一般財団法人環境イノベーション情報機構

ヘルプ

サイトマップ

メールマガジン配信中

環境Q&A

放流水のPH値の変動について 

登録日: 2010年04月13日 最終回答日:2010年04月14日 水・土壌環境 その他(水・土壌環境)

No.34564 2010-04-13 18:31:08 ZWld35a 五十丸

私の経験上放流水のPH値は終沈での滞留時間の影響によりPHが変動しますが、理論的に説明して頂けないでしょうか?また次亜塩の注入量によるPHの変動はあるのでしょうか?
ちなみに処理方式は標準活性汚泥法で、エアタンPH6.8、放流PH7.3です。
ご教示お願い致します。

総件数 2 件  page 1/1   

No.34566 【A-1】

Re:放流水のPH値の変動について

2010-04-13 22:06:47 papa (ZWlbd18

経験上は、二沈でのpH上昇はほとんど脱窒によるものと考えております。pHだけから見ると硝化を抑えながら運転しているにもかかわらず、かなり脱窒しているように感じられます。
このような状態ではパイプスキマー手前で浮上汚泥の発生が多いのではないかと思います。また、越流部を注意深く見ると池底のフライト板の走行に合わせて一列並びの気泡の発生を観察できるかもしれません。
滞留時間の変動によりpHが変動するというのもその影響かと思います。
このような時はパイプスキマー後段に界面形成が起こっていることが多く、横流沈殿地後段では円形沈殿地と異なり浮上汚泥の回収ができませんので脱窒汚泥浮上流出のリスクが高くなります。
処理水注入の次亜は強アルカリ性ですが、一般的には処理水の緩衝性を超えるような注入濃度ではありませんのでほとんどpHの影響はないと思います。但し、硝化を抑えながらNBOD対策でかなりの注入比率としている処理場もありますので、その場合は若干の影響は避けられないと思います。

回答に対するお礼・補足

回答していただき有難うございます。

放流水pH値上昇に関しては終沈での脱膣の影響と考え今後の維持管理に反映させて頂きます。papaさんの御指摘の通り、硝化抑制運転を行っているのですが終沈での浮上汚泥の発生で時折悩まされています。
対策として極力終沈に汚泥を貯めない終沈管理(返送率50%及び終沈末端の界面管理50cm以下を目標)を行ってます。

御指摘のパイプスキマー後段での界面形成とはどの程度の界面を指すのでしょうか?

No.34576 【A-2】

Re:放流水のPH値の変動について

2010-04-14 22:01:57 papa (ZWlbd18

池末端の界面はゼロであるべきで、ここで界面が形成されるとフライト板の死角である末端ハンチ部分に堆積ができて腐敗浮上します。池末端をみると水質担当者の状況把握の確かさがある程度わかります。
なかなか思い通りにはいかないのですが、末端ではゼロ、パイプスキマー位置では0.3mくらいを目安にしたらいかがでしょうか。これくらいですと脱窒してもフライト板の攪拌効果で浮上はまずありません。
ODの円形沈殿地では、濃タンと同じようなピケットフェンスがあるために界面1mでも安定した運転ができます。
返送率を変えても沈殿地に流入する正味の汚泥量を制御できるわけではありません。返送率を上げた直後の数時間は界面低下しますがその後は元に戻ります。返送率を上げて界面を操作しようとするのは単なる勘違いです。
硝化の制御はもっぱらASRTによるしかなく、嫌気ゾーン比率と池内汚泥量のコントロールが必要です。素人の陥りやすい勘違いとしてはDO制御値を低くすることでなんとかなると考えがちですが、DOは低くてもASRTが長ければ溶存酸素がわずかでもあれば硝化はどんどん進んでしまいます。
界面だけに注意を奪われて返送率を上げると、池全体が微好気状態になり硝化と脱窒の並行進行といった悲惨な状況になることがあります。
分流処理場の現況BOD/SS比で一沈除去率が50%を超えるようなことが通例であるような状態では、負荷率70〜80%以下では硝化を抑えて運転することはとても困難なことです。
少し電力原単位は少し上昇しますが通年硝化運転とするほうがはるかに管理しやすいと思います。

回答に対するお礼・補足

続いての回答及びご指導有難うございます。

終沈末端での界面ゼロは私も理想と思いますが、今までの経験上水処理が良好な時期でも10〜20cm界面が残っています。今後の目標値として、パイプスキマー部の0.3m位を目安として採用してみます。
返送率は終沈界面を確認しながら、返送率25〜50を試した結果、50を採用していましたが・・・勉強不足でした。当然ながら終沈の界面管理だけでなくエアタンのASRT管理にも十分注意を払い、解体、脱膣浮上等の処理障害を起こさないようしていく必要があるということですね。
通年硝化運転に関しては、以前からの発注者側の方針もあるので今後検討させて頂きます。

いろいろと有難うございました。

総件数 2 件  page 1/1