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環境Q&A

オルザット法と隔膜ガルバニ電池式の酸素濃度の違い 

登録日: 2010年12月06日 最終回答日:2010年12月08日 大気環境 大気汚染

No.36149 2010-12-06 11:30:03 ZWl4611 匿名

お世話になります。

ボイラーの空気比を管理し、最適な条件で省エネ運転を実施しようとしています。

空気比を算出するに当たり酸素濃度が必要ですので、業者が測定している濃度を参考にしようと思います。
現在酸素濃度を測定していただいている業者は下記の通り2社あります。
・ボイラー管理会社・・・隔膜ガルバニ電池式酸素濃度計を用いている。
・環境測定会社・・・オルザット法(年に2回ばい煙の法定測定時)を用いている。

しかし、2社の酸素濃度結果に2〜5%の差があり、どちらの結果を採用するか悩んでおります。
(隔膜ガルバニ・・・の方が必ず低い値になります)

オルザット法、隔膜ガルバニ電池式のそれぞれの特徴を色々と調べては見ましたが、有用な情報が得られておりません。

どちらがより真の酸素濃度に近いか、皆様のご意見をいただければと思います。

何卒宜しくお願い致します。

総件数 4 件  page 1/1   

No.36153 【A-1】

Re:オルザット法と隔膜ガルバニ電池式の酸素濃度の違い

2010-12-06 18:26:53 火鼠 (ZWl8329

>お世話になります。
>
>ボイラーの空気比を管理し、最適な条件で省エネ運転を実施しようとしています。
>
>空気比を算出するに当たり酸素濃度が必要ですので、業者が測定している濃度を参考にしようと思います。
>現在酸素濃度を測定していただいている業者は下記の通り2社あります。
>・ボイラー管理会社・・・隔膜ガルバニ電池式酸素濃度計を用いている。
>・環境測定会社・・・オルザット法(年に2回ばい煙の法定測定時)を用いている。
>
>しかし、2社の酸素濃度結果に2〜5%の差があり、どちらの結果を採用するか悩んでおります。
>(隔膜ガルバニ・・・の方が必ず低い値になります)


とても難しい質問ですね。
基本的には、オルザットの方がいいと思います。

はるか昔の記憶ですが、オルザットと、磁気風式と、ジルコニア式、ガルバニを比べた記憶があります。その時は、ガルバニが出た初期だったので、炭酸ガスの影響で、数値がおかしい。また、直接採ると、静圧の影響を受ける事がありました。その後、ガルバニは、センサーをメーカがCO2対応をして、かなりいい値が出るようになった記憶があります。
ただその時は、計量証明事業だったので、ん〜数値は、そこそこだね。でも、報告書には載せられない。でした。なぜなら、大気測定では、磁気風式とジルコニアと、オルザットしか認められていなかったからです。

ボイラーの空気比をみるのに、10%以下の精度でみるのですか?
かなり、厳しいのでは??
そこまで、厳密管理されるのなら、自動測定器を設置したら、いかがかと思います。酸素濃度計とPCが連動して、管理されてるシステムも、ボイラーメーカは出しているのではないでしょうか?

回答に対するお礼・補足

火鼠様
ご回答いただき、ありがとうございます。
2006年公害防止管理者(大気)受験の際に使用したテキストには、電極方式の場合SO2、CO2による影響がある、とありましたがインターネットで調べる限りはそういう記述が無かったので疑問を持っていました。ガルバニはそこをほぼ克服していたのですね。

ボイラーの空気比についてですが、目標を1.2〜1.3に定めています。具体的に数値を上げますと
・オルザット 酸素濃度6%のとき空気比1.4
・ガルバニ  酸素濃度4%のとき空気比1.24
と、酸素濃度数%の違いでも改善の余地があるように見受けられます。
しかもガルバニはオルザットに比べ必ず低い酸素濃度を記録します。これは、そもそも根本的にこの二つに明確な違いががあるのではないかと感じました。

自動測定器については私も導入を検討したいと思います。
ありがとうございました。

No.36156 【A-2】

Re:オルザット法と隔膜ガルバニ電池式の酸素濃度の違い

2010-12-06 21:31:17 津久葉山禄 (ZWldb10

久しぶりに回答いたします。
PCを子供に取られたのと、公私ともに業務多忙のために回答から遠ざかっておりました。筑波山麓改め、津久葉山禄です。
さて、「匿名」さんへ。
ご使用になっているボイラーは何でしょうか?
ボイラーには炉筒煙管ボイラ、貫流ボイラー等々多くの種類があり、加えて初歩的なPID制御からはじまって多くの制御方法があります。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%83%BC
http://okwave.jp/qa/q4031132.html
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/3330677.html

今日、多くのボイラーは取り扱い上、燃焼効率改善のために貫流ボイラーが主流となっておりますが、もし、「匿名」さんのところでご使用になっているボイラーが貫流ボイラーであったら、「オルザット法」は貫流ボイラーの運転に追随していくことは不可能です。どうしても、OF,OFFまたは数段階にわたるON運転状況の平均値になってしまいます。

私どもは、その初期の頃には「オルザット法」を使用しておりましたが、顧客のボイラーの多くが貫流式になり、上記のような現象に気づきましたので、それ以後、H社の隔膜ガルバニ電池式で測定をするようになりました。また、その自動記録と「オルザット法」の併行測定結果から上記の現象を再確認できました。

また、隔膜ガルバニ電池式酸素濃度計では、使用前または定期的な「標準ガスによる校正」を必要とします。これも経験上の話しですが、あるボイラー管理会社の校正ミス(定期的に校正をしておりましたが)から、バックファイアー寸前であったのを我々が気づき、連絡し、感謝されたこともあります。

以上の経験から、「ボイラーの空気比を管理し、最適な条件で省エネ運転を実施」しようというのであれば、隔膜ガルバニ電池式酸素濃度計を使用し、定期的な校正を行うことをおすすめします。

回答に対するお礼・補足

津久葉山禄様
ご回答いただき、ありがとうございます。

おっしゃるとおり、ボイラーは貫流ボイラーを使用しています。
オルザット法で測定をしている業者は2回の測定値とその平均値を提示してくれておりますが、津久葉山禄様のおっしゃる問題点は盲点でした。
確認させていただきたいのですが、ガルバニもボイラーの運転状況に左右されるが、瞬時値を計測することが出来るのでON運転時の酸素濃度を測定できる、という認識でよろしいでしょうか?
私の認識が正しければ、オルザット測定中にボイラーのON・OFFの切り替えが生じなかった場合はガルバニと同等の値を示す、ということでしょうか?

細かなお話になってしまい申し訳ありません。ご多忙ということで再度の回答は難しいかもしれませんが、もしご覧になりましたらまたご回答いただけると幸いです。

ありがとうございました。

No.36163 【A-3】

Re:オルザット法と隔膜ガルバニ電池式の酸素濃度の違い

2010-12-07 22:03:50 津久葉山禄 (ZWldb10

「匿名」さんへ。
<私の認識が正しければ、オルザット測定中にボイラーのON・OFFの切り替えが生じなかった場合はガルバニと同等の値を示す、ということでしょうか?>

「ボイラーのON・OFFの切り替え」に加えて、下記に一例を示しますが、種々の制御がなされます。したがって、「ON」であっても数段階の燃焼状態があり、変化します。

http://oshiete.goo.ne.jp/qa/1944696.html
http://questionbox.jp.msn.com/qa1944696.html

ですから、まず、ご使用中のボイラーメーカーを含めて出入りの専門メーカーに相談をされ、よくよく話しをお聞きになってご検討ください。

また、<ボイラーの空気比を管理し、最適な条件で省エネ運転を実施>を行うようになったならば、酸素濃度計に頼るようになると、酸素濃度計の故障、校正ミスなどを起こした場合に、事故を未然に防止できると考えられるので、酸素濃度計の定期校正に加えて、可能ならば、燃焼状態の目視観察による点検も加えて置くことをおすすめします。

必要ならば、良好な燃焼状態、異常燃焼等の見本写真をつけておくことも良いかと考えます。

回答に対するお礼・補足

津久葉山禄様

ご回答ありがとうございました。
ボイラーの制御についてON/OFFだけではないということを理解しました(前回のご回答時にも示していただいたのに申し訳ございません)

しかしそうであれば尚更酸素濃度を平均化して測定できるオルザットの方がボイラー管理する際の酸素濃度に近いのではないか(OFFが長いと使えないとは思いますが)、もしくはガルバニで連続測定した場合と同等の意味を持つのではないか、とも思うのです。

酸素濃度計や自動計測器の購入となるとまだ時間がかかり、当面(社の事情により少なくても半年)は現在の測定方法で判断しなければならないので、ガルバニとオルザットの測定値が異なる原因を把握しておきたいと思っておりました。

先々の管理方法については津久葉山禄様や火鼠様のご意見を参考にさせていただきます。
また、ボイラーメーカーにもコンタクトを取り、意見を聞きたいと思います。

ありがとうございました。

No.36169 【A-4】

Re:オルザット法と隔膜ガルバニ電池式の酸素濃度の違い

2010-12-08 21:56:11 火鼠 (ZWl8329

追記しときます。

私の検討は、圧力差とか、濃度変化を無視するために、排ガスをテドラーバックに採ったもので実験しました。
そのため、濃度変化の追従性は考えておりません。

たしか、初期のころのガルバニ電池は、酸性だったものをアルカリ性に変更して、炭酸ガスの影響を無くしたと。メーカから聞いたような気がします。(かなり、いい加減。古い記憶なのでかんべんしてください)

たしか、検討は、C重油と特A重油のボイラ、アスファルトプラント幾つか(排ガス処理方法が違う)あと、幾つかの設備。

今、残っている記憶では。メーカーが、電池をアルカリ性に変えたことにより、酸性ガスの影響は、ほとんどなくなったと記憶してます。
昔の、ガルバニは、1年持ちませんでしたが、今のは、3年ぐらいもつのではないでしょうか?(かなり、適当な言い方です。メーカー確認をお願いします)
ただ、ガルバニは、分圧を測定していると思うので、圧力のある場合は、変な数値をだすのではないかと思います。その辺は慎重に対応してください。
また、昔の話ですが。デジタル表示は、校正の時0を変に動かすと、収拾がつかなくなった経験があります。昔デジタルの0は、酸素0では、補正できず、酸素濃度を変えた標準ガスで3点補正を行った記憶があります。
なぜかというと、そのころのデジタルの0は、マイナスでも0しか表示できなかったので、0を0だと思ってると表示がおかしいという問題がありました。
自動計(磁気風、ジルコニア)でも、0確認は、かなり難しいのでは?
窒素を流して0%確認そのあと、低濃度の酸素標準流して再確認とか。この辺になると、趣味の世界に入ってしまう。

回答に対するお礼・補足

火鼠様

ご回答ありがとうございます。
環境測定技術が大変豊富な方の意見をたくさん伺えてうれしく思います。

ガルバニをもし自社で持つことになった場合は今回教えていただいた事を思い出し、管理に活かしたいと思います。ありがとうございました。

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