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環境Q&A

矢板市の汚泥減量化について 

登録日: 2015年06月25日 最終回答日:2015年07月10日 水・土壌環境 水質汚濁

No.40111 2015-06-25 17:06:53 ZWlf12c 質問者

矢板市の汚泥減量化についてお伺いします。

先日矢板市の公共下水道汚泥減量化に関する報道がありました。

特殊酵素の導入によって農業集落排水処理施設で汚泥の発生がなくなったとのことですが、特殊酵素の詳細等について何か詳しい情報をご存知の方はいらっしゃらないでしょうか?
(「EM菌なのでは?」と思うのですが…)

汚泥減量に際し様々な折衝が必要だろうと思いますが、今まで汚泥処理に要した費用を別の形で活用できるのはとても良いと思います。

矢板市に直接訊いた方が早いことは承知していますが、矢板市の担当者も一々問い合わせがあったら大変だと思うので、このサイトをご覧の方でご存知の方がいらっしゃったら、ご回答お願いいたします。

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No.40113 【A-1】

Re:矢板市の汚泥減量化について

2015-06-26 16:49:28 papa (ZWlbd18

そのような話題は20年くらい前なら結構たくさんありましたが、今どき報道のテーマになるとは驚いています。
テクノロジーというよりも自治体職員が理科教育の初歩を忘れているのではないかと思います。
下水処理というのはこのQAで何度も回答しているように、汚濁物質を汚泥といういう形で回収する操作です。一般に下水汚泥は約20%の無機質を含んでおり、焼却しても焼却残渣が発生します。したがって汚泥の発生がないという装置があるとしたら、装置の中に溜め込んでいるか、放流水と共に排出しているかのどちらかです。汚濁物質が特殊な酵素で消えてなくなることは100%ありえません。
自治体職員の責務は汚泥を消滅させることではなく、近隣の自治体や清掃部局と連携して効率的な有効利用を模索するといった方向に進んでほしいものと考えています。そうすることが納税者の皆さんの負託にこたえる道です。
とりあえず「理科の探検 2014年 春号」などを参考にされたらいかがでしょうか。

回答に対するお礼・補足

 ご回答ありがとうございます。
 返信が非常に遅れて大変申し訳ありません。
 papaさんの2回目の回答も含め、返信させていただきます。

「汚泥の4割が無機物のため不可能です」という理屈は勿論分かりますが、「では、あの実例はなんなのか」と言われた際に、返答に詰まってしまうのが正直なところです。

 この件に関し、papaさんの仰るとおり汚泥の4割が無機物であるにも関わらず、汚泥がゼロ・殆どゼロの実例があることについて、どういった仕組みでその実例が成り立っているのか知りたいと考えています。

 「不可能なことに説明なんて不要」と言われても仕方がないと思いますが、もし汚泥減量化の提案があった際、不可能であるなら実例についてきちんと説明しないと説得するのが困難であるため、この掲示板で質問させていただいた次第です。

No.40114 【A-2】

Re:矢板市の汚泥減量化について

2015-06-27 02:07:44 もあもあ (ZWle8b

私もちょっと気になったので、検索してみました。

http://www.greenwater.jp/pdf/company/green_water_cp.pdf#search='%E7%9F%A2%E6%9D%BF%E5%B8%82+%E6%B1%9A%E6%B3%A5+%E6%B8%9B%E9%87%8F+%E7%89%B9%E6%AE%8A%E9%85%B5%E7%B4%A0+%E4%BB%95%E7%B5%84%E3%81%BF'

ここのSSシステムと思われます。

・・・無機分は、流入水に返すみたいですね。

回答に対するお礼・補足

ご回答ありがとうございます。

後日ネット検索してみたところ、MPAシステムというものを見つけました。
もあもあさんの仰ったSSシステムと同一のようです。
(紛らわしいことに、関連会社で名称が異なるようです。)

無機物を流入水に返すとのことなので、放流水の水質に当然影響は出るはずですが、水質については直接矢板市に確認するしかなさそうですね。

No.40115 【A-3】

Re:矢板市の汚泥減量化について

2015-06-27 13:51:06 papa (ZWlbd18

昔はそういった謎のクスリとか微生物を処理場に売りに来る人が時々はいましたが、普及率が高くなって処理場職員も実務に精通し必要な研修や訓練を受けている今日では、このような内容は話題になることもなくなっています。
現場でなく素人の理事者側が入れ込んでしまうケースはたまに耳にしますが、現実になった話は聞いたことがありません。
STAP細胞と同様に、論理的に言えば「存在することを証明するには1例あれば足りる」のに「存在しないことを証明するには世の中のすべての事象に対して不存在を証明する」必要があります。
ですからこれからも「汚泥の消える画期的な発見を体験した」という人が現れることは予想できます。しかしながら私たちは現在ある常識的なサイエンスの知見をもとに地についた仕事を続けて行くべきであると考えています。
汚泥の消えるクスリに入れ込んでいては、処理場職員として地域の住民の方々に貢献できる仕事ができるとは思えません。

回答に対するお礼・補足

 ご回答ありがとうございます。
 
 まず欄外のことで恐縮ですが、1回目の返信の訂正をさせていただきます。
 無機物「4割」は「2割」の間違いです。誤りに気付かず返信してしまい申し訳ありません。

 papaさんの仰るとおり、わが身の知見の浅さに恥じ入るばかりです。

 1回目の返信で申し上げましたが、STAP細胞は一個人のデータのみで証明されたのに対し、矢板市の汚泥ゼロないし殆どゼロという実例が「ある」ということへの反駁を専門的な見解からご教示頂ければ幸いです。

No.40116 【A-4】

Re:矢板市の汚泥減量化について

2015-07-03 09:01:59 たる吉 (ZWl47e

papa様に同意いたします。
新入社員時代に騙された?(勉強させてもらった)口です。

これ以外にも、
・汚泥のアルカリ分解による栄養化
・オイルトラップのオゾンによる曝気分解=曝気による油分の越流
というようなものにも騙されないようにする基本的な知識は必要です。

No.40118 【A-5】

矢板市の汚泥減量化について

2015-07-06 11:06:00 マウンテン (ZWlf061

>特殊酵素の導入によって農業集落排水処理施設で汚泥の発生がなくなったとのことですが、特殊酵素の詳細等について何か詳しい情報をご存知の方はいらっしゃらないでしょうか?
>(「EM菌なのでは?」と思うのですが…)
>汚泥減量に際し様々な折衝が必要だろうと思いますが、今まで汚泥処理に要した費用を別の形で活用できるのはとても良いと思います。

始めまして。施設管理を受託している民間企業のものです。
汚泥が無くなることは100%ありえません。有機物と無機物が混合されていますので。たとえば汚泥処理工程で液肥化等を施し必要な方々へ配布し、実施的に汚泥がなくなった。と回答されるのであれば汚泥と言う言葉を変化させただけに過ぎず、汚泥の減量化とは言えない気がします。

例えば、汚泥→濃縮(これでも減量化と言います。)、汚泥→濃縮→ガス化若しくは液肥化あるいは焼却による堆肥化、し尿処理施設や汚泥再生センターでの処理を実施し結果的に堆肥やガス化されていれば減量化と解釈されると思います。

本当に減量・減容化であれば可溶化のような膨大な施設を建設する必要があると思います。

矢板市の場合、無機物は処理水槽に堆積したりすると思いますので、いずれ清掃等を実施し場外処分の必要性があると思います。
(現在、し尿処理施設を管理していますが、処理水槽の入り口付近は数年に1回堆積物等の定期清掃を実施しています。)

よって、100%なくなったは言葉の解釈であると思います。
(民間企業からの回答ですので参考までにお願いします。)

回答に対するお礼・補足

 ご回答ありがとうございます。

 矢板市については、「汚泥引抜量」が減量とのことなので、汚泥を肥料と言い換えたものではないと思います。

 マウンテンさんの仰るとおり、汚泥減量化には膨大な施設が必要だというのが常識的な考えだと思います。だからこそ、膨大な施設を造らずに汚泥減量化を実施している矢板市の実例が常識的ではないと考えられているようですが…

 他の回答者様も仰るとおり、残った無機物の処理等実例の実態については、矢板市担当者に直接訊かないと分からなさそうですね…

No.40120 【A-6】

Re:矢板市の汚泥減量化について

2015-07-10 16:24:53 papa (ZWlbd18

地球上の元素(物質)は生物・化学反応では消滅することはありません。生物反応ですべての物質が炭酸ガスと水になることもありません。
生物反応で獲得されたエネルギーの大半は熱エネルギーとして放出されるわけではなく、増殖、生合成、基質輸送に使われており、そのこと自体が下水処理であり、汚濁物質の除去と、汚泥発生の原因になっています。
電力や機械装置で回収した汚泥(汚濁物質)を可溶化したところで、更にその生成物を回収する処理が必要になり当然ながら無限連鎖になってしまいます。
かなり昔のことですが、環境部局で勤務したときに遭遇した自称“汚泥の発生しない施設”では、定期的に解体汚泥が流出(長時間ばっき、回分式)、あるいはろ床閉塞(接触ばっき)したものでした。
非意図的(?)なバルキング・解体・剥離流出が汚泥調整の役割をしていて、早朝・夜間放流や巡回管理のため施設管理者側では認識がなく、放流先からの苦情で早朝立入検査で判明というケースもありました。
いずれも管理者に現実を提示して水質汚濁防止法違反で指導をした結果、汚泥の発生を認識していただきました。
体験談商法は週刊誌やTVCMでは通例ですが、下水処理では物質収支をきちんと把握することが業務の第1歩です。
ドライベースでの物質収支が明らかでない手法は、デッドスペースへの溜め込みか、管理者の把握していない非意図的流出か、不法投棄か、妄想かのいずれかです。説明に苦慮するような案件ではないと思います。

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