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環境Q&A

産廃?一般廃? 

登録日: 2010年09月22日 最終回答日:2010年09月28日 ごみ・リサイクル ごみ処理

No.35654 2010-09-22 18:22:10 ZWlaa31 tohoho

食品配送センターから発生する期限切れの缶ジュースや缶ビール、
乾物類は産廃でしょうか、一般廃でしょうか?
ちなみに文献でうどん工場がうどん玉をスーパーに納入して、賞味期限の切れた物をうどん工場で無料回収したものは産廃の動植物性残渣に当たらないと読んだことがあります。
食品発送センターは商社ですので、その辺もどうなるかご教示ください

また、積替保管場において缶ジュースの缶(有価物)の抜き取りは
できるのでしょうか?

総件数 8 件  page 1/1   

No.35661 【A-1】

Re:産廃?一般廃?

2010-09-23 15:04:11 万田力 (ZWl3b51

 まず産業廃棄物の定義から考えてみましょう。
 廃棄物処理法第2条第4項によると、産業廃棄物には第1号と第2号の2種類を定めていますが、一般的なのは第1号の「事業活動に伴つて生じた廃棄物のうち、燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類その他政令で定める廃棄物 」です。
 そこで、お尋ねの内容が、まず「事業活動に伴って生じた」ものかどうかを検討します。
 商社の食品発送センターが行っているのはまさしく事業活動ですね。
 次にお尋ねの「物」が法第2条第4項第1号に掲げられた6つのもの又は政令(施行令第2条)に掲げられた13種類に該当するかどうかを考えてください。
 期限切れの缶ジュースや缶ビールは、金属くずと廃酸(又は廃アルカリ)や汚泥の複合物です。
 回収されたうどん玉は動植物性残さにあたらないという文献に触れられているようですが、産業廃棄物に該当しないと言っている訳ではないと思います。即ち、私が聞いているところでは、うどん製造業者が事業の一貫として不良品を回収したものですから、うどん玉(茹で麺)は泥状を呈するとして汚泥として扱われていました。
 それでは、乾物は?海苔やワカメもあれば乾麺や高野豆腐などもありますね。
これらは、どう転んでも汚泥というわけにはいかないので何か該当しそうなものはないかと探してみると、動植物性残さに行き当たりますが、これにはいわゆる業種指定と言って、食料品製造業その他排出事業所が限定されています。
 従って、排出事業者が商社であれば動植物性残さには該当しませんが、うどん製造業者の流通センターから出るなら産業廃棄物である動植物性残さになると思われます。
 ところが、昆布やワカメとなると事情が違います。これらを作るのは食品製造業ではなく、食品加工業だからです。従って、一般廃棄物と判断されるでしょう。

> 積替保管場において缶ジュースの缶(有価物)の抜き取りはできるのでしょうか?

については、排出事業者自らが行うことは差し支えありません。また、収集運搬業者が許可を得ている積替保管施設で簡単な手選別を行うことは認められていますが、缶の中身をどのようにするのでしょうか?収集運搬業者の場合、簡単な手選別とは言えない、即ち、行うことはできないと思います。

回答に対するお礼・補足

ご教示ありがとうございます。
手選別の件ですが、缶の中身(廃アルカリ、汚泥)は、堆肥工場で中間処理を
する予定です。数量も10Kg程度なので、プルトップを開け、ポリタンクへ移し
処分場へと考えてます。難しいでしょうか?

No.35673 【A-2】

Re:産廃?一般廃?

2010-09-24 20:21:07 おせんち (ZWlb24a

 いずれにしても、ある程度、問題なく処理されていれば、取締側が割り込んで厳しく摘発したり出来ないでしょう。そもそも、国の管轄部局では正確にその辺の仕組みを承知しているのでしょうが、ほとんどの国民・関係事業者には周知されていないのです。当然、取り締まる側も、ハッキリ知らないはずです。それが原因で大きな問題が生じない限り手が付けられないのでしょう。国の所管省が誰にでも分かりやすく、しかも、全国都道府県市町村に統一した指導方針を示していればいくら厳しく取り締まってもかまいません。その上、更に混乱するのは、各自治体毎に考え方が異なる以上にその部署の担当者毎に考え方が違うということです。相談する相手を選べと言わざるを得ない事実があるのです。

 それでも、実態は、関係者がよく理解できないままに一応毎日それなりにやり繰りして処理が進められているのです。そんな状態の所に、いきなり厳しく取り締まり・摘発などされたらたまったものではありません。それを知っている取り締まり側は、本当に悪質な者を取り締まる場合であっても、余計な気遣いが必要になり、取り締まりが遅いといわれてしまうようです。

 一度製品となり、出荷された食品類、清涼飲料水などが売れ残って、回収された場合は、製造過程から排出された廃棄物にはなりません。仮に、回収した者が製造者であっても、製造過程で排出したことにはなりません。商品が売れ残って集められた物は、日本標準産業分類の業種限定のある製造業から発生した廃棄物にはなり得ないのです。業種限定のない産廃に該当しない場合は、一廃にせざるを得ません。缶ジュースのジュースは、一廃だといっても市町村が関与しませんので、産廃の廃酸・廃アルカリにでもしないと適法処理が出来ないでしょう。多くの事業系一廃が、産廃ルートで処理されています。

 乾物類は、日本標準産業分類の業種、食料品製造業、水産食品製造業のうち、何故か海藻に付いてのみが、製造業ではなく加工業と表現されています。したがって、海藻加工工程から排出されると産廃になります。しかし、売れ残りを回収した場合は、産廃にはなりません。
 しかし、原則論を言い張っていても、途切れることなく発生する廃棄物は、法律を尊重しながら処理しなくてはなりませんので、少々の判断の揺らぎ、ブレを認め、それを飲み込んで対応せざるを得ないのでしょう。

回答に対するお礼・補足

ありがとうございます
参考にします。
ややこしい場合、産廃扱いにしたほうが面倒でなくなるのなら
それでもいいと思います。廃そう法は難しいですね。

No.35674 【A-3】

法律の定めは素直に読みましょう

2010-09-24 22:03:50 万田力 (ZWl3b51

おせんちさま

> しかし、原則論を言い張っていても、途切れることなく発生する廃棄物は、法律を尊重しながら処理しなくてはなりませんので、少々の判断の揺らぎ、ブレを認め、それを飲み込んで対応せざるを得ないのでしょう。

という点については同意いたしますが、

> 商品が売れ残って集められた物は、日本標準産業分類の業種限定のある製造業から発生した廃棄物にはなり得ないのです。(注 引用部分を変更しました)

については、産業廃棄物の定義をもう一度ご覧になってください。
 どこにも「製造過程から排出された廃棄物」とは書いてありません。「事業活動に伴って生じた廃棄物のうち」です。
 従って、回収された廃棄物が業種指定されていても、事業活動の一環として回収された物であれば「事業活動に伴って生じた」訳ですから、立派な産業廃棄物です。(当地の行政担当者もこのように解釈して指導しています。)

> 乾物類は、日本標準産業分類の業種、食料品製造業、水産食品製造業のうち、何故か海藻に付いてのみが、製造業ではなく加工業と表現されています。

 「何故か」と言うのは、日本標準産業分類ではおせんちさんが食料品製造業だと思っている海藻の乾物を製造する事業は加工業に分類されていると言う意味ですね?
 そのことはさておいて、動植物性残さは施行令第2条第4号によると「食料品製造業、医薬品製造業又は香料製造業において」ですから、加工業から発生したものは売れ残りだけでなく、製造工程から排出されても産業廃棄物にはなりません。

No.35676 【A-4】

Re:産廃?一般廃?

2010-09-25 12:10:51 あのにます環境担当者 (ZWlbc4f

食品製造業に勤務しています。

廃棄物としては一般廃棄物でよいと思いますが、食品由来廃棄物の場合、食品リサイクル法(以下食リ法)も適用されます。この法律は食品製造業、加工業のみならず、流通、チェーンの小売店にも適用されますので、商社の配送センターからの賞味期限切れ食品廃棄において食リ法が適用される可能性はかなり高いと思われます。

しかし、食リ法はそもそも動植物性残渣以外の廃棄を想定していません。これは商習慣として、期限切れ食品はメーカーに戻るか小売店で廃棄することが多いためと考えられます。一般廃棄物の廃酸、廃アルカリとして処分することは行政に確認することをお奨めします。

うどんの例ですが、製造工場における自社処理の場合、動植物性残渣にはならず、食リ法も適用外ですが、委託処理する場合は動植物性残渣としての処分が必要で食リ法も適用されます。これはH19年に食リ法が改正されたとき、説明会に参加して聞いていますので、間違いないはずです。

また、包装容器(缶)は容器リサイクル法の適用を受け、同じく資源化の義務があります。一般廃棄物として処理する場合これらの法律も考慮して処分する必要があります。

No.35677 【A-5】

Re:産廃?一般廃?

2010-09-25 13:30:56 おせんち (ZWlb24a

 説明が不十分で私の意図したことが上手く表現できませんでした。正しいか否かは別として、言いたい内容は次のとおりです。なお、30年程度昔に確認したような状況ですが、行政からは、以下の内容で指導を頂いていました。

 「商品が売れ残って集められ物」(一度販売されて所有権が製造者から販売者に変わったもの。)は、例えば、製造者が回収すると食料品製造業で生じた動植物性残渣になり、販売者が回収して処理すると販売業で生じた廃棄物になる、などのように同じ物が別の廃棄物に分類されることになります。どの時点で廃棄物と判断したかによりますが、一度商品になった後は、売れ残ったり、期限が切れた時点の所有者が排出した事業系廃棄物と判断して、それを回収しても業種限定した製造工程から生じた動植物性残渣とは判断していませんでした。
 その後、製造者が他人所有となっている当該物を回収した場合は、食料品製造業で生じた廃棄物とすると言うような取扱指導方針が新たに通知されたかどうかは承知しておりません。

>「回収された廃棄物が業種指定されていても、事業活動の一環として回収された物であれば「事業活動に伴って生じた」訳ですから、立派な産業廃棄物です。(当地の行政担当者もこのように解釈して指導しています。)」

 そのとおりです。但し、一度商品となり回収された物は、食料品製造業で生じた「動植物性残渣」には出来ないと言う意味でした。

>「動植物性残さは施行令第2条第4号によると「食料品製造業、医薬品製造業又は香料製造業において」ですから、加工業から発生したものは売れ残りだけでなく、製造工程から排出されても産業廃棄物にはなりません。」

 につきましては、食料品製造業の内容について、国から通知がありました。日本標準産業分類の中分類・食料品製造業に掲げるとおりとありました。そこに掲げる項目の内、何故か海藻についてのみ「海藻加工業」となっています。しかし、食料品製造業の中に掲げられています。したがって、施行令第2条第4号により、産業廃棄物になるはずです。なお、日本標準産業分類は、しばしば改正されますので、海藻加工業は外れてしまったのでしょうか。
 古い時代の不確かな回答内容で、万田力さんには、大変に手をわずらわしてしまいました。申し訳ありません。

回答に対するお礼・補足

ありがとうございます
参考させてもらいます

No.35679 【A-6】

Re:産廃?一般廃?

2010-09-25 21:19:00 万田力 (ZWl3b51

 おせんちさま

> 古い時代の不確かな回答内容で、万田力さんには、大変に手をわずらわしてしまいました。

 とんでもありません。お手を煩わせたのはかえって私の方かもしれません。
 現行(と思われる)日本標準産業分類を見ますと、海藻加工業は食品製造業に含まれており、おせんちさんのおっしゃられるとおりのように思われます。
 私が若いころ、ニットは繊維製品ではない(繊維を使った編み物だからという意味でしょうか?私には編み物であっても繊維製品としか思えなかったのですが……)のでニット製品の製造業は繊維製品製造業に該当しない。従って、そこから出るクズは産業廃棄物の繊維くずにあたらないとされていたのですが、現在は繊維製品製造業に含まれていました。
 このように、廃棄物処理法だけでなく、他の法律その他も常に変わっていますので、このあたりの微妙な解釈は管轄の自治体に確認する他ないのかもしれません。(^_^;)

追記(H22.9.26 23:15)
 昔、食料品製造業に含まれていた「たばこ製造業」が、「飲料・たばこ・飼料製造業」と、食料品製造業からはずれていました。
 たばこが食料品?と不思議に思っていたのは解消しましたが、飲料と飼料とが同列に扱われ、その中にたばこが組み込まれたことには改めて違和感を持ちました。

No.35681 【A-7】

Re:産廃?一般廃?

2010-09-26 11:20:23 おせんち (ZWlb24a

 tohoho様、ことほど左様に物事をある物差しで分けていっても、ハッキリしない境目が残ります。しかし、境目があるからこそそれらの主要な部分は、しっかりと分類できるのでしょう。過去の経験から、余りムキになって境目を確定しようとしても、労多くして益無しのようです。

 万田力様、まだまだ区分のハッキリしない事例を沢山お持ちのようですね。私も、当時、可笑しくなってしまうような例を見聞きしています。例えば、自動車廃タイヤは、合成ゴムと天然ゴムが混合している物は、廃プラスチック類とゴム類の混合物だそうです。合成ゴムのみの廃タイヤは、廃プラスチック類だそうです。合成繊維と天然繊維の混紡も同様です。布とニットも、確かに驚きです。

 また、役所の担当部局に何度聞きに行っても分からなかったものに、清涼飲料水・酒類等の自動販売機に関係する廃棄物でした。期限切れの缶ジュース類、回収された空き缶類、ペット容器、紙コップ・プラスチックコップ類の取扱です。清涼飲料水の自動販売機は、ペンディング業者所有で貸し付けたり、設置場所を借りたりして据え付けます。酒類販売機は、それに加えて設置者側の買い取りがあります。
 販売機には、様々なメーカーの製品がセットされていますが、酒類以外は、ベンディング業者の買い取り物です。酒類は、設置されている商店等の買い取り物です。また、メーカーがベンディング業務を行っている場合もあります。更に何社かのベンディング業者が同じ場所に販売機を設置しています。設置場所は、道路脇、商店内、劇場内、公園内、駅構内等様々で業者毎に扱いが微妙に異なります。
 空き缶空きコップ類等は、系列毎に分けることなくごみ箱に投入されます。各ベンディング業者は、空容器を回収しますが、他社の分を分けたり出来ません。自分の販売機横のごみ箱のみ、又は販売機の台数に応じて業者同志がお互いに調整しています。
 結局、空き缶以外を無視して金属くずの回収として許可不要で対応するように指導されました。 廃棄物の処理については、法律の規定どおりに整理できない部分が沢山あります。それらについて、細かな規定を作っても、ますます込みいって分かりにくい法律になり、逆効果もあるのでしょう。したがって、何時までも終わりが無い様な気がします。

回答に対するお礼・補足

結局のところ役人にの指示に従いながら廃そう法の微妙な表現等を自己でも解釈し、主張又は、言論武装?(ちょっとオーバーですが)していくしかないと考えます。

No.35697 【A-8】

質問主旨とは別に、単なる誤謬部分の修正補足です

2010-09-28 13:40:05 ronpapa (ZWlba5

ここ数日 気になっていました。質問スレッドを閉じられる前のお節介をお許し下さい。
A-4.回答された食品製造業勤務の「あのにます環境担当者」様の末尾文書について、
容器類製造業* に勤務の立場から補足修正させて頂きます。

A-4.> また、包装容器(缶)は容器リサイクル法の適用を受け、同じく資源化の義務があります。 一般廃棄物として処理する場合これらの法律も考慮して処分する必要があります。

容器包装リサイクル法(正式名称:容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律)について正しく理解しておくのも当サイトの趣旨でしょうから、同法では(いろいろと問題のあることは別儀として**)以下のように取り扱われています。
出処: 日本容器包装リサイクル協会 http://www.jcpra.or.jp/law/what/what02.html
抜粋: 容リ法の分別収集の対象となる容器包装は、ガラスびん、PETボトル、紙製容器包装、プラスチック製容器包装、アルミ缶、スチール缶、紙パック、段ボールですが、アルミ缶以下の4品目(アルミ缶、スチール缶、紙パック、段ボール)については、すでに市場経済の中で有価で取引されており、円滑なリサイクルが進んでいるので、再商品化義務の対象とはなっていません。

ですから、A-4.で「資源化の義務」と述べておられる部分については、正確には「分別収集の対象」とはなりますが、(上掲の理由で)同法上での「再商品化義務の対象」とは定められていません。

*  容器類製造業という産業分類区分はありません。
  産業分類については先頃改定されてはいますが、それぞれの素材別に各種容器や包装分野の製造業が分類区分されているのが実情です。
** すでに議論は尽くされている事です。

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