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環境Q&A

保全林の調査をしたいのですが 

登録日: 2004年04月15日 最終回答日:2004年04月22日 自然環境 身近な自然の保全

No.5640 2004-04-15 01:38:14 森の子

卒業論文で30年ほど前に保全事業の行われた地区の調査をしようと思っています。
しかし、1年という短い調査期間。そして、もうすでに下枝や間伐がほぼ行われてしまったということで調査内容にいきずまってしまいました。
緑化、自然復元の方向の調査をしたいのですが何かいい調査はないでしょうか。

調査地は30年程前に保全事業で植林、そのまま放置し、やっと去年から下枝切り、間伐。手のつけていないところ、自然林も周りにあり、対照はできます。下層植生の調査をしようと思い、コドラートを取ろうとは思っています。しかし、広混交林、針葉樹林がありますが針葉樹林は光が入らないので下層植生はほぼなく、間伐後の変化もあまり期待できません。

いいアイディアやアドバイスがあればよろしくお願いします。


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No.5677 【A-1】

Re:保全林の調査をしたいのですが

2004-04-20 01:05:57 大阪府 / ひげ

 
ちょっとご質問の意図が解りにくいのですが・・・・・。
調査地は30年前裸地だったのでしょうか、それとも何がしかの植生があり、小規模な新規植林だったのでしょうか?
針広混交樹林と針葉樹林があると書かれていますが、針葉樹種はスギ・ヒノキなどの用材林なのでしょうか。
そうなると自然植生回復保全ではなくて用材人工林の緑化事業ではないかと思います。であるなら近隣の自然林?との比較もほぼ調査意義が無くなると思うのですが。

以上の事から自然復元調査は必要無く、単なる緑化事業の適性管理についての調査か、或いは本来この土地の自然回復にはどのような植栽樹種と管理が好ましかったかを切り込む調査が必要かと思います。
前者は妥当な所で最多生育曲線と現実のコドラード・メッシュの対比等で事足りるでしょう。
後者は地域植生分布から既存林分の特性把握、あるべき森林創出に向けての提案と言った所でしょうか。
個人的には後者のほうが面白そうですが、その分大変でしょう。
二次林ですので管理伐を行うのは当然で、その意味から林床植物の調査は意味が無いと思います、それより30年間植林されず自然遷移が確認出来る場所があれば面白いのですが。

回答に対するお礼・補足

表現が曖昧ですみませんでした。
調査地は原生林を伐採し30年前は農地等としていたようです。現在は道立自然公園の一部となっています。
野幌森林公園というのをご存知でしょうか?そちらの一部の地域です。
用材人工林ではなく森林復元事業です。ですのでスギ等は無く、針葉樹種はアカエゾマツやトドマツがほとんどです。
30年間植林されなかった場所というのはありませんが30年間調整伐の行われなかった地区はあります。ですがこの比較はあまり意味がないですね。。。

土地の自然回復にはどのような植栽樹種と管理が好ましかったかというのがやはりいいみたいですね。
何処に何をどれだけ植えたかといった資料や航空写真は準備してあり、判読もする予定なので分布はできそうです。
森林創出に向けての提案とすれば緑化や植林といった自然復元・自然回帰といった自分の希望にかなっています。

この様な質問に丁寧に答えていただきありがとうございました。頑張って卒論を仕上げたいと思います。
長くなってしまいすみません。

No.5719 【A-2】

Re:保全林の調査をしたいのですが(追加回答)

2004-04-22 22:12:40 大阪府 / ひげ

北海道の野幌森林公園ですか、当該居住区は大阪府なので残念ながらそちらの植生には詳しくありません。
ですがちょっと気になる事が有ったので。
アカエゾマツ、トドマツは近辺に自生している(過去に自生していた)のでしょうか?また農地に利用されていた事から、周辺森林土壌との組成変化が発生していないでしょうか。勿論事業者、行政の方で自然植生調査と植林樹種を検討した上での自然回復植栽であったとは思うのですが30年前と現在ではかなり自然環境保全に対する感覚が変化して来ています、心配なのは「土地的極相優先種」を導入した可能性についてです。

或いは局地的地域気象も変化している可能性も有り、自然界の遷移や極相林分構成樹種も変化している可能性も考えられます、そう言う意味から小規模でも裸地からの更新〜自然遷移が観察出来る林分や草原が近くに在れば随分大きな情報を得られると思うのですが。
本来自然界での更新と、人間が植林した部分とでは生態系の発生基盤が根本的に全く異なります、結果はそれぞれの経過を経て森林を構成するでしょうが果たして同質の極相に辿り着くのでしょうか。
とても1年のリミットでは結果が出ないと思いますが、非常に有意義なフィールド調査であると思いますので是非頑張って良い成果品を完成させられる様に願っています。
以上何かのヒントになれば幸いです。

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