一般財団法人環境イノベーション情報機構

ヘルプ

サイトマップ

メールマガジン配信中

環境Q&A

粘性バルキング?について 

登録日: 2009年11月11日 最終回答日:2009年11月14日 水・土壌環境 その他(水・土壌環境)

No.33648 2009-11-11 13:04:47 ZWlcc39 JA

はじめてご質問いたします。

粘性バルキングとみられる沈降不良が発生している現場があります。

一度粘性が発生してしまうと、いくらバッキしてもDOが上がらず(好気→嫌気)、排水は片栗粉を入れたようにトロットロです。

排水種類はお菓子の製造排水です。

原水をコンポジット法で採水しましたが、粘性がでることはなかったのでもともとの原水に粘性があるということは考えにくいと思います。

いつも原水が調整槽へ流入し、何時間かバッキを続けたときに発生しているように思えます。

原水の水質調査、処理設備のスペックから見ても高負荷であるとは考えられず、栄養不足による粘性バルキングであると思われます。

この栄養不足によるバルキングは栄養塩を添加し続けることで良化させることができるでしょうか?汚泥の入れ替えという方法は考えずに、あくまでシステム上に存在・生成される汚泥のみでの復活を目指しています。

それともうひとつご質問があります。

粘性バルキングが発生したトロトロの排水(原水ではないですよ)を分析しますと、BODよりCODが高く検出されます。(バルキング発生前ではBODよりCODが低く検出される)ちなみに、バルキング前と後で、原水の分析値に変動はありません。

これは粘性バルキングによって細菌が分泌する多糖類がCOD値として検出されたと考えてよろしいと思いますか??

回答のほど、よろしくお願いします。

なお、今回は処理設備の設計値・原水濃度・pHやMLSS濃度に関しては必要ないかな?と思い、記しませんでした。もしこの問題の解決のために必要と思われる数字がございましたら回答欄にてご報告ください。






総件数 1 件  page 1/1   

No.33682 【A-1】

Re:粘性バルキング?について

2009-11-14 00:19:02 mashi-nana (ZWlba51

以前、大手の菓子・乳製品製造事業場の排水処理施設をいくつか見学したことがありました。いずれも下水処理場と見間違えるぐらい大きな処理施設でした。処理水は無色透明で、一部は雑用水に利用しておりました。なので、今回の質問は少し驚きでした。
しかし、勝手な想像ですが、放流先が下水道でしたら、放流基準から考えて、こうした場合もあるかと思います。前置きが長くなってしまいましたが、
1. BODとCODの比較ですが、処理水中には生物分解できない有機物や生物代謝生成物が含まれますので、処理水のMn-CODはBOD5よりも高いのが通常です。逆に原水はBOD処理がされていないため、BOD5が高くなる場合が多いです。
2.バルキングの件ですが、生物の状態が記載されておりませんので、文面からは、異常現象が栄養源の偏りが原因で生じた細菌や真菌の異常増殖(糸状性バルキング)か、処理不足による多糖類の蓄積(粘性バルキング?)なのか解りません。一般に、菓子製造事業場は、水質的には脂肪分・糖類が高いので、栄養源に偏りがあります。この結果、生物処理では不足栄養源の添加が必要です。
3.「調整槽でのエアレーションで異常症状が起こりやすい。DOが上がらないと」のコメントですが、本業種は高濃度洗浄排水が終業時の一時期に集中して発生します。生物処理を行う場合、排水を24時間連続で処理するために、調整槽で長時間貯留することになります。原水中に含まれる小麦粉などのSS分が沈殿して腐敗することやショートニング等が酸敗することを防ぐため、エアレーションが行われます。しかし、このため調整槽でも好気的な生物分解が行われ、遅分解性有機物濃度が高い排水では、易分解性有機物が生成して、処理施設でのRr(酸素消費速度)が上昇します。この結果、Rrが低下するまでは溶存酸素濃度(DO)が上昇しません。処理が進みRrが低下すれば、DOは自ずと上昇します。
原水水質から考えてスペックが高負荷ではないとのことですが、処理施設とは細菌が分泌した多糖類を含めて処理するものではないでしょうか。粘性バルキング?というよりも、私には処理が完了していないように読めました。
TOCやCr-CODもしくは15〜30日BODを用いて有機物濃度を再評価したり、溶解性有機物を計測して有機物分画を行うことを推奨します。その後、必要なら前処理装置の設置を考えてください。

回答に対するお礼・補足

ありがとうございます。解決いたしました。

総件数 1 件  page 1/1