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環境Q&A

土壌環境基準の農用地土壌の砒素の検定方法について 

登録日: 2012年09月27日 最終回答日:2012年10月06日 水・土壌環境 地下水/土壌汚染

No.38755 2012-09-27 18:38:24 ZWle955 Backyard

 土壌環境基準の検定方法について、教えていただければと思います。
 当方では、これまで土壌環境基準に係る分析は、通常の溶出試験によるものがほとんどでしたが、先日、砒素について農用地にかかる分析方法で検査ができないかの問合せを受けました。
 砒素の農用地に係る検定方法は、昭和50年4月総理府令第31号に定める方法が指定されていますが、試料液の調整で、恒温水平振り混ぜ機(〜振とう幅を約10センチメートルに調整したもの)とあります。当方で所有する振り混ぜ機(振とう機)は、振り幅が5センチ以下であるため、振り幅10センチの振り混ぜ機や振とう機を調べたのですが、該当する機種が見当たりません。
 同様の分析を行っている皆さまはどのように対応していらっしゃるのでしょうか?振り幅10cmに適合する振り混ぜ機について情報などがあれば教えていただけませんでしょうか?
よろしくお願いします。

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No.38764 【A-1】

Re:土壌環境基準の農用地土壌の砒素の検定方法について

2012-09-29 19:49:51 E=mc2 (ZWldda

 振とう幅は定められていますが、容器の形状については規定がなかったように思います。
 例えば、容器の深さが10cm以上であれば、採取した試料は底に留まり、抽出液は表層にあり、均一に攪拌・混合できないのではないでしょうか。
 同様に、丸い容器、角形の容器、三角フラスコのような錐形の容器によっても攪拌・混合の状況が異なります。
 極端な事を言うと、容器の形状によって分析結果が異なると思います。
 公定法に則って分析するといのは、大原則ですが、振とう幅に、こだわる必要は、あまりないように思います。
 幅が5cmの装置であれば、振とう時間を2倍にするとか、振とう数(rpm)を2倍にするとかでも良いのではないでしょうか。 

回答に対するお礼・補足

ご回答ありがとうございます。
 ご指摘のように、公定法には容器形状などの規定がないので、容器形状によって撹拌・混合状況が異なると思います。特に今回の公定法のように制定年度が古い場合、詳細な条件が定められていないことがよく見られるようです。
 しかし、溶出試験は条件試験なので、基本的には公定法に規定された条件に沿って溶出操作をすることが求められると思います。振とう幅や振とう回数を分析者が大きく変えて行うのは、根本的な溶出条件が異なってしまうため、公定法の意味がなくなってしまうような気がします。

No.38768 【A-2】

Re:土壌環境基準の農用地土壌の砒素の検定方法について

2012-09-30 16:42:44 たそがれ (ZWla61d

来週半ばまでには少し踏み込んだ回答をしようと思っております。

この問題は意外と深いのかもしれません。もっと回答が多くつくことを望みます。
ただし、現在きている環境省統一精度管理調査でこの項目がありますので、その内容に踏み込まないよう気をつけましょう。

回答に対するお礼・補足

 ご回答ありがとうございます。
 あまり問題を大きくするつもりはないのですが...
 この公定法が制定された当時には、振とう幅10センチの機器が一般的だったのでしょうか?現状の分析機器では対応が難しそうです。
 8月に改正された「農用地土壌汚染対策地域の指定要件に係るカドミウムの量の検定の方法〜」や、最近パブコメの募集があった「産業廃棄物に含まれる金属等の検定方法〜」のように、現在の分析手法に対応した内容に改正されることを期待します。

 とりあえず、振とう機ホルダーを改造して、振り幅約10センチ程度にならないか、現在検討しております。

No.38774 【A-3】

Re:土壌環境基準の農用地土壌の砒素の検定方法について

2012-10-03 04:44:58 たそがれ (ZWla61d

もったいぶった割にはたいした回答ではないかも知れません。
正直に述べると、私はあまり気にしていなかったのです。
現在、振とう幅は5cmでやっています。しかし、よく考えてみると、1分間に100回往復するのに5cmと10cmではかなり、スピード感が違う気がします。しかも、振れの両端で静止しますので平均スピードや加速度等は厳密に2倍違うというわけでもないでしょう。
そこで、民間の試験所、国に近い研究所等、いくつか確認してみましたが、5cmでそのまま(100回/分)やっているところが多かったです。
ただし、お一人だけ以下のサイトのメーカーの製品で10cmに調節してやっているという回答をいただくことができました。(かるく製品情報を見ましたが、現在販売していないかもしれません)

http://bio.tomys.co.jp/

振とう速度や振とう幅についての考察は、昭和58年に日本環境測定分析協会が、発行した「土壌分析マニュアル」に一部載っています。
CdやCuは酸濃度が薄いので振とう速度が大きく影響する、Asは短時間の溶出では試験所間のばらつきが大きい、等です。
一部の土壌では長時間の振とうで土壌に再吸着し低値を示す、等もあります。

おそらく1mol/LではCd,Cuの0.1mol/Lよりは他の条件の変化による影響は少ないものと思われます。
私自身の意見ですが、「Backyard」さんのお考えに近く、有効であると思われても他の条件(スピードや時間)でカバーしてはいけないと思います。
しかし、「E=mc2」さんのように考える方も多いと思われます。その意味でも多くの意見をお聞きしたかったのです。
農用地土壌汚染に係る検定方法はCd,Cuの振とう速度も明確になっていませんが、試験法自体が大変脆弱なものであり、試験所間でのばらつきも大きいものと思われます。

回答に対するお礼・補足

たそがれ さん

詳細に検討いただきまして、ありがとうございます。
大変参考になります。
こちらでも、問い合わせた機関では5cmでやっているようでした。また、振とう幅10cmの機器は、やはり見つけられませんでした。
個人的には、「たそがれ」さんがおっしゃるように、1moL/L塩酸では、振とう幅の違いは、あまり出ないような気がするのですが...
実情に合わせた公定法の改正が必要な気がします。

No.38786 【A-4】

Re:土壌環境基準の農用地土壌の砒素の検定方法について

2012-10-06 16:52:18 筑波山麓 (ZWl7b25

「E=mc2 」さんへ。
>公定法に則って分析するといのは、大原則ですが、振とう幅に、こだわる必要は、あまりないように思います。幅が5cmの装置であれば、振とう時間を2倍にするとか、振とう数(rpm)を2倍にするとかでも良いのではないでしょうか。 

については、自己矛盾ではありませんか?「公定法に則って分析するといのは、大原則です」といいながら、「振とう時間を2倍にするとか、振とう数(rpm)を2倍に」にしたら、同じ値がでると保証されるのですか?

何か問題が生じたら、あなたが「Backyard」さんに替わって、責任を取られるおつもりがあるのでしょうか?もちろん、そのように考えられても責任のとりようがありませんでしょうが!

責任を持てない回答は慎むべきと思いますが、いかがでしょうか?

回答に対するお礼・補足

筑波山麓 さん

ご回答ありがとうございます。

仮に条件を変えて分析を行い、基準値を超過する結果が出た場合、大変悩むことになりそうです。
何とか公定法の条件でできるように検討してみます。

回答いただいた「E=mc2」さん、「たそがれ」さん、「筑波山麓」さん、貴重な意見をいただきまして、ありがとうございました。

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