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環境Q&A

砒素分析 上水試験方法前処理について 

登録日: 2009年01月23日 最終回答日:2009年02月04日 環境一般 調査/研究

No.31004 2009-01-23 17:23:01 ZWlc02d pettobotoru

現在、ICP質量分析を用いて河川水や井戸水を前処理せずに分析しております。現在、上水試験方法に記載されている前処理の必要性を検討していますが、あまり良い結果が得られていません。超純水にJCSS認定を受けている砒素(三酸化二ヒ素)を5ppbになるように添加し前処理すると砒素の値が0.5〜1ppb増加する傾向がありました。有機砒素(ジフェニルアルシン酸)でも同様な操作を行いましたが、増加は見られなかったです。もし減少していたなら前処理の操作時に揮散したなどの考察が付きますが、増加した現象では砒素の価数が前処理で5価になり3価と5価では化学形態による分析感度差が生じているのでしょうか?
また、前処理に行う酸分解の意図は形態を5価に揃えるためとの認識で宜しいでしょうか?
初歩的な質問かもしれませんが、よろしくお願い致します。


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No.31034 【A-1】

Re:砒素分析 上水試験方法前処理について

2009-01-26 12:44:09 YM (ZWlba48

5価になり3価と5価では化学形態による分析感度差が生じているのでしょうか?
異性体なら感度はかわりますが3価と5価では変わりません。

>また、前処理に行う酸分解の意図は形態を5価に揃えるためとの認識で宜しいでしょうか?
砒素を溶解するためです。

回答に対するお礼・補足

ご回答ありがとうございました。
もう少し原因追求していきます。
前処理により砒素が100%増加しているわけではありません。なので前処理手順に問題あるのかもしれません(装置のCVは5%以下ですので人為的要因の可能性が高いと考えています)。

No.31038 【A-2】

Re:砒素分析 上水試験方法前処理について

2009-01-26 19:21:48 筑波山麓 (ZWl7b25

「pettobotoru」さんへ。

ご質問の試験結果から、的確に原因を推測することは困難ですが、考えられる原因として、以下の3つを考えました。

@試薬等からのコンタミ
A試験操作からのコンタミ
B標準液と試料液のマトリックスの相違

上記の@は試薬ブランク試験の実施、Aは操作ブランク試験の実施、Bは試料液を希釈剤(Std.0等)で1/2〜1/10程度の数段階の希釈試験を行い、その直線性および検量線との平行度をみることにより検証できます。


他に原因があるかもしれませんが、とりあえず、ご考慮ください。

回答に対するお礼・補足

ご回答ありがとうございました。
早速ですが
@はすべて分析サンプルには同じ試薬を使用していますので問題ないと思います。
A超純水で同等の前処理操作は実施していませんの確認が必要です。
B前処理することによって砒素以外の物質がコンタミしてスペクトル干渉を起こしてるのかもしれません(ArClのように・・・)。
ご指導頂いた方法で検討してみたいと思います。

容器はすべて酸洗浄しています、また砒素が簡単にコンタミするはずはないと思っています。

No.31041 【A-3】

Re:砒素分析 上水試験方法前処理について

2009-01-26 21:03:21 たそがれ (ZWla61d

スペクトル干渉と非スペクトル干渉に分けて考えるべきなのでしょうが確立されている理論だけでは現実、わからないことも多いです。

前処理せず・・・とは、全くなにも加えていないのですか。
絶対検量線法ですか、内標準法ですか。(内標準物質は何ですか)

上水試験方法の前処理ということですが、どんな方法でしょうか。ICP-MS用は硝酸で煮るくらいだったと思うのですが。(酸は何ですか)
よろしかったら、確認させてください。

回答に対するお礼・補足

ご回答ありがとうございました。
説明不足で申し訳ございません。

Q.前処理せず・・・とは、全くなにも加えていないのですか。
A.分析前には硝酸を1%添加しております。今回の前処理とは煮るといった操作の事です。

Q.絶対検量線法ですか、内標準法ですか。(内標準物質は何ですか)
A.内標準法で内標物質はY(SPEX社製 XSTC-538)です。

Q.上水試験方法の前処理ということですが、どんな方法でしょうか。ICP-MS用は硝酸で煮るくらいだったと思うのですが。(酸は何ですか)
A.酸は硝酸(関東化学 EL グレード)で沸騰しない程度に煮るといったご指摘通りの方法です。

No.31055 【A-4】

Re:砒素分析 上水試験方法前処理について

2009-01-28 06:35:09 たそがれ (ZWla61d

残念ながら私の能力では的確な考察はできないようです。
そこそこきれいなサンプルに対して、検量線はJCSS標準をそのまま薄めて作成、サンプルは硝酸で加熱前処理、内標準はY、というのはICP-MSでは最も多くやられている方法だと思います。私どももそうしています。
酸を添加するだけ、というのは水が汚くなるほどリスクが大きくなります。SSの多い水道原水などは、硝酸1ml添加と5ml添加では大きく値が異なることがありますが、こことは別の議論ですね。
実サンプルではありませんのでArClやCaClの重なりは考えなくてよいでしょう。
実は塩酸での加熱や、水素化物発生AAの前処理をしているのではないかと心配しておりましたがそうではなかったですね。
また、私の経験でもコンタミの可能性は少ないと思います。

気がついたことがあればまたご連絡します。
もう少し確認してみてください。

追記
加熱操作が加わっただけで標準系列とマトリックスが変わらないわけですので、検量線から求めた値だけでなく、検量線の5ppbとカウントを比較してみてください。他の検量線濃度のばらつきに引っ張られてはいませんよね。

回答に対するお礼・補足

大変、ご参考になります。有り難うございます。

慢性的に砒素を含んでいる井戸水に同等の前処理を実施しても増加は認められませんが、その井戸水に砒素を添加し前処理を実施すると増加しました。その点からでは砒素標準物質中の何かが前処理により悪さをしていると考えています(勝手な憶測です)。また超純水のみを前処理し分析をしましたがN.D.でしたので実験操作及び硝酸からの砒素コンタミの可能性は低いと思います。

ご指摘のカウント値を確認しましたが整合性の取れた値となっており問題ありませんでした。

次ステップとして原子吸光やICP発光などでも同等の評価を行いたいと思います。

No.31081 【A-5】

Re:砒素分析 上水試験方法前処理について

2009-01-29 17:44:49 jisanmieko (ZWlad13

違うとは思いますが・・・かなり以前の経験ですが、硬質ガラス器具からの汚染を経験したことがあります。6日〜10日保管していたもので1〜3μg/L増加していました。

回答に対するお礼・補足

ご回答ありがとうございます。
ガラスからも汚染するんですね。
以前に砒素を使用し、洗いが不十分だったとかでしょうか?

No.31087 【A-6】

Re:砒素分析 上水試験方法前処理について

2009-01-30 10:48:33 jisanmieko (ZWlad13

人為的なミス(洗浄不足等)での持ち込みによる汚染ではありません。硬質ガラスはかなりのAsを含みます。酸性で溶出してきます。私は共栓メスシリンダーに前処理をした検体を定容し保管している間に溶け出して汚染を受けました。

回答に対するお礼・補足

勉強になります。
対処法として使用する硬質ガラスを事前に酸洗浄などで溶出させれば問題ないでしょうか?特に新品の器具等は気をつけなければなりませんね。
貴重な情報有難うございました。

No.31089 【A-7】

Re:砒素分析 上水試験方法前処理について

2009-01-30 13:42:51 jisanmieko (ZWlad13

硬質ガラスを酸処理をしても完全に除去できないと思います。JIS K 0102のAsの項目の注釈にも記載されています。微量機器分析には硬質ガラスは使用しないことです。最近のガラスの質のよいもの(パイレックス等)は危惧する必要はないようです。当施設はかなり古くからあり、質の悪いガラス器具も残っていたりしますのでこんな事象が起こったのだと思います。

回答に対するお礼・補足

標準液作成時のフラスコや分析時のサンプル管はPP製を使用していますが、前処理時には硬質ガラスやホールピペットを使用していました。なのでご指摘頂いた要因は十分に考えられます。大変参考になりました、有難うございました。

No.31166 【A-8】

Re:砒素分析 上水試験方法前処理について

2009-02-04 21:49:07 筑波山麓 (ZWl7b25

>現在、ICP質量分析を用いて河川水や井戸水を前処理せずに分析しております。現在、上水試験方法に記載されている前処理の必要性を検討していますが、あまり良い結果が得られていません。超純水にJCSS認定を受けている砒素(三酸化二ヒ素)を5ppbになるように添加し前処理すると砒素の値が0.5〜1ppb増加する傾向がありました。有機砒素(ジフェニルアルシン酸)でも同様な操作を行いましたが、増加は見られなかったです。もし減少していたなら前処理の操作時に揮散したなどの考察が付きますが、増加した現象では砒素の価数が前処理で5価になり3価と5価では化学形態による分析感度差が生じているのでしょうか?
>また、前処理に行う酸分解の意図は形態を5価に揃えるためとの認識で宜しいでしょうか?
>初歩的な質問かもしれませんが、よろしくお願い致します。
>
>
>
「pettobotoru」さんへ。

「たそがれ」さん、「jisanmieko」さんからの回答でコンタミが原因と考えられるようです。

下記は、香川県環境保健研究センター所報創刊号(2002)の「トレースアナリシスにおける問題点」です。ISO/IEC17025、湿式分解−原子吸光分析の取得時に参考にした資料の一つです。
http://www.pref.kagawa.jp/kankyo/e_center/syohou/pdf/report_2002_001.pdf
汚染源として、@試薬(酸,塩析剤等)、A器具・容器(試験管,ピペット,分液ロート等)、B雰囲気(実験室の空気中の粉塵,エアロゾル)が紹介され、種々の検討がなされています。今後の検討に非常に有意義な資料となると思います。一度、お読みください。

回答に対するお礼・補足

大変、ご参考になる資料を有難うございました。
勉強させて頂きます。

重複になってしまし申し訳ありませんが、
今回、前処理する前のサンプル(超純水に砒素が5ppbになるように添加)を分析しますと5±0.1ppbでした。この時点で前処理前のサンプル調製段階でのコンタミはないと考えています。
(この段階でコンタミしていたなら、6ppbなどと上乗せされた結果になるはずです)

その上記サンプルを前処理すると0.5〜1ppb増加しました。増加幅が0.5〜1ppbとばらついているのは前処理時で生じた(洗い込みが足りなかったりetc)と考えています。
そのことから前処理操作があやしくなります。

そこで追試として超純水のみ(砒素添加なし)を同様に前処理しました。
結果、増加は認められなかったです。
(検出限界を1ppbであるため、増加が確認できなかっただけかもしれません)

またたそがれさんのコメントでも書きましたが、
慢性的に砒素を含んでいる井戸水(6ppb付近)に同等の前処理を実施しても増加は認められませんでした。
今回前処理の検討をしていて、我々が分析対象としているサンプル(河川水、井戸水など)中の砒素の増加は認められなかったため、正直ホッとしている部分もあります。

ですが、
なぜ添加し調製した砒素サンプルでは増加したのか。
なぜ井戸水では増加しなかったのか。
筑波山麓さんからご指摘して頂いたコンタミだとしても
@〜Bのすべての部分でのコンタミが生じているのか。
またAの部分が最も影響しているのか。
そういった部分も自分なりに発見でき改善できれば、
他の分析項目にも水平展開し謔阯ヌい
分析体制が構築されていくものだと思います。

長文になり申し訳ございませんでした。
たくさんのアドバイス・ご意見ありがとうございました。

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