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環境Q&A

活性汚泥法の間欠曝気運転と曝気槽の混合状態 

登録日: 2014年11月26日 最終回答日:2014年11月28日 水・土壌環境 水質汚濁

No.39922 2014-11-26 13:48:54 ZWlf153 ジェームス

 活性汚泥法で排水処理を実施しております。
 連続運転では過曝気状態なり、硝化によるpH低下、栄養不足による汚泥衰退が起こります。そこで、曝気の間欠運転で硝化と脱窒と交互に反応させ、過曝気による栄養不足を回避しようと思いました。
 
 そこで、質問をしたく宜しくお願いします。
1.曝気していない状態では、曝気槽内の活性汚泥は下に沈んで撹拌されていない状態になります。この状態で、廃水が流入しても大丈夫でしょうか?

2.曝気を再開した時、曝気槽内の活性汚泥が撹拌されると、しばらくはDO消費が早く、場合によってはDOが2以下に低下し、DOが通常に戻るには時間が掛かります。そうすると、曝気による電力消費が多くなります。好気と嫌気を交互に繰り返す運転の場合、活性汚泥の撹拌、DO回復、硝化と脱窒反応の効率で、効率の良い切り替え方法がありましたら、次の様な参考例教えて下さい。
 例@ 好気:6時間、嫌気:2時間を繰り返す。
 例A 廃水流入がない時間帯に曝気停止
 例B SVやMLSSが低い時に曝気停止する。

 何卒、よろしくお願い申し上げます。

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No.39924 【A-1】

Re:活性汚泥法の間欠曝気運転と曝気槽の混合状態

2014-11-28 15:07:28 papa (ZWlbd18

>1.曝気していない状態では、曝気槽内の活性汚泥は下に沈んで撹拌されていない状態になります。この状態で、廃水が流入しても大丈夫でしょうか?
曝気槽の配置や形状、各槽間の移流位置や形状によりますが、短絡水が発生しないなら支障ないと思います。流入水を返送汚泥流路に合流できるなら更にやりやすいと思います。短絡水の確認は沈殿槽入口の上澄み水のチェックで確認できます。

溶存酸素が検出できるのは、酸素供給量>酸素消費量になっているということなので2mg/Lにこだわる必要はないと思います。
酸素供給量=酸素消費量で溶存酸素ゼロの状態が最も効率的なポイントですが、活性汚泥と汚水の接触という点では不均一反応系ですので多少は過剰な酸素供給でも安全側と考えてよいと思います。

>DOが通常に戻るには時間が掛かります。そうすると、曝気による電力消費が多くなります。好気と嫌気を交互に繰り返す運転の場合、活性汚泥の撹拌、DO回復、硝化と脱窒反応の効率で、効率の良い切り替え方法がありましたら、次の様な参考例教えて下さい。
> 例@ 好気:6時間、嫌気:2時間を繰り返す。
負荷によりサイクルタイムは適宜調整するものですが、嫌気撹拌装置がない場合は長時間の停止により活性汚泥が浮上固化する可能性があります。このサイクルでは一日3サイクルになりますが、4から6サイクルくらいにできれば活性汚泥の浮上はかなりリスクが減ります。
1サイクルの時間の中で好気時間は負荷により調整し、残余の時間は嫌気時間にすればよいと思います。送風機のタイマー運転もやりやすいと思います。
> 例A 廃水流入がない時間帯に曝気停止
あまり考慮の必要はないと思います。負荷が少ないなら滞留時間は十分取れるはずですので、固定サイクルで十分かと思います。
> 例B SVやMLSSが低い時に曝気停止する。
負荷が少ないときでも活性汚泥は十分あったほうがやりやすいし、低負荷でSVが低いときは解体気味になっていることが多いと思います。沈殿池での固液分離ができていればSVは高いほうが間欠運転はやりやすいので、教科書にあるような汚泥負荷とかSVIにあまりこだわる必要はないと思います。一般的な下水処理では低負荷時でも汚泥負荷に合わせた汚泥引き抜きはしません。

以上のコメントは下水処理を前提にしていますので、事業所廃水には当てはまらないことがあるかもしれませんがご容赦ください。

回答に対するお礼・補足

papa 様

 早速、ご回答を頂きまして、有り難う御座います。
 もう少し試運転してみて、最適条件を探してみます。
 まずは流入がない時間帯で、間欠した場合の影響を調べてみます。
 おっしゃる様にSVが高い方が、低濃度から高濃度の排水の排水に対応でき、処理率も向上します。曝気停止後にDO値がなかなか戻らないことを懸念しております。

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