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環境Q&A

ロックウール中のアスベスト判定方法 

登録日: 2009年12月23日 最終回答日:2010年01月27日 健康・化学物質 有害物質/PRTR

No.33905 2009-12-23 18:04:35 ZWlc6b masashi

アンソフィライト・トレモライト・アクチノライトは、1.618,1.620,1.626
もしくは1.628の分散染色液を用いて位相差顕微鏡で判定することになって
いますが、ロックウール中に含まれるこれらのアスベストはどのように判
定されていますでしょうか?

アスベストが含まれていないロックウールでも、1.618や1.620の分散染色
液を用いてもアスベストと同じような色(赤紫色など)になるような繊維
が含まれています。

このような場合は、ポラライザを用いて偏光性を確認したりX線回折のピー
クが存在しないことからアスベストではないと判定していますが、
分散染色法のみで、形状ではなく色で確実に判定することはできないので
しょうか?

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No.33906 【A-1】

Re:ロックウール中のアスベスト判定方法

2009-12-23 19:11:00 火鼠 (ZWl8329


かなり、微細な内容まで習得されている方と思います。
聞くより、意見出されたいかがですか?(日測協)あたりに。
色でれば石綿?じゃないでしょ?石綿なのに、色でないのあるし。X線だと石綿位置なのに、ちと、遊ぶと消えるとか??
環境省は、ちと違う方法考えてるようですね?
その辺も、ご存知なら、そっちの分野に質問されたらいかがでしょうか?
どれが、正解かは。しりません。でも、今のJISは、ちと怖い。

回答に対するお礼・補足

>どれが、正解かは。しりません。でも、今のJISは、ちと怖い。
ご回答ありがとうございます。
火鼠さんの意見は、たびたび拝見しています。
私自身、アスベストについては経験が浅いため厳しい意見をいただくことになるのではと考えておりました。

正直、私自身もアスベスト分析のJISについては疑問を持っています。
JISK0102といった規格と比べるとJISとしての完成度が低いように思います。
まあ、研究者の数も少ないのかもしれませんが。
数年前での似た事例だと、ダイオキシン分析のJISも最初は欠陥がたくさんありました。
(今ではかなり改善されていますが)

今のJISA1481には注記として、顕微鏡に付属のアナライザ(ポラライザ)を
使用して発色の状態を確認するとの記載があるため、ロックウールがアスベスト状
の発色をしていたとしても、偏光性が見られなければカウントはしないことと
しています。(形状も明らかにロックウールですし)

実は、別の方法として、定量分析で0.1%以下と確認することにより、定性分析で
含有せずと表記する方法も検討しましたが、ここでもまた別の問題が。

X線回折装置として、島津のXRD-6100を使用していますが、0.1%未満の建材で
あっても(ピークがない)0.1%以上の定量値が出てしまうのです。
検量線の問題ではありません。
島津の定量ソフトウェアの積分方法がおかしい(無理やり0.1%対応とするため?)
ためにピークとして認識するのです。
そして、JISA1481に記載されている検出限界の計算方法は、3σではなく1σ

機器メーカーの都合にあわせてJISも作成されたのでは?と思うのは私だけでしょうか?

私の技術力がないために、このような問題が起きているのであれば、私の努力不足
ということで改善可能だとは思うですが。

No.33911 【A-2】

Re:ロックウール中のアスベスト判定方法

2009-12-24 13:07:47 アスベスト分析屋 (ZWla85f

 火鼠さんのおっしゃる通り、色で確実に判定する方法はありません。同じような色を示す物質は他にもありますし、温度によっても変わってくるからです。アメリカの分析法では偏光顕微鏡を使っており、分散染色法の他に消光角法や他のことができるからから精度が高いといった話がありますが、偏光顕微鏡を使っても同じ性質を呈するものは他にもあります。

 JIS A1481の完成度はまあ低いです。といっても外国の分析法よりはましです。そもそも0.1%まで分析できる方法は「ない」と思います(誤解しないで下さい。ほとんどの国が1%ですから)。大体0.1%なんていうのは「そこまで分析できるよ」という保証があるからではなく、「これ以上あれば含有物として扱ってね」というGHSとか何とかで規定されたからで、「何とかしてくれ」というお役人の通達で「何とかした」方法がJISです(という話を聞きました)。検出限界は3σは無理なのでσにしたそうです。しかもこれは「標準」の話で、サンプルは規定していません。
 そもそもJISには0.1%を下限値とするとは書いてありません。もちろん、分析メーカーの都合もあります。日測協は「JISの改定は時間がかかるので、それまでは毎年行っている講義講習会で説明している方法が最新の方法なので、この方法で行って下さい」と言っていますが。

 ISO22262という国際的な分析法が制定されようとしていますが(偏光顕微鏡を用いるらしい)、まだまだ先です。環境省はこれをもとにしようとしていると思いますが。

 私の知る限りでは以上です。

No.33938 【A-3】

Re:ロックウール中のアスベスト判定方法

2009-12-30 17:21:13 火鼠 (ZWl8329

足しにならないでしょうが、アスベスト分析用の顕微鏡のポラライザー程度で、分散液の増色なんて、どっかのお偉いさんの言う詭弁です。
偏光顕微鏡の色とは、まったく違いますし。
分散液を最近は、かなり細かく指示仕出したようですが(どっかの協会)そんなの、誰かの利益になるだけ(分散液メーカおよび代理店)で、ほとんど意味ないのでは?
だって、日本での測定の問題はクリソタイルで、この石綿が、酸に溶けやすいから、分析が難しいのでしょ?また、粘土類は、この位置にX線回折線をいっぱい持ってるんで混乱するのでは?

また、電子顕微鏡で見るってのもありますが。そんな、小さい範囲しか見ないのであれば、見過ごしが怖い

No.34059 【A-4】

Re:ロックウール中のアスベスト判定方法

2010-01-27 10:12:42 くりこ (ZWld060

masashiさんがお書きになっている通り、現時点では
アナライザー使用での判断になってしまうと思います。
(そのアナライザーも数年前に日測協でようやく指示が出て、
という感じでしたが(遅過ぎではないかと感じました・・・))
形状で明らかにロックウールとわかることが殆どですが
粉塵の方ですと一概にそうは言えないようです。
(そのための低温灰化でしょうが・・・)

トレモ/アクチノ・アンソフィが吹付けロックウールに
含有しているケースは稀かと私は思います。
含有していても際どいような含有率ではありません。
きちんと繊維状を示しているものが多いと思いますし。

むしろ他の材料に含有している方が判断に困るケースが
あると思います・・・トレモ/アクチノは実際の含有率の
10分の1しか繊維状ではないと聞いています(板状が多い)
実際に分析してみても定量値よりも繊維が大分少ないなという
印象を受けるケースがかなりあります。

確かに今のJISでは分析するのに不十分だと思います。
0.1%を基準にしているのは日本とドイツだけだと
聞いていますが、このJISでいいのかどうかは疑問です。
また毎年講義講習会に出て、その内容で分析をするよう
指示が出ますが、JISにきちんと書いていないので
お客様への説明に困ることもしばしば・・・。

電子顕微鏡での判断だと確かに狭い範囲でしか見ていないので
光学顕微鏡で観察した方が繊維が見つかるというケースも
過去に何例かありました。

アスベスト分析は本当に発展途上で中途半端な分野だと思います。
分析者の苦労はまだまだ続くのでしょうね・・・。

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