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環境Q&A

スプレー塔での塩化水素の測定 

登録日: 2019年06月20日 最終回答日:2019年06月21日 大気環境 大気汚染

No.41378 2019-06-20 16:13:22 ZWlf93d 環境補欠

排ガス中のHClをスプレー塔のNaOHで処理して出しています。処理が十分かどうかや残留するHCl濃度を採取し実測(イオンクロ)しようとしています。測定孔はミストセパレータの後ですが、かなりのミスト量があります。
ミストにHClが残留した状態で排出しても、水分が蒸発すればHClとなるので、ミストとガスのHCl量合算を見るべきと考えております。まずこの考えは正しいでしょうか?
正しいとして考えると正規処理で生成するNaClが含まれるミストとHClが含まれるミストがイオンクロでは見分けられないと思われます。そもそも論としてNaClミストが含まれるようなガスのHClはどのようにして評価をするべきなのでしょうか?
(例えば海岸近くの環境測定等)

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No.41382 【A-2】

Re:スプレー塔での塩化水素の測定

2019-06-21 21:20:01 black (ZWld48

参考として、
廃棄物焼却炉から排出される塩化水素については、
排出基準の設定根拠として許容濃度(日本産業衛生学会)が引用されていますが、
昭和52年6月16日環大規136号
https://www.env.go.jp/hourei/04/000083.html

塩化水素の許容濃度の設定理由を参照すると、
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sangyoeisei/56/5/56_S14002/_pdf

「塩化水素の水溶液である塩酸は腐食性,刺激性があり,高濃度では皮膚,眼,胃腸に直接局所的な影響を与える.蒸気やミストも吸引すれば,呼吸器系に局所的な影響がある.塩化水素は体内で電離し,水素イオン(H+)と塩素イオン(Cl−)になるが,塩素イオンは高濃度ばく露であっても食事で塩化ナトリウムとして摂取する量と比較すると極めて少ないので生体への影響はない.局所における影響は塩素イオンというよりも,むしろ水素イオンによる pH 変化の影響が大きい…」

となっており、あくまで酸性ガスとしての塩化水素の有毒性が評価対象あり、
中和された塩化ナトリウムミスト(無害)まで含めて評価する実益はないのではと考えられます。
事前調査として、ミストのpHを確認されるのはいかがでしょうか?

また、
JIS K 0107 排ガス中の塩化水素分析方法
では、ミスト(液滴)の捕集を想定しておらず、ガス状の塩化水素のみを測定対象としていると考えられます。
(ミスト(液滴)を正確に捕集するには、JIS Z 8808 と同様の等速吸引が必要)

ただし実際には、塩化ナトリウムミストを除去して塩化水素のみを捕集するのは…難しいと思います。

上記の通知(昭和52年6月16日環大規136号)では、
「…試料採取に際しては粒子状の塩化物が入らないようろ過機を確実に取り付けると共に、ガスの冷却により生成する水滴に塩化水素が吸収されて管壁に付着することのないよう試料ガス採取管から吸収びんの間の加熱に留意されたい。…」
となってます。

あまり解答になっていないようで申し訳ありません。

回答に対するお礼・補足

ご教示ありがとうございました。
許容濃度の設定根拠までさかのぼると、かなりの問題が氷解するのですね。
ここまできちんとさかのぼって考えたことがなく、大変勉強になりました。
まずはミストのpHを測定してみます。

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