
 場合によると思います。計量証明などでは、原則的にはありえませんが、場合によっては利用できる方法です。特に既知の資料の場合には有意義な分析と存じます。例えばクロロフィルの分析などには検量線法はなじまず既知のε(モル吸光係数)を用いて多成分同時定量法を使用しないと計量不能と考えます。

No.20173 【A-3】

Re:相関が1に近いとんでもね〜検量線

2006-12-29 20:04:57 火鼠

私は、算数が苦手の分析屋で、統計学は、よくしりません。でも、最近のPCは、よく出来ているんで、勝手に曲線でも。いい相関を出してくれます。多変量解析は、pHとCOD,SSとか。ばいじん、CO2、NOx、O2とかに使うと面白いのですが、なんか、自己保身のために、(めんどくさいから)に使われているような気がして、きらいなんです(何故?やったと質問すると答えが無くなる。)。まずは、検量線は、10回引いて同じ傾きになったか?ばらつきはどうか?だけです。必ず言うことは、45度で引いてくれ。統計学まで無視してる。オジンかな?
吸光光度の分析は、すでに。logなんで、これを、元でやると、大曲なんで、やりたくないし、ベールの法則なんて、細かいことわかんないし。ま〜経験則で、これならいいだろうです。かなり、荒っぽいです。

No.20180 【A-4】

Re:相関が1に近いとんでもね〜検量線

2006-12-30 08:37:45 なんちゃって計量士

火鼠さんへ 

>吸光光度の分析は、すでに。logなんで、これを、元でやると、大曲なんで、やりたくないし、ベールの法則なんて、細かいことわかんないし。ま〜経験則で、これならいいだろうです。かなり、荒っぽいです。>
>
 基本的な話として、吸光光度法の場合には、片対数として直線にならない場合にはそれでオワです。
 挙げ足とりみたいで申し訳ありませんが『ランベルト・ベール(ランバート・ベール)の法則:Sample Cellの光路長 (L) とSample濃度 (C) に比例』で吸光度は対数で表わされるので直線で表示できない場合には、原理原則から外れるので当然、吸光光度法は適用してはいけないことになります。
 PCでおこなう場合でも近似線を一次で選択できるように指定できるはずです。(私は自分で組んでおりますが)基本的には単回帰ですから単純です。

>検量線は、10回引いて同じ傾きになったか?ばらつきはどうか?だけです。必ず言うことは、45度で引いてくれ。>
>
 角度は気にする必要はありません。ばらつき(分散)と切片(定数項)が一番気になります。次に回数毎の再現性。ラボの誤差か個人誤差か。

>多変量解析は、pHとCOD,SSとか。ばいじん、CO2、NOx、O2とかに使うと面白いのですが、なんか、自己保身のために、(めんどくさいから)に使われているような気がして、きらいなんです>
>
 これは学生さんなどが良くやることですが、相関には『有意である相関と、研究上意味(意義)のある相関は違う』つまり相関係数は両者の関係を表しているだけで、決して因果関係を表しているわけではありません。また第三変数の影響によって生じた擬似相関(本当は相関がないにも関わらず、相関があるように見えること)である可能性もあります。

No.20198 【A-5】

Re:相関が1に近いとんでもね〜検量線

2006-12-31 12:59:18 筑波山麓

興味を持ちましたことと、一般の閲覧者に誤解があってはいけないので、申し訳ないですが、御二人の会話に割りこまして下さい。

検量線は一次よりも二次、二次よりも三次と次数が増えれば、検量線の可変性が高くなり、相関係数が高くなります。応答性の良さとは関係ありません。

検量線は、基本的に「公的に認められた理論、経験則」に基づいた式で計算されなければなりません。単に相関が良いからと高次の検量線を使用することは大きな誤りのもととなります。同様に「最大濃度/最小濃度(以下、「幅」という)」の広すぎる検量線、一部の事業所が採用しているが、裏づけのない重み付検量線も誤りのもととなります。したがって、「なんちゃって計量士」さんの言われる通り一次回帰式で計算することは当然です。

「角度45度」は検量線の読取誤差を少なくできるというメリットがあるため、昔、手で検量線を描いていた当時の常識でした。PCが発達しても、人間による検証が必要です。その検証の一つの手段が図の目視によるものです。従って、45度の角度にすることは全く無意味なものとは限りません。

検量線を描くアルゴリズム(最小二乗法)の不確かさに注目する必要があります。最近、検量線のアルゴリズムの不確かさについて日環協の「環境と測定技術」に四角目氏(財団法人化学物質評価機構)が投稿されております。なお、これは宣伝のためではありません。私は四角目氏及びその所属とはまったく無関係の人間です。検量線の不確かさについて話したく引用するので記述しました。検量線の「幅」が10倍を大きく超えた場合等の重みなしの検量線、「幅」が10倍程度の場合でも相関係数が悪い場合の不確かさは無視できないものがあります。

一例です。検量線濃度(0.05〜0.4mg/L)、相関係数「0.99961」で、最小濃度(0.05mg/L)での不確かさが「10.7%」となりました(2種の方法で検算済み)。この不確かさには「機器の不確かさ」、「標準液作製の不確かさ」、「機器操作の不確かさ」等も含まれていると思われますが、問題は、検量線が描かれた時点でこの不確かさが固定され、試料分析の不確かさがこれに合算される可能性があるということです。現在、このこと、式及び式そのものの持つ意味を考察しているところですが、お二人も興味があれば情報をお知らせするので、勉強されることをお勧めします。

No.20200 【A-6】

Re:相関が1に近いとんでもね〜検量線

2006-12-31 13:05:48 筑波山麓

1000文字の制約では言い切れませんでしたので、追記しました。
また、「火鼠」さんへ。まだお若いようですので、苦言を呈します。これからの若い分析を志す方は「統計学は、よくしりません。………自己保身のために、………きらいなんです………」では通用しません。あなたは良くても、あなたに指導される方が「分析業界の発展・常識」から取り残されてしまい、将来を奪われてしまう可能性があります。物事を客観的に判断するために統計学は欠かせません。キライでも勉強する必要があります。あなたの言われるとおり、近年はPCが発達したので、複雑な式そのものを覚える必要がないだけ、幸せなのですから、統計的に、物事を客観的に判断する手段としての統計学をしっかり勉強されることをお勧めします。

No.20202 【A-7】

Re:相関が1に近いとんでもね〜検量線

2006-12-31 18:49:12 火鼠

私の、穴の多すぎる回答に、喰らい付いていただいた。御二方にまず感謝いたします。事実私は、算数苦手なんです。でも、御二方の内容を理解できる方または、興味持つ方がどのくらい居るのでしょうか?言ってることこいつ(私ですが)おかしいよ〜。こうじゃ〜ね〜か〜。で、分析技術が進むのではないでしょうか?ただ聞くだけでなく、いっしょに考える。分析は、細かいものをみてますが、俯瞰がないと、大間違いすると思っております。もう少し、こういう論議があると、私はうれしいです。ちょっとしたこと、(でも、重要な事を忘れて、最近の人は技巧に走りすぎだと思います)。JISは読んでも、JISの備考は、まったく読んで居ない人が多い。私は今は、エクセルの統計処理と格闘しております。

No.20429 【A-8】

Re:相関が1に近いとんでもね〜検量線

2007-01-15 19:32:33 なんちゃって計量士

以後こちらをご参照ください。

http://www.eic.or.jp/qa/?act=view&serial=20425

業務多忙中の中、詳しいご検討を頂いた

筑波山麓 殿 に感謝いたします。

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