一般財団法人環境イノベーション情報機構
環境ホルモンと特定化学物質の関係は?
登録日: 2001年10月23日 最終回答日:2001年10月31日 健康・化学物質 環境ホルモン
No.423 2001-10-23 16:05:52 シーボーイ
@環境ホルモンと特定化学物質の関係は?
APRTR法の対象となる特定化学物質(数百種類)の中には、環境ホルモンを含まないのですか?
B環境ホルモン≧特定化学物質
又は
環境ホルモン≦特定化学物質
なのですか?
C環境ホルモンと特定化学物質は全く別物なのでしょうか?
D例えば、特定化学物質のトルエンは、環境ホルモンではないのでしょうか?
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No.434 【A-1】
Re:環境ホルモンと特定化学物質の関係は?
2001-10-31 17:23:32 新潟県 / sory (
この質問に正確にお答えするにはかなり難しいのですが、かいつまんでレスします。
まず、PRTR法の第1種化学物質は354物質あります。
これは、過去の調査研究によって人や生態系に影響が
認められる物質についてリストアップされています。
ここでいう毒性とは、発がん性、遺伝毒性、生殖毒性などのほか、
オゾン層破壊物質といったものも対象になっています。
(つまり、毒性の概念は、環境ホルモン作用に限っていません。)
ただし、国民の活動をある程度制限する法律ですので、
ある程度毒性がはっきりしており、かつ、ある程度の製造・排出量があるものしか
リストに載っていません。
一方、環境ホルモンの疑いがある物質は、環境ホルモンの定義によって
多少異なりますが、日本の環境省では65物質群としています。
ここで「疑いがある」と書きました。
環境ホルモン作用については、毒性の有無を含めまだ不明な点が多く、
一方で極めて微量であっても影響を及ぼす可能性が指摘されています。
そこでリストの選定にあたっては「疑わしきは載せる」方向でなっています。
製造・排出量等はリストの作成にあたって考慮されていないようです。
従って、数だけみれば PRTR対象物質 > 環境ホルモン ですが、
環境ホルモンリストに載っていながらPRTR対象物質でないものもあります。
その逆ももちろんあります。
これは、先程述べたとおり、リストを作成するときの思想が違うためです。
ちなみにトルエンにはホルモン作用は今のところ認める文献はないようです。
またPRTRと環境ホルモンの両方に属するものは約30種あったと思います。
化学物質の毒性には様々なメカニズムが提案・研究されており、
環境ホルモン作用はあくまでそのうちの一つであるとお考えください。
回答に対するお礼・補足
ありがとうございます。
参考になりました。
ご親切に心から感謝致します。
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